本澤二郎の「日本の風景」(1210)

<日本人の重大な岐路と選択>
 日本が重大・深刻な岐路に立たされていることを、ここまでくれば誰しもが理解出来るだろう。その原因も明解だ。財閥支配の官僚に任せてきた自民党政権と現在の民主党政権が、その元凶である。官僚任せの政治に大改革・メスを入れることが出来る政権を選択できるかどうか、に日本人の未来の全てがかかっている。



<石原後継は間違い>
 石原慎太郎老人が抜け出した首都・東京の知事選挙も、総選挙と同じ12月16日投票である。都民の力量が問われる場面だ。もしも、石原後継の三文文士を選ぶと、都民は再びとんでもない都政で四苦八苦させられる。
 半分冗談ではあるが、仲間の中には「オウムのような教団を、また法人化させかねない」と心配する向きも。そろそろ石原銀行の不正を暴いて、損害を当事者に求める必要があろう。
 金も無く、借金利権稼ぎのための五輪計画も不要である。役人や議会の法外な報酬にメスを入れる時期は、とうに過ぎている。もう30年まえのことだ。自民党ベテラン秘書が「都議の報酬は高すぎる」と反発していた。役人のそれもひどいらしい。
 石原都政では、何も前へ進んでいなかった。3・11を教訓にした候補者が、今の東京都には必要である。無駄を排除できる純粋無党派の候補でなければ、伏魔殿の石原都政改革は不可能だろう。松下政経塾候補も願い下げだ。
<3・11を教訓に>
 長崎・広島・福島の教訓を生かす政治家・政党を選択することが、当たり前過ぎることだが、とても重要である。
 地球は核と共存できない。地震大国の日本に原子力発電所は危険極まりない物体である。地球を破壊する悪魔である。核に平和利用などというのは詭弁だ。人類は3・11で、初めて気付いた。ネットの成果だ。
 この3・11が、総選挙において日本人の意思として発揮できるか。見方によれば、これが地球の運命を握っているのである。既に3・11以後の世界で、人々の核・原発に対する認識は変わった。
 ドイツだけではない。欧米諸国からアジアにも。インドやベトナムでも人民が反発している。筆者の予想だが、それは中国でも建設は無理だろう。人類は3・11の教訓を学んでいるのである。
 自然・地球への回帰である。土・空気を大事にしない政治は、これからの地球で存続できない。そうした選択をする日本人でなければならない。これこそが名誉ある地位なのだ。
<内外政改革と日本再生>
 日本の今は内外政とも完全に行き詰まっている。経済はピンチだ。よくするための方策である、金融政策・財政政策も出来ない。借金超大国の日本だからである。
 財閥が操る官僚政治にただ乗りしてきた自民党公明党民主党に、その責任がある。日本にまともなジャーナリズムが存在すれば、この3党は政界から追放されているだろう。財閥がメディアを牛耳っていなければ、売国奴としてワシントンへ放擲されていただろう。
 責任政党であれば、財閥を説得して、腐敗の温床となっている官僚予算・税制その他にメスを入れて、徹底した無駄を排除すべきである。そのことについて3党とも回避している。民主的な政党ではない証拠だ。
 大事な隣国との外交関係も破綻させてしまっている。北朝鮮と未だに拉致問題すら解決出来ていない。中国人は日本商品をボイコットしている。アジアで孤立する日本である。
 これらは、オバマが抱える「財政の崖」レベルではない。おわかりか。
<極右の排除>
 こうした状況下で、極右の石原や安倍を選択すると、どうなるのか。隣国との緊張関係を増大させるだろう。油断すると、戦争も視野に入れることになる。こんな政権は断じて排除しなければならない。
 絶対に見たくない政権だ。もしも、創価学会が平和を本当に重視する宗教団体と自負しているのであれば、断じて安倍・自民党に投票してはならない。強く警鐘を鳴らしておきたい。結果いかんでは、同会の行方をも左右しようか。人間を大事にする者たちは、核武装論者の後継を支持してはなるまい。戦争国家体制に追い込む極右政党に清き1票を投じてはなるまい。
<リベラルの3極>
 日本国憲法はすぐれてリベラルな憲法である。平和を重視、戦争を排除した、人類の夢が一杯詰まった国の基本法である。日本と日本人が唯一誇れる平和憲法である。
 リベラルな政党こそが、日本人の希望に応えてくれるだろう。発足したばかりの「未来の党」は、平和を大事にする、核に絶対反対する、正にリベラルな政党である。市民が期待するリベラルな3極のはずである。
 財閥や官閥の支配から離脱している政党だと信じたい。第2の民主党自民党ではないはずだ。核を憎み、平和を欲する多数派である無党派は、未来の党にかけるしか道はない。筆者の目下の心境である。
2012年11月29日8時55分記