本澤二郎の「日本の風景」(1152)

<快挙!沖縄県民10万人反米決起集会>
 9・9オスプレイ配備反対決起集会が沖縄で開催された。事実上の「ヤンキーゴーホーム」である。これに日本国民の多くが拍手を送っている。炎天下にもかかわらず、軽く10万人を超えた。快挙だ。あえて沖縄人と呼びたいが、本土人に先駆けて自立への一歩を踏み出したことになる。彼らに勇気と自信のきっかけを作った鳩山由紀夫のことも忘れてはなるまい。沖縄の怒りは今回、オスプレイの危険性に代表されているが、沖縄人の精神はそんなものではないだろう。


<屈米派を退治した県民>
 この10万人決起集会に経済界出身の知事は、敵前逃亡よろしく姿を見せなかった。ゴルフ場でマスコミにコメントしている映像が出た。CIAの脅しに屈したものか。この金もうけに興味を示す人物に信念などない。こんな輩ばかりの沖縄だったから、平和の島を米軍事基地に横取りされてきたのであろう。
 軍事基地に平和は訪れない。その逆だ。歴史が証明している。軍事経済で心豊かな幸福社会は、永遠にやってこないだろう。自ら立ち上がるほか解決されない。そう覚醒した沖縄人である。
 「普天間基地の移転先は県外・国外だ」と日本国総理大臣が公約した。これに沖縄人はようやく覚醒したものであろう。「日本の総理までが県内移転NOと公約してくれた。正に目からウロコだった」という県民は多かったに違いない。鳩山は霞が関・CIA配下の新聞テレビに潰されたが、彼の思いは沖縄人に継承された。それが今の危険なオスプレイ配備反対運動へと拡大している。
 要するに、従来から基地経済で甘い汁を吸っていた一部守銭奴売国奴・屈米派の指導層を、正義に目覚めた沖縄人が退治、蹴散らしたことを意味する。
<目を覚ませ!オバマよ>
 軍事基地で、人々が幸せを手にすることは出来ない。幸福度世界一のブータンになれない沖縄である。平和と幸福を欲する県民が、戦後初めて主導権を握ったのだ。屈米派は金で折れるが、自立した沖縄人は金に屈しない。この潮が消えることはない。
 オバマのワシントンは、このことに早く気付く必要がある。共和党大統領候補となって善戦したロン・ポールの公約、それはCIA廃止・外国の基地撤去が正しいことを裏付けたことになろう。沖縄に米軍基地はいらない。
 米産軍体制のアジアの橋頭保としての沖縄基地を許してはならない。基地のない沖縄が、アジアの平和と安定を約束する。断言したい。中国を利用しての軍事基地の固定化は、正に東アジアの不安定要因なのである。
 再選するはずのオバマは、そろそろ武器商人から離脱すべきだろう。ビル・クリントン民主党大会で発した「自分ひとりだけ、勝者が全てを手に入れる社会を望むなら共和党に投票するがいい」という一言は正鵠を得ている。これは今の民主・自民・維新に対しても当てはまろう。弱肉強食の小泉・竹中の新自由主義経済で、社会の安定確保は困難である。格差を望む富裕層の政党・政権は、この日本に不要である。
 ウォール街の金融カジノ経済崩壊後の世界では、野田の政経塾は完全失格である。それは改憲をわめくだけの自民党にもいえる。大阪のヒトラー政党にも当てはまるのである。
<東京・岩国も連携>
 沖縄県民の怒りの大集会に連動する行動もあった。その一部をマスコミが報道した。これもうれしい成果だ。
 1万人もの市民が国会議事堂を包囲した。国民に奉仕しない国会議員はいらない、落選させる、とのデモンストレーションだ。10%・原発再稼働派を撃墜するとの市民デモである。
 山口県の岩国でも大がかりな「オスプレイ反対」の市民が決起した。この超保守的な山口県で、前知事までが、これに断固反対したことに驚いた筆者だった。「知事退陣前になって人間性を取り戻したものか」と思っていたのだが、新知事もそれを継承して、反対運動の先陣を切っている。
 地元の岩国が連動して当然だろう。もはや明治の長州ではない。岸・佐藤・安倍の長州ではないのだ。大失政の安倍が、再度「やり残したことがある」と改憲公約で自民党総裁選に手を挙げるという。まるでヤクザの論理ではないか。岸以来の蓄財がそれを可能にしているのであろうが、彼は市民の味方ではない。軍財閥の味方であろう。
 山口県・岩国市は安倍を必要としていない。
<自立した背景>
 オスプレイは、ワシントンの悪しき軍事戦略の具体的な象徴である。その前には、莫大な軍事利権が存在している。軍需産業と米軍高官とそれにまとわりつく政治屋である。
 この悪しき構図は、日本にも存在している。その末端にはマスコミも控えている。壮大なる利権構造を見逃してはならない。沖縄の決起は、彼ら悪しき戦争勢力に衝撃を与えているのである。
 日米の戦争勢力の矛盾を暴いていることなのだ。そのことに沖縄は戦後67年にして覚醒したものと信じたい。それゆえに10万人決起集会は、戦後の日本史を転換させる崇高な意義を有している。正に快挙なのである。
<米産軍複合体の手先返上>
 ロン・ポールアメリカと連携せよ、と訴えたい。民主党のリベラル派との連携を、とも叫びたい。米産軍複合体はアメリカに巣食うごく一部の勢力でしかないのだから。ワシントンのジャーナリストの中には、有名なヘレン・トーマスのような無冠の帝王もいることに気付くべきだ。ワシントンにもいいアメリカ人がいる。CIAばかりではない。彼らは尊敬されるアメリカ人ではないのだから。
 沖縄の決起に戦場に送られて負傷した元米兵なども、内心喜んでいるはずである。沖縄の心を彼らに伝える活動をすればいい。彼らの元に足を運べばいい。彼らを沖縄や東京に呼べばいい。こうした市民レベルの活動が重要なのである。
 それを受け止める心が、オバマにあると信じたい。
 戦争や緊張で暴利をむさぼる産軍複合体を包囲すれば、事態は大きく変わるだろう。断じて沖縄は彼らの手先になってはならない。不服従抵抗運動を執拗に繰り広げる。これに対抗出来るものは、この世に存在しない。ガンジーの専売特許ではない。
<中国との友好が安心・安全>
 沖縄は平和の島である。東アジアの中心に位置している。円を描くと東京と北京はほぼ同一線上に存在している。東アジア共同体を生み出す研究拠点なのである。
 温暖で自然に恵まれた沖縄での研究成果を、東アジアや世界に発信できる格好の立地に恵まれている。安全・安心の農漁業食糧供給基地・観光基地としての沖縄だろう。
平和の島・沖縄は長寿の島となろう。健康基地としても最高の場所だ。これなら世界一幸福度のブータンに匹敵できることになろう。それは中国との友好基地でもある。そうしてこそ安心と安全が確保できる。大陸の繁栄を受け入れられる沖縄である。日本国憲法を最高度に発揮できる沖縄だ。
2012・9・9の沖縄は、その第一歩を踏み出したものである。これに抵抗する日本人は、売国奴であろう。沖縄の心を本土も共有する必要がある。屈米派を撃墜させる選挙が、間もなく訪れることになる。日米中対等の国づくりへと踏み出す今が、その好機なのだ。
2012年9月10日9時40分記