本澤二郎の「日本の風景」(1111)

亀井静香が「野田は狂っている」>
 野田首相はどうも健全な日本国の代表ではない。「狂っている」のである。7月27日午後、東京・四谷3丁目の亀井静香事務所で久しぶり、亀井とインタビューしたのだが、彼の口から飛び出した野田評価が「狂っている」だった。国民の多くも同感だろう。日本のトップが狂っているのだから、その地位から出来るだけ早く追い出す責任が、主権者の側にある。早期解散が求められよう。延命装置を付けてはなるまい。自公と「生活」など野党の責任も重くなってきた。



原発再稼働・10%消費税・オスプレイ受け入れ・TPP参加>
 元国民新党代表に向かって「72年から永田町を見聞してきたジャーナリストだが、こんなにひどい国民に敵対する、国民いじめの内閣は初めてだ。なぜなのか」と質問してみた。
 「原発再稼働から10%消費税、国民の命と生活を奪おうとしている。危険極まりないオスプレイを受け入れようと必死だ。日本の経済・福祉制度を崩壊させるTPPをも参加強行しようとしている。どうしてなのか」とも。
 これの回答が「狂っている」、野田を一刀両断に切り捨てた。武家社会なら野田の首はないのだ。多くの市民も同じ認識をしているだろう。金曜日の首相官邸を包囲する無数の市民は、野田打倒を叫んでいる。狂った首相はいらない。日本の内外政を破綻させているのだから。
 国民の生命・財産を守る使命を果たさないどころか、逆に生命・財産を奪うことに必死なのだ。確かに「狂っている」としか表現のしようがない。
アメリカの召使の政権>
 かつて米ソ対立の時代に首相として初訪米した中曽根康弘は、レーガン米大統領に「日本は不沈空母。ソ連など怖くない」と言った。ワシントンにこうした海軍用語を用いて忠誠を示したのだ。
 日本国民は仰天した。中曽根は最初の選挙で敗北した。CIAの力で権力を手にしたA級戦犯容疑者の岸信介は、その見返りに60年安保の改定という日米軍事同盟の強化を断行した。
 小泉内閣は郵政改悪を強行しただけでなく、イラク・アフガンに自衛隊を派兵して、ブッシュに忠誠を尽くした。ともかく、独立国の自覚喪失の内閣が次々と誕生してきた日本にあきれるばかりだ。
<「尖閣自衛隊」と狂った野田>
 亀井は、野田内閣をアメリカの召使と決めつけている。さらに語気を強めて批判した。「今日は議会で尖閣問題にからめて、自衛隊を出動させる、というような、総理が決して言ってはならない言葉を吐いた。こんなことは自衛隊の最高指揮官として、口が裂けても発言してはならない。相手があることではないか。仮定のことについて断じて言ってはならない。戦火を交えることを断じて口にしてはならない。明らかに野田はいかれている」と追い打ちをかけた。
 筆者なりに野田の心の内を忖度すると「これだけアメリカの召使になって忠誠を尽くしているのだから、尖閣自衛隊を出せば、米軍も即座に支援してくれるはずだ」との勝手な思いがあるのだろう。ワシントンの立場は、いうまでもなく「外交問題で処理すべき問題」と冷静である。当たり前だろう。イラク・アフガンでも勝利出来なかったアメリカである。中国と敵対することなど考えてもいないだろう。

 ともかく野田は、とんでもないほどの、狂った首相なのだ。ひどい防衛大臣を任命した野田は、目下、自らも病んだ精神を露呈したことになろうか。精神科医に診断を任せるしかないのか。同時に、国民は重大な覚悟をもって、野田と対峙する必要があろう。
<病んだ民主党
 貧すれば鈍す、というが、石原と組んで尖閣をクローズアップさせるという、まともな為政者が決して触ってはいけない問題に飛びつく野田である。これに隣国の指導者や人々が直接的に反応したらどうなるのか。
 こんなに荒んだ心の首相が永田町に存在する、それを許す民主党もそう寿命は長くないだろう。「間もなく民主党過半数を割る」と予測する亀井だ。
「鳩山はタイミングを見て離党をする」とも指摘する。
 多少とも、政界にいたいと考える人物は、民主党を飛び出すことになる。「この前、ここに来た岡田(副総理)に言ってやった。選挙で大敗するはずだから、それを前提に対応を考えておくべきだよ、とね」「岡田の反応は?」「そうですか、と浮かぬ表情だった」
 いかれているのは、イカサマの一体改革を議会で答弁する岡田もそうなのだ。
<4人の反原発議員>
 その一方で、彼は反原発民主党を飛び出した3人の女性議員、その後押しをした側近の亀井議員を高く評価した。いずれ出番がやってくる、と。官邸の反原発デモに参加した亀井の表情に、国民新党時代の緊張感はなかった。
 インタビューの詳細は「財界にっぽん」に10月号に掲載予定。
2012年7月28日7時45分記