本澤二郎の「日本の風景」(1339)

<安倍首相の健康>
 「病は気から」というが、他人にはわからないものだ。医師でも自ら体験していなければ、患者の苦痛は理解できない。文献だけでは無理なのだ。安倍の潰瘍性大腸炎も、きっとそのはずに違いない。首相の座を降りた経験者なのだから。病気持ちは、責任ある政治家にとって排除すべき職業なのである。先日、永田町を歩いてみると、必ず、安倍の健康に関心が集まっていることに気付かされた。


 余談になるが、鳩山一郎車いすでモスクワに乗り込んだ。後継者の石橋湛山は、あっさりと政権の座を降りた。池田勇人はがん治療のために退陣した。
 安倍を政権に祭り上げたのは、小泉純一郎森喜朗らだ。岸信介の孫、安倍晋太郎の息子という、ただこれだけの理由からだ。岸の娘で安倍の母親が、背後でねじを巻いていたからである。旧姓岸洋子である。小説にすると、日本の女帝誕生になるのかもしれない。

 本人の能力では全くない。当人は用意されたレールの上を走っているだけなのだ。これが日本の“民主政治”の実態なのである。こうした当たり前の常識を新聞テレビが報道しないための、極右首相の内閣なのである。
<公邸に引っ越せない理由>
 その張本人が、国民が用意した公邸に入らない。どうしてなのか、について、新聞テレビも報じない。これも不思議なのだ。書けない、書かせない理由があるからだ。
 自宅通勤のために、警備費用が大変かかっている。途中の道路事情も悪化するだろう。万一のことを考慮すると、国民に大きな負担をかけている。ということに配慮すると、公邸に入居する義務が安倍にはあるのである。
 安倍の番記者は24時間、張り付いていることになっている。夜間は通信社記者が担当しているのだが、実際はいい加減なもので、深夜怪しげな人物が往来しても、それがチェックされるわけではない。
 警備を完璧にすれば、警視総監は出入り人物を掌握できるのだが。医療チームなどの出入りも確認出来るだろう。従って、安倍にとって都合の悪い情報を隠す工作が、番記者や警備陣に対して行われているとみていい。その点で、番記者は安倍のために飼いならされた番犬レベルと言えるかもしれない。
<母親の面倒も>
 日本の家庭では、母親の面倒を見るのは、決まって長男である。安倍家は違う。三菱商事原発売り込みに必死の長男は、母親の面倒を見ていない。
 どうしてそうなったのか。女帝ゆえである。民間人の長男夫妻のそばでは、晋三の政治的世話はできない。森や小泉に指令を出すこともやりにくいからだ。母親の力なくして、安倍はここまで這い上がることは出来なかったのだから、当然母親と一緒であることが宿命づけられたものだろう。
 「高齢の洋子さんの面倒を見るためにも、公邸入りを回避している理由の一つかもしれない」と古い自民党秘書の推測である。
<大きな治療器具>
 もっとも、大事な理由はというと、持病の治療器具のことだ、と自民党関係者は断言したものだ。医療の専門家でないと分からないことのようだが、どうやら簡単な器具ではないらしい。
 最近の安倍の言動から、医療関連の話がよく飛び出している。日本の先進医療器具は、ほとんどを欧米からの輸入品に頼っている。恐らく安倍家に搬入したそれもそうなのだ。高額で、しかも大きな器具なのだという。
 これを官邸に持ち込むと、それだけで大騒ぎになる、という不安が先行するというのだ。
<幽霊官邸の作り話>
 官邸に幽霊が出る、というありもしない話をでっち上げた文章を、ネットでみたのだが、これは悪質である。
 森も一枚かんでいるらしい。安倍信者のマスコミ人が宣伝しているのであろう。幽霊の出る公邸に入らない理由の一つにして、国民をたぶらかそうと言うのだ。安倍の周辺にはおかしな人物が目立つ。近代合理主義を学んできた日本人には、とてもついては行けそうもない。
<スポーツクラブ>
 安倍は都議選遊説中に病院に駆け込んで「高圧酸素治療」を受けたと報じられているが、果たしてそうなのか。その病院に自宅に持ち込んだ器具と同じモノがあり、急ぎ治療を受けたのかもしれない。
 ここは素人には断定できない。
 彼はよく六本木のスポーツクラブで数時間、運動をしている、と報じられる。これも怪しい。自民党筋によると、持病の治療を受けている、という指摘だ。番記者は皆知っているのであろうが、報道を禁じられているのだろう。
<安倍首相は一日も早く政界引退、健康に生きよ>
 不治の病を持つ人間は、たとえすごい政治閨閥があろうとも、政治に手を染めてはならない。国民が哀れである。健康人間だけが健全な精神を約束される。
政治が国民の幸福を決定付けるからだ。

 天皇国家主義という戦前の政教一致祭政一致まがいの日本復活に舵を切ることに、マスコミを使って誤魔化しても、日本国民の多くは同意できない。そのための改憲軍拡憲法の制定には、断固としてNOである。
 「天皇中心の神の国」という原始の時代に日本人を引きずり込むことに、現在の天皇家もNOであろう。ここは1日も早く政界を引退して、放射能の少ない山口県で健康生活を送るといい。それが老いた母親への最期の孝行ではないのか。
2013年7月9日9時40分記