本澤二郎の「日本の風景」(1143)

<ドジョウ捕獲作戦>
 国民の支持を失っているドジョウ内閣である。よたよたしている。泥の中に潜んでも、ぶくぶくした体の全てを隠すことは出来ない。ドジョウ捕獲作戦はそんなに困難ではない。既に問責決議を受けた「死に体」そのものである。これ以上、延命装置を付けさせて、国民の生命財産を悪化させてはなるまい。大手マスコミは与野党大会での代表・総裁選挙ムードを煽りたてて、野田救済に躍起となっているが、これに屈することは日本の損失である。ドジョウ捕獲作戦を成功させることが、いま何よりも先行させる責任が与野党と国民にある。



 解散を恐れるな。政治は国民のためにある。民意を反映させる政治を取り戻す、その絶好期ではないか。野党は命がけでぶつかるしか、野党の生きる道はない。多数の無党派支持を取り込むためには、遅れた夏休みに安堵していてはなるまい。あと1歩で追い詰めることが出来る。詰めを忘れていると、火の粉は自らに降り注ぐことになろう。あえて警告しようと思う。
民主党の責任>
 それにしても、こんなにひどい悪政を見たことが無い。白アリ退治の公約を放り投げて10%消費大増税を強行、あまつさえ原発廃炉の民意を封じて、再稼働を強行した。それでも食い逃げしようとして、今度は密室談合仲間の自民・公明を裏切って、問題法案を次々と衆院強行採決、その結果として問責決議が可決された。自公の猛省を促したい。
 だが、またしても公明党が議場から逃げ出して、野田に塩を送った。度し難い宗教政党であろうか。もはや無党派の支持を取り付けることは困難だろう。

 さて、ここ数日間は与党民主党の動向である。赤字公債発行法案も成立させることが出来なかった政権の政治責任は重い。ましてや、それを自らの延命のために選択したドジョウである。こんな悪辣な政治指導者は、政権担当時の自民党にもいなかった。憲政の常道を逸脱している。
 民主党が民主主義の政党と言うのであれば、民意を裏切ったドジョウを、自らの手で始末する、という責任を負っているのである。民主的な政党として当たり前の対応を取るべきだろう。
 野田側近は「9月党大会で代表再選を勝ち取り、食い逃げ作戦を強行する」のだと吹聴、これにメディアも協力することになっているというのだが、果たしてこんな政党が21世紀日本で許されるはずもない。
 悪しきリーダーを排除する義務が与党にある。総辞職させるのである。民主党の最後の行動は、自浄能力を発揮できるか否かにかかっている。強く訴えたい。
<野党議員は街頭に立て>
 まだ残暑も厳しいが、野党の議員全ては地元に入り、街頭に立って野田悪政の数々を市民に訴える。これを国民運動へと盛り上げてゆくのである。こうした手法は、過去の自民党でも実施している独裁者封じのイロハである。
 内政と外政を破綻させておいて、さらに延命すると言うドジョウの野望を封じる責任が、全野党に課せられている。
 街頭に立ち、街宣車を選挙区内にくまなく走らせる。市民も奮い立つことになろう。これの相乗効果は大きい。民主政治は独裁的指導者を許さないということを、市民に知らしめることが重要である。
 過去に問責決議を受けた福田康夫麻生太郎は、党内と世論の意向を汲んで自ら身を引いた。本来はこうあるべきところであるが、ドジョウはそれすらしない、それどころか党代表再選を狙うのだという。「まるでシリアのアサド並み」と嘆く市民もいる。
有権者の声を聞け>
 国会議員は地元に張り付くことで、民意を直に聞くことが出来る。市民の政治不信と精神不安は頂点に達している。それを膚で感じるだろう。原発への恐怖や10%問題が襲いかかることの恐ろしい事態について、素朴で率直な意見を多数聞くことが出来るだろう。
 それは永田町での、高額報酬に慣れきっている雰囲気を吹き飛ばすことになろう。ドジョウ捕獲作戦の重要性を理解するはずである。不況下の大増税は、しかもその影響は弱者・中小企業に対して重圧となって跳ね返る。
 何よりも、公正な社会にすることの重要性を認識するはずである。富裕層の代表である国会議員は不適だし、追放の対象であることを自覚するに違いない。
<官邸と船橋を包囲せよ>
 財閥・官閥・CIA好みの極右のドジョウは、この日本に不要である。
 金曜日の官邸包囲デモは、さらに拡大してゆくだろう。市民の怒りはドジョウの延命にNOである。市民デモは民主政治の下での唯一の意思表示の場である。非暴力不服従ガンジー主義だ。60年安保闘争とは違う。機動隊は昼寝をしていればいいだろう。強いて支援すると言うのであれば、デモ参加者に便所の案内をすれば十分だ。
 反原発判決をした元裁判官も姿を見せるようになった官邸包囲デモが、消滅することなどありえない日本だ。「東京の春」到来を告げている。
 繰り返すが、多くの市民は命を危うくされている無念・怨念も抱えているため、これが収まることはないだろう。ドジョウ捕獲に成功するまで行われてゆくだろう。
 官邸包囲デモはドジョウの隠れ家でもある船橋にも向けられている。これもまた、前代未聞の珍事である。首相を叩き落とす市民デモなど、これまで聞いたことも無い。このことだけでも、野田悪政のひどさを裏付けている。
 もはや首相としての権威などない。隣国の大統領の公然とした反旗が、それを物語っている。民意をくみ取れる良心的な人物であれば、その座を譲るものであるが、狂ったドジョウにそれが見られない。
<食い逃げを許すな>
 そもそも公約しない重大事を実行する場合、その前に国民に信を問うというのが、民主政治である。ドジョウはそれさえしなかった。白アリ退治どころか、白アリのシナリオ通りに強行した。
 それでも国民に逆らって「解散しない」というのだ。食い逃げもいいところである。これほど悪質な政権与党など戦後にはなかった。有権者はドジョウの食い逃げを許してはならない。
 民主の大道を破壊する内閣の存続を許してはならない。
2012年8月30日9時55分記