いつまでもあると思うな親とかね

黄泉の国から   「岩下俊三(旧姓)のブログ」からリユーアル


中国という国はいまだにとらえることができない。個人としては何度も滞在しこころを通じ合える中国人とも何人も知り合ったことがある。みんなそれぞれ「いいひと」だったような気がいまでもしている。しかしにもかかわらず昔から嫌中派であり毛沢東万歳のMLとは同じ全共闘していても話が合わなかった。

だから基本中国嫌いである。


しかし今や国際情勢は中国が好きとか嫌いとか言ってる場合ではなく、中国と協調しなくては日本は世界の孤児になりかねない雰囲気になってきた。日米同盟にどっぷりつかっているうちに政治的にも経済的にも中国の後塵を拝しいまや軍事的にもアジアの安全保障環境はアメリカ一極支配から人民解放軍との共同(分担?)支配に舵を切ろうとしている。事実Su-27はじめとする解放軍の空軍力は日本、韓国、アメリカを三つ合わせたぐらいだとすでにペンタゴンが報告している。

安倍内閣は「国軍」創設とか中国包囲外交とかいき巻いているがアメリカは日本が中国との対立を助長するような言動に明らかに戸惑っている。しかも尖閣問題のみならず歴史認識や女性蔑視(すくなくともクリントン前長官はそう思っている)発言にまで至るとアメリカの国益まで疎外しかねないということになってしまった。

中国もここでにわかに環境問題やTPP参加に意欲が有りそうな態度でアメリカとの首脳会談への布石を打ち始めた。アメリカ側の一極支配の「疲れ」を微妙に察知して世界をG2支配にもっていかせるため無理やり世界的な諸問題に対応する姿勢を見せているのである。もっとも版権無視コピー商品の横行や中国人のマナーの悪さなど不治の病を抱えているから到底世界的な貿易の枠組みには入れそうもないけれどそれでも世界から孤立したくはないしそれどころか世界を支配したいという本音が透けて見える。

問題はアメリカで一方で根強い中国脅威論の伝統はありつつも、2Gとして中国とともに世界秩序を作っていこうとする現実派が主流になりつつあり、日本も安穏と日米同盟に乗っかっているわけに行かなくなってきた。いまや韓国までが日本抜きの米中韓の結びつきを強めており拉致問題という日本固有の事情を抱えた我が国は置いてけぼりになりそうであるといわれている。とくに今やっている日本とアフリカ諸国首脳が経済発展に関し協議する第五回『アフリカ開発会議』(TICAD)は中国を刺激し、それにたいこうして尖閣をあたかも領有権を巡る紛争地であるかのように世界に印象付けるため事前にドイツで怪気炎を挙げている。いうまでもなく尖閣は日本固有の領土であるにもかかわらず沖縄にまで言及して己の主張をアピールしているのだ。


この参考になるのが李克強首相のインド訪問だ。インドと中国の国境は何十年ももめていたが尖閣と同じく別にインド側で譲歩する筋合いはなかったはずである。ところが解放軍は国境を乗り越えてキャンプまで張ってデモンストレーションを繰り返してインド軍の防衛施設をいきり立たせていたのである。しかしインドのクルシード外相は李克強がやって来る直前に中国に譲歩し解放軍の撤退の代わりにインド軍の国境防衛網を破壊させたのだ。つまり尖閣侵犯を止める代わりに付近の海保や自衛隊警戒網を破壊せよと言っているのに等しいがこれを許したのである。普通の感覚からすれば「無理筋」と思われがちだがこれが国際情勢の現実なのだ。

インドの地政学的たちばに詳しくないひとはなぜここまでされてもインドは譲歩せざるを得なかったのかという疑問が湧くだろう。話は簡単ゼニがないからである。ペンタゴンの予算が無駄だったとアメリカが思ったからである。ゆえに、いうまでもなくアメリカがアフガンやパキスタンから撤退傾向にあり、アメリカの覇権をあてにしていたインドが梯子を外されたのだ。これはアメリカの一極支配が減少し中国の覇権をアメリカも認めざるを得なくなったことの顕著な例である。だが日本も同様な運命をたどらないという保証などどこにもないのだ。核兵器を持つインドですら中国の増大には後ろ盾がいなくなった以上抗しようがなかったのである。

そこで再びなんども中退や留年をしてた長い学生時代を思い出す、、、、

「いつまでもあると思うな親とかね」

そして今の日本は、、、

「いつまでもあるとおもうな日米同盟」(字余り)