岩下俊三のブログ

パブロ・イグレシアスってだあれ?

風貌はまさにヒッピーであるが彼にただよう知性は半端じゃないと感じる。この「何もかもが」行きづまった世界に、それを「打ち破る」かもしれなないニューヒーロが「果たして」現れたのだろうか?

たとえ、

そうじゃなかったとしても、、、、すくなくとも「僕は」彼を信じたい。

たとえ、

それが軽薄なポピュリズムで一過性のものだとニヒリストから非難されようとも、もはや彼しかいない、これしかないと、「僕は」おもう。

かって

西班牙には僕の気に入っている天才がたくさんいた。たとえばフランシスコ・ゴヤアントニ・ガウディパブロ・ピカソ、、、言い出せばきりがない。そして、いま、世界中で注目を集めている(すくなくとも見識のある人間は、、、)人物がまた西班牙に出現したように思えてならない。

なぜなら

彼は言う、「政治は何が正しいかということとは関係ない。成功することが全てだ」

、、、、いままで絶対に、まして左翼チックな政党が言いそうにないことを、西班牙で彗星のように出現したポデモス党の党首パブロ・イグレシアス(写真)はしらっと言ってのけているし、実際、選挙で勝利し「成功」をしている。

それに、

もともと、かれはヒッピーでもホームレスでもなくれっきとした大学(スペインでは東大のような感じ?)の教授でもあるのだ。

ただ

彼は象牙に中に閉じ持ってはいなかったというだけである。

とにかく、

彼は日本で言えば思想は丸反対であるけれど橋本徹山本太郎を足して2で割った「ような」人気を博し、西班牙のみならず欧州でも話題になっていると言えば分かりやすいだろう(考え方はどちらかといえば山本太郎に近いけれど)。

ただ、

違うのは彼は選挙に勝って「成功」していることである。これは当たり前のことだが彼には左翼にありがちな「よく頑張った」とか「惜敗」とかいう「負け癖」がない、、、「ここが」画期的なのである。

さらにいえば、

彼は共産党の「固い?」綱領に縛られたクラシックな西班牙の(いわゆる)インテリ左翼ではない。けれども現代の世界を病ませている原因をしっかりとサヨクと同じように明確に指摘し、その終焉を目指している。

それは

もちろん何の終焉かといえば経済至上主義であり、グローバル資本主義であるというだけだ。

そういうことだけど

彼が従来と違うのはそれを大衆に彼らの言葉で訴え、大衆を味方にしていることなのである。かれは決して「愚民として」反対派を切り捨てない。徹底して言わせ、そして丁寧に彼らの意見を聞き、最後は自分の味方にしてしまう不思議な魅力を備えているところが全然違うのだ。

だから、

我が国の某志位君や某みずほちゃんとは全く違うのである。(笑?)

ところで、

彼が昨年初頭に「ポデモス(Podemos)」という政党を立ち上げた時、大政党(サヨクを含め)はポデモスを「単なる反緊縮(福祉削減、切り捨て?)のポピュリズム」とか「市民運動の延長。数カ月で消滅する」と言って相手にしなかった。

しかし、

ポデモスは政党設立からわずか4カ月後のEU選でスペインの第4勢力となり、昨年秋には支持率が与党を抜いた。そして今やポデモス党首・イグレシアスが首相になる可能性すら囁かれているのである。

あらためて、

どこが、いったい従来の「サヨク」、とくに日本の「サヨク」と違うのだろうか?ここで我々はさらに彼の演説に耳を傾けてみる必要があるだろう。

彼はこうもいっている。

「僕たちのDNAには敗北が染みついている。左派の人間は概ねそうだろう。左派は連立を組むのが好きだ。『君たちと僕たちと彼らが組めば15%、いや20%の票が獲得できる』などと言う。だが、僕は20%なんか獲得したくない。僕は勝ちたいのだ。勝つためには、我々は左翼であることを宗教にするのをやめなければいけない。左翼とは、ピープルのツールであることだ。左翼はピープルにならなければならない」。

そしてさらに、

「僕たちの言葉は往々にして排他的で、美辞麗句や専門用語が多く、レフトな思想の持ち主にしかわからない。そしてソーシャル・メディアは、左翼の厳格なる言葉遣いの規範に外れると言って左派同士が攻撃し合う場所になっている。正しい言葉で喋ったり、書いたりしていない人物は怪しいとされ、時には裏切り者とさえ呼ばれる」、

「こんなことでは左派は単なる文化的反逆児でしかない。大勢の右派の群れから自分は離れていることを主張しているだけの、ほんの一部の反抗者、またはエモいガキである。だが、社会のあり方についてうるさく批評することではなく、社会を変えることを望むのであれば、左派はそのアプローチを根本から考え直す必要がある」 、

「ポデモスのアプローチは、『政界の外にいる人々にとっては、右とか左とかいう概念は関係ない』という前提に基づいている。人々が最も考えるのは、説得力があり、一貫性があり、自分が理解できる言葉で伝えられた問題だ。数百万人の支持を掴むのは、統計や事実ではない。僕たちは人間だから、感情に訴えられるのだ」

それゆえ

少なくとも僕はこのパブロ・イグレシアス君に一縷の望みを持っているのである。
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