本澤二郎の「日本の風景」(1358)

<歴史を忘れた民族の未来はない>
 国家主義の安倍にしかられるだろうが、韓国からすばらしいメッセージが届いた。「歴史を忘れた民族の未来はない」という標語は正しい。反発している右翼は、歴史を学んでいないか、歪曲した史実を叩きこまれ、それを信じ込んでいるのだろう。その代表が安倍晋三である。日本国首相は歪曲史実・皇国史観を幼くして祖父・A級戦犯容疑者から教え込まれていたのだから。


 国家主義者は過去の過ちを受け入れようとはしない。侵略の元凶である財閥と同質だ。1945年8月15日を多くの国民は「これから電灯のつく生活が来る」(宮澤喜一)と喜んだが、天皇を神と仰ぐ輩は全く違った。その子孫が今の自民党を形成、その親分が安倍である。
 戦後体制の骨格である平和憲法を目の敵にして政権を担当した。そこに平和を叫んで一定の支持を得ている宗教政党がこびりついているため、自民党独裁体制は、しばらく揺るがないと見られている。
 国家主義靖国信仰がベースになっている。神社神道による政教一致体制、彼らは国体と称している。衰退過程のローマ・カトリックは、法王自らブラジルを訪問して布教の一線に立っているが、ナチスとの過去の過ちを認め、反省と謝罪をしている。しかし、日本の天皇家の宗教である神道は、過去を否定している。靖国の記念館に行くと、戦争を美化する記録が山のようにある。元自民党幹事長が指摘していた。
 45年体制を否定する神道靖国なのである。ここを欧米と隣国が問題にしている。
<さすが韓国サッカーファン>
 歴史認識竹島・独島問題で反発する韓国のサッカーファンが、7月28日の東アジアカップの日韓の試合会場に「歴史を忘れた民族に未来はない」という巨大な横断幕を掲げた。
 これに世界のサッカー人口が釘づけとなった。日本の評価どころか、今の日本に衝撃を受けたようだ。安倍に大きな責任がある。安倍の官房長官は、抗議の姿勢を見せたが、果たしてどうなるか?国家主義が今日、通用しないという現実を、まるでわかっていない。
 日本の信頼・日本製品を低下させていることさえも、ナショナリストは理解していない。それでいて「ドアは開けてある」と開き直る。お笑いである。ワシントンの変化に気付いていない。やむなく公明党が「本当にそうなのか」と確かめるため、訪米の準備を始めたという。

 「たかがスポーツ、されどスポーツ」なのであろう。日本政府・政党の不甲斐ない対応に対して、本来は日本国内で解決するものである。しかし、それが出来ない日本の極右体制に、遂に隣人が警鐘を鳴らしたのだ。
 反省と謝罪の出来ない者に未来はない。同じ過ちを繰り返すからだ。韓国の法廷では、とうとう日本財閥に損害賠償責任を認める判決が出た。今後、中国やアメリカでも起きるかもしれない。
<ブルーベリーで覚醒>
 眼が曇ってしまっている安倍内閣には、ブルーベリーが効果的だと聞いた。偶然にも昨日、小雨が降る中でこれを少しばかり採取した。埴生の宿の2本のブルーベリーの木に実ったものだ。無農薬・無肥料のこの木は、近くの友人が植えてくれたものだ。
 東電の放射能と市原の工場からの劣化ウランのことが少しは気になるが、我が家のブルーベリーは心配ないだろう。さっそく朝食前にヨーグルトに包んで食べた。ブルーベリーのそばに茗荷を数個見つけた。昨夜はこれを刻んで、近くの農協から買ってきた新鮮キュウリと一緒に納豆で巻いて、冷えた缶ビールのつまみにした。
 ブルーベリーは眼にいい。8・15の靖国参拝にはワシントンも気をもんでいる。国家主義とリベラルの攻防戦が始まっている。誰かブルーベリーを安倍に持参して覚醒させてはどうか。半分、本気で進言している。
<高福祉フィンランドは採取自由>
 これも偶然だが、友人夫妻がフィンランドを旅してきた。ヘルシンキだ。戦後、日本の初めてのオリンピック参加がヘルシンキ大会だった。7月から日航が直行便を飛ばしたのだという。
 貧者には無縁の旅でも、機内は日本人旅行者で満席だったという。格差を象徴する場面でもある。ところで、旅人は筆者にブルーベリーの菓子をくれた。北欧にはブルーベリーが野山に一杯あるらしい。しかも、それは誰でも自由に採取することが出来る。
 福祉先進国では、人々の精神はおおらかなのだ。共生の価値観を日本人も学ぶ必要があろう。
高負担高福祉としても知られている。消費税は高い。しかし、人々の暮らしは恵まれている。土日の休日でなくても、人々は屋外に家族そろって、ゆったりと過ごしている。日本の労働者のように残業などない。
真夜中まで働かせて自殺者を出したYという人物は、その稼いだ資金で自民党から、先の参院選に出馬して当選した、とネット掲示板で騒がれているが、こうした人物は、フィンランドでは社会から追放されてしまうだろう。
小泉内閣でさんざん批判された新自由主義なる弱肉強食の経済政策で、働く者の人間性は否定されている。いつでも経営者に首にされる非正規労働者の日本に変身してしまっているが、安倍内閣はそれをさらに促進させるというのだから、日本の労働環境は最悪といっていい。
<安倍ナショナリストの前途>
過去を否定する日本人の製品の評判は悪化するだろう。隣人との関係を悪化させる国家主義を、それでも選択した日本人?もちろん、過半数有権者は投票をボイコットしたのだが。野党指導者が自公に塩を送った選挙結果が、歴史を忘れさせる結果ともなっているのだが。消費大増税でも福祉低下の日本、まやかしのアベノミクスで崩壊してゆく日本なのだが。

初夏の果実の王様がブルーベリーである。無農薬果実を食べながら、なんとか日本人は覚醒の機会を手に入れて欲しい。狂った永田町と大手町・霞が関からスノーデンは現れないものか。
2013年7月30日10時20分記