本澤二郎の「日本の風景」(1231)

<危うい韓国?>
 12月23日は珍しく行事が立て込んだ。欧州・アジアを歴訪してきたばかりの国際ジャーナリストとロシア料理で乾杯、その前は戦前の詩人・萩原朔太郎をルーツとする群馬マンドリン楽団の演奏会にも招かれた。世界から眺める日本と韓国とアメリカについても、教えられるところが多かった。大統領選挙が終わったばかりの韓国だが、この国の前途も危ういというのだ。日本の新聞テレビが報道しない韓国、というのである。


 確かにおかしい選挙結果だった。独裁の軍人大統領の娘が、次期韓国大統領になる韓国である。他方、日本はA級戦犯容疑者の孫が2度目の首相になる。双方とも異様・異常な事態であろうことは、誰しもが冷静な目でもって判断出来るだろう。
 国際ジャーナリストは「日本人は薄型テレビやスマフォンの韓国経済を見ているが、実態を反映してはいない。欧米は既に韓国を見捨てている」と決めつけたものだ。筆者には即座には判定する材料はないが、指摘されると、確かに韓国に本物の工業製品はない。肝心の部品は日本からの輸入品に頼っている。
<日韓から撤退した香港上海銀行の裏事情>
 香港上海銀行をご存知か。金の世界にうとい筆者は、早速ネットで調べて見た。英金融大手HSBCの傘下だ。この銀行が日本と韓国から、今年2月に撤退していると、彼は指摘した。
 このことを「とても深刻な事態」と力説したのだ。一般的に欧州金融不安が撤退の理由と宣伝されている。これは正しくない見方だという。「韓国と日本を見捨てたのだ」が国際ジャーナリストの分析なのだ。
 莫大な負債を抱える日本に未来はない、それは韓国も、という香港上海銀行の分析なのだ。現に彼は、その銀行に預金口座を持っていたことで、真相を知ることが出来たと言う。
 パリの専門家の中には「日本に極右・ネオナチの政権が誕生した。もはや関心を持つ対象ではない」と突き放す向きもあったという。安倍政権への厳しい分析であろう。それは隣国の日本分析とも一致する。
 日本を戦前の戦争国家へと改造する政権の存続は、日本の未来を崩壊させるだろう、と見られているようなのだ。
<欧米の厳しい日本観>
 別の見方をしてくれる友人もいる。「英国の大手金融機関は、世界の金融機関を操るユダヤロスチャイルドに違いない。そこの政策判断なわけだから、やはり日韓の前途に赤ランプがついたことを意味する。日本ではマスコミが大きく報道していない。報道できないのだ」と解説してくれた。
 どうやら筆者の見方と同様に、安倍政権の誕生は日本を地獄へと追い詰めることになろうか。
 ひも付きのない市井の経済専門家を新聞テレビは、決して起用しないが、考えて見るがいい、円札を刷りまくって世の中が明るくなるだろうか。NOであろう。副作用が大きい。
円や国債の価値を下げると、それだけで輸入する燃料費や小麦などの食料品が大きく上がる。輸入品が家計を直撃する。
<安倍・白川も詐欺師?>
 物は売れなくなり、経済は沈下する。しからば、印刷した金を借りる企業・投資家が現れるだろうか。NOである。財閥・巨大企業は230兆円の手持ち資金を保有している。しかし、投資先など無い世界経済状況だ。銀行から金を借りる必要など無い。
 現に、金は日銀の金融緩和によってあり余っている。しかし、融資する相手がいない。借りたい企業に金は貸さない。貸したい企業は金を持っていて借りない。日銀は安倍の圧力に屈して輪転機を回すと、これをタダ同然に銀行が借りて国債を購入する。この金利で銀行は潤うだけのことである。しかし、国債は下がる。
情報筋は「この金で国際的投機筋が優良な日本企業を買収する」と捉えている。何のことはない安倍の円札輪転機は「ハゲタカファンドの資金になる」というのだ。
 事実だとすると、安倍と白川はハゲタカファンドと裏で手を組んでいる?

 さて輸入品は値上がりするが、それ以外の物価が連動して上がるだろうか。上がらない。物はあふれている成熟している日本社会である。多くの国民が手を出したい物が無いから、テレビでも車でも下がってゆく。
 インフレは金の流れを閉じれば止められるが、デフレは止められない。人々が飛びつくような製品が出回らない限り、物価はどんどん下がってゆく。安倍も日銀も嘘つきである。野田も大嘘つきだったが、安倍も白川も嘘つきなのである。
<群馬マンドリン楽団>
 安倍と日銀のことは、改めて書くことにする。
 国際ジャーナリストから日韓の厳しい前途のことを、神田の初めて覗いたロシア料理店で聞く前に、飯田橋の凸版ホールでマンドリンの演奏を観賞した。学生時代に一度、今回2度目だ。
 元自民党代議士秘書の荒船君が招待してくれた。久しぶりに芸術ムードに浸ることが出来た。テノール歌手・秋谷直之のイタリア民謡もよかった。
 萩原朔太郎マンドリンを弾いていたことを初めて知った。前橋出身の郷土愛に燃えた詩人だったということも。わが木更津は、永田町と三井財閥のハゲタカにすっかり丸坊主にされてしまった?昔から、今も吠えまくっているのだが。
2012年12月24日10時10分記