オセロゲームでの宰相の弱さとは

黄泉の国から   「岩下俊三(旧姓)のブログ」からリユーアル


日銀総裁が白川から黒田に変るからというのではないが、世はいままさにオセロゲームの世界に突入したという感が否めない。「白か黒か」中間色を認めない一気呵成の変容であるが、近隣諸国の世襲的色彩がこの危険な「幼児性」生んでいるのではないかと気にかかる。

「幼児性」の筆頭は言うまでもなく我が国の首相であり、岸の孫というだけでなく全く我々とは違う華麗な血縁関係に彩れれた「おぼちゃま」君であることは周知の事実だ。彼は民主党政権によって「やや」控えめであった対米従属既得権保護という自民党の本音が思いっきり発揮出来るトリガーであって、官僚財界のモペット(あやつり人形)として重宝されている。モペットのすべて備えている安倍晋三の利点はオセロゲームで一転した政治状況の上げ潮ムードに何の疑念もはさまず周囲の既得権者から言われたことをすなおに実行できるところだ。それが証拠にTPPしかり、日銀人事しかり、、、そして国防軍創設、憲法改正まで一気呵成に進みそうな勢いである。

ちなみにモペットの利点の最大の資格はアタマとカラダが「弱い」ということである。

ところが世襲独特の「幼児性」こそ共通しているものの、最近同時に代わった近隣諸国の首脳達はアタマもカラダも「それほど」弱くなくむしろ強靭ささえにおわせている。

とくにお隣の韓国の朴ウネなんかは元大統領の娘でありながら事実上大統領とともに苦楽をともにし地獄も見てきているだけに非常に慎重で頭も切れる女性である。建前の反日、建前の軍事を優先させてはいるが、なかなかしたたかな計算と高度な知性があるので今後のかじ取りを期待したいものである。

一方「北」の新たな将軍様(若大将?)もスイスでの学生生活に裏打ちされた国際人としての彼のインターナショナルな知性からしてもけっしてアタマが弱いとは言えない。もちろん老獪な寸止め(瀬戸際)外交を展開してきた父金正日に比べるとやや演技過剰な面は否めないが、これも年齢的にいつ「暴走」しても可笑しくない危険な匂いを諸外国(とくにアメリカ)に振りまく効果を高めるための計算だとすれば、一目置かざるを得ない。

そして文字道理「太子党」のエリート習近平は、習仲勲元国務院副総理の息子である。父は八大元老といわれた一人であり、八大元老とは中国共産党成立の始祖であってながく中国政治の中心で権力闘争を続けていたことはよく知られている。ということは父の血を受け継ぐべく習近平は軍にも所属していたことがあり決してカラダが弱いということはなく見るからに堂々とした体躯である。その上二度にわたる結婚の艶福化というだけでない鋭い先見性と戦略を持っている。にもかかわらず、自らは質素倹約を是とし貧民の生活する現場にも足を運び、兵卒などの下級軍人からの信頼も篤い、実に端倪すべからざる人物といえよう。

こうしてみると我が国の宰相は頼りない。

私は歴とした日本人であり武士の血を引く愛国者でもある。したがっていくらサヨクといわれても日本の代表は尊敬すべき人間であってほしいとおもう。しかしながら近隣諸国ではアタマもカラダも最も弱い宰相を抱えてしまったことに深い悲しみを覚える。

百歩譲って弱いのは仕方がないが、卑屈であるのはいただけない。千歩譲って卑屈であっても仕方がないが、「嘘」はよくない。いくらアタマが弱くても自分の「いわされて」いることが嘘であるぐらいはわかる筈である、なのに
たどたどしい滑舌でも言っているということはきっとアタマやカラダだけでなく「気」も弱いのだろう。

これは亡国の宰相の典型である。嗚呼、南無阿弥陀仏