本澤二郎の「日本の風景」(1530)

<1%が作った都知事
 筆者は都知事選に細川が手を上げた時、心をときめかしたものだ。安倍独裁を抑え込める、との期待からだった。彼の挑戦状を叩きつけた真の相手は日本の1%、原子力ムラである。日本再生を可能にできるかもしれない。そう思って嬉しくなってしまった。安全神話を信じ込んでいた小泉も、細川支援で立ち上がった。新聞テレビも細川潰しは出来ないだろう、とタカをくくってしまったのだが、それは大甘だった。



 30年前の1億円事件を新聞テレビが大きく取り上げて、細川イメージをぶち壊してしまった。これは小沢事件と同じやり口だった。的確な世論操作である。これは予想外のことだった。
 原発を争点とする都知事選を新聞テレビは、端の方に追いやってしまった。恣意的な新聞テレビの危険なところである。有権者はまんまとこれに引っ掛かってしまった。
原子力ムラは1%の牙城>
 原子力ムラは強い。3・11の福島東電原発事件でさえも、真実を覆い隠してきている。普通であれば、福島県民による暴動が起きるところである。しかし、静かなものである。
 新聞テレビが、原始力ムラ・1%を擁護する報道に徹したからである。日本には真の言論の自由はない。1%に支配されているためだ。
<マスコミ利用で世論操作>
 憲法は主権を天皇から国民に与えた。民主主義は、人民の人民による人民のためのものである。実際は違う。明白に違う。
 1%は主権者を操作する、操作できる。その手段がマスコミ利用なのだ。日本国民は新聞テレビを信じる。それに左右される。操作は簡単である。細川を一躍、悪役に仕立て上げたのである。細川の挑戦は、最初から失敗することを約束されていたのだ。
<財閥・1%が影の支配者>
 1%とは、別の名前だと財閥である。代表格は三井住友と三菱である。これらが、日本の影の支配者なのである。安倍内閣は財閥の傀儡でしかない。霞が関の官僚も、財閥にひれ伏している。
 法と正義の権力機構の司法もまた、財閥の支配下にあるのである。
<裏金で処理>
 財閥はカネで政党・政治家を、事実上、配下にしている。むろん、総理大臣も、である。腐敗の構造である。なぜ、それが事件にならないのか。
 「すべて裏金で処理している。証拠を残さない」ことになっている。
 戦後、財閥のトップがお縄を頂戴(逮捕・拘束)したことなど皆無である。
<腐敗ももみ消す>
 腐敗をもみ消すことなど、彼らにとって容易なことである。はっきり言うと、法の支配の外側で生きている。3権も手が出せない。
 まともな法曹人がいたら、決して許さないはずである。調べてはいないが、弁護士も検事も裁判官も財閥の顧問になることが夢だという。本来、恥ずべきことなのだが、彼らは財閥にひれ伏すことで、高給を手にしている。
 司法がこの体たらくである。官僚も財閥への天下りが名誉なのだ。政治家は財閥の配下になることで、豊富な資金を約束される。
<法の支配もくぐり抜ける>
 憲法法の下の平等を約束している。実際は財閥に対しては例外である。
 財閥に3権はひれ伏している。歴史に残る公害事件の処理を見つめれば、それだけで十分理解できる。
 法の支配も、彼らには無意味なのである。

 舛添が何をするのか。財閥に抵抗する政策を打ち出すだろうか。ありえない。もしも、福島県知事のように原発NOというと、事件発覚で逮捕・失職させられる。
 新潟県知事も東電に対して勇気を出しているが、彼の今後を心配する支持者は多いようだ。財閥は検察を将棋の駒のように使いこなすのである。

 安倍独裁は、正しくは財閥独裁なのである。侵略戦争の主役でもあった。
2014年2月9日21時00分記