日本職人は不滅です〜メタンハイドレード実験成功〜

黄泉の国から   「岩下俊三(旧姓)のブログ」からリユーアル


地震大国で資源がないと長いこと諦めて、がゆえに戦争を拡大しすぎて失敗し、いまや資源のある大国に隷属するしかなくなっていた日本が、実は世界でも有数のメタンハイドレード保有国であることが3月11日分かった。地震大国ということは南海トラフをはじめ多くの海溝が取り巻いている日本列島の宿命でもある。が、この地理的条件こそがこの「新エネルギー源」の埋蔵量の多さに繋がっているのだ。

いうまでもなく3月11日、我々は地震国でありながらも宗主国の核の生産基地をしいられ、プルトニュームの量産に励んできた「悲しみ」を痛感させられた。そして二年後にちょうどそのような国土の運命が「悲運」から「幸運」に大転換しそうなことになってきた。大英帝国北海油田、ロシアのカスピ海油田、そしてアメリカのオイルシェール、、、大国の老齢化に息を吹き替えさえたものは、何と言ってもエネルギー源確保の担保に他ならない。経済効率だけでは言い尽くせない安心が「食」と「エネルギー」にはあり国家の安全保障の究極がその「担保」であり、最後の最後は国際信義だとか紙切れの約束だけではあてにならないのが、残念ながら、歴史の「ある真実」と言えよう。

その意味ではどう考えても暗い未来しか考えられない日本に、明るい未来が「あるかもしれない」ということは画期的なことである。どんなわずかな可能性でも、たとえそれが叶わなくても、一縷の望みに賭けてみるというのが人間であろう。名画「渚にて」を彷彿とさせる。




だから、まずはメタンハイブレード実験の成功を喜ぶべきである。何も考えず、すなおに。メタンハイドレード関連の株価が上昇しているのも日本人の復活であると単純に慶賀すべきである。

しこうして、それから、それを前提に、、ややあってから「好事魔多し」も考えるべきではなかろうか。、、、と私は思う。というのは、この二十年あまりにも暗いことが多すぎたし、これからもあまりにも絶望的なことが将来も予測され「すぎ」であるからだ。




もちろん僕はいくら頭が弱くても桜井よし子ほど「芸人」ではないから、メタンハイドレードを採取しすぎると地震が起きるなどという見え透いたトリックで金持ち爺の「受け」を狙うほど落ちぶれてはいない。つまり「旧」エネルギーで既得権と巨万の富を得ている旦那衆に阿るつもりはさらさらないということである。

そのついでにいえば確かに実用化に向けて様々な困難があるけれど、その多くは可能性を信じれば乗り越えられるのである。が、もっとも乗り越えがたきハザードが二つある。このハザードを乗り越えないと日本の再生など「絶対に」ありえないと断言できる。

その筆頭が「欲望」である。たしかに今は石油を中東から運んだり、ロシアから天然ガスを「買った」買った方が安いだろう。目先のコストパフォーマンスを考えて「利益」を偏在させるには、これから国民共有の「新しいエネルギー開発」で無駄な「捨て金」を使うことは「今」潤っている豊かな人にとっては最悪のシナリオだ。しかもその最悪のシナリオのスポンサーが既得権者であるのだから、メタンハイブレード危険説が人間の「欲望」によってねつ造され次第に浮上していくことだろう。クリティカルを気取るマスコミが、いずれこのチャンス潰しの立役者になることは明らかである。

つぎに日本の官僚が巧妙に潰しにかかることだろう。なぜなら彼らの存在そのものが「対米従属」であるからだ。
田中角栄小沢一郎がなぜ潰されたか言うまでもないし、戦前の陸軍がインドシナに入ったことが従属すべき民族の反乱とみられたのである。すなはちエネルギーを自己調達することはタブーなのである。自己調達しようと試みること自体が許されないことだったのだ。日本は「資源小国」でなければならない、、、これが対米従属を一貫して貫いている官僚の鉄則であるからだ。

資源大国である日本は資源を求めて「戦い」をしなくなる。それでは困るのだろう。竹島尖閣も所詮はアジア内部の資源獲得競争に過ぎない。だからいくらでも戦の種は落ちており「安保」→「抑止力」→「辺野古」を容易にさせるのだ。だから日本は「資源小国」とう役割を続けるしかないのだ。


千載一遇の日本浮上の最期の機会は決してアベノミックスではない。それは麻薬であり、とどめになるだろう。しかしメタンハイドレードはそれとは全く違う起死回生の一打になるだろう。

9回ツーアウトツーストライクでも跳ね返せる日本であってほしい。ふたたび言おう、なにも日本人は井畑ばかりじゃないぞ!よみがえれ職人魂。