本澤二郎の「日本の風景」(1255)
<魔都に毒蜘蛛の巣?>
この世は悪人の天下なのか。悪人も金の布で身を包むと華麗に見えるものだが、えてして頭隠して尻隠さずの譬えを演じたりするものだ。昨日、事情通がヒントをくれた。「築地市場移転にGSを足してごらん」という。この方面では素人人間だから、その通りにしてみると、確かに出てきた。石原利権の巣の一角が。警視庁の記者クラブの面々は皆知っているはずだ。しかし、書かない。書いてもデスクがボツにしてしまう。そんな印象を受ける事案なのだ。
石原一族の素性は、これまで華麗なイメージで通用してきたが、実際は違うと元福田派のベテラン秘書が断言した。失礼ながら、筆者もようやく毒蜘蛛のように見えてきた。石原が初めて政界に打って出たころ、ライバルは宇都宮徳馬だった。平和・軍縮派に対抗する極右作家の姿そのものだった。愚かな都民は弟・裕次郎に誤魔化されてしまうのだが、それを今日も引きずっている。ここにきて石原の息子らが父親をそっくり真似ている、というのだ。毒蜘蛛は巣をどんどん張り巡らせるのである。その一角を3月14日付の朝日新聞がスクープした。
<大塚耕平議員は知っていた!>
例の項目でアクセスすると、2008年11月13日の衆院財政金融委員会の議事録が出てくる。画像まである。大塚が追及しているのだ。彼は何もかも知っている。今どうしているのだろうか。身の安全は?多少気にはなる。
要するに、石原が強行に推進した築地市場移転問題に絡んで、市場が抱える9億円以上の借金が、突然棒引きにされたのだ。農林中金がそれをいともなくやっていた。改めてこの金融機関の伏魔殿ぶりを印象付けている。移転反対派工作を成功させるための布石が9億円棒引き事件なのである。
石原が運輸・航空利権に強いことは知っていたが、農林や銀行にまで手をまわしていたとは驚きだ。政治屋の悪徳ぶりは尋常ではない。有権者の愚かさは極まっていようか。
これには農林官僚と財務省の銀行官僚が関与している。壮大なる官僚腐敗そのものである。黒幕が米国ハゲタカファンドで有名なGS(ゴールドマンサックス)だ。このGSは悪徳学者で知られる竹中平蔵との深い仲も有名なようだ。筆者の手の届かない世界である。
大塚は、その腐敗ぶりを見事に暴いている。
<日米の腐敗構造>
ワシントンは貿易摩擦を契機に対日経済政策を協議する場を設けさせた。最初がブッシュ・パパの時代だ。日米構造協議と呼んだ。クリントン政権時代には、日米金融経済協議、そしてブッシュ時代になって規制改革のための官民会議。その米側議長がなんとGSのCEOだったのだ。
エコノミスト・経済部記者の常識なのだろうが、指摘されると十分に頷ける。小泉―竹中路線のもとで、アメリカきってのハゲタカファンドは、公然と政府間レベルで入り込んできたのだ。これでGSの暴走が手に取るように分かるだろう。よく亀井静香が口にする「ハゲタカファンド」とはGSのことだったのだ。
政治ジャーナリストでは世の中が見えない。政経ジャーナリストにならないと、日米の腐敗構造は見えてはこない。改めて思い知らされた。
大塚は委員会でGSの介入を指摘していた。彼は毒蜘蛛の正体を知っているのである。彼に情報発信力があれば、多くの国民はこの恐ろしい腐敗の構造を知ることが出来るだろう。市場移転後にセリを止めさせる。その先に莫大な利権が生まれる制度を導入する。それがGSの野望というのだ。
ということは、石原はGSの手先なのか?
<セガレ・宏高にもGS疑惑>
委員会質問で農林中金と石原ファンドも登場する。石原が支持者向けにばらまいた都民の金を流用しての破産した新銀行のことだろう。それにGSも連携している、ということらしいのだ。都民も莫大な授業料を支払わせられたことになる。
日本の首都の利権に手を突っ込んだ構図だ。側近に悪魔のような人物がいる証拠であろう。
この先に親子のスキャンダルが表面化したことになろうか。「点と点が蜘蛛の糸で結びついている」と決めつけた事情通に脱帽するほかない。朝日社会部はまだ捨てたものではない。読売社会部は書かないことで有名なのだ。最近になって知った。ナベツネが情報を悪用している、と解説する友人もいるほどだ。日本の新聞テレビは腐りきっている。
「新聞は書かないことで経営を維持できる」と豪語したアメリカ人ジャーナリストがいたそうだが、ナベツネもその一人なのか。
問題の宏高疑惑は、もちろん公選法違反事件というちゃちなものではない。ユニバーサルエンターテイメントという長ったらしい会社と組んで、まずはフィリピンでカジノを建設しているのだという。
親子そろってフィリピン人脈を駆使して、この大手のギャンブル会社をマニラで成功させるのだという。マカオに屈したラスベガスだ。そのマカオを駆逐する狙いもあるのだろうか。
そこでの成功を、いずれは東京と大阪に持ち込む算段なのか。教育に熱心な子を持つ親は深刻だ。江東区に放射能汚染瓦礫を持ち込んだ石原は、人が寄りつかないようにしておいて、そこに鉄格子のカジノを建設しようというのだろうか?
この大手のギャンブル会社にもGSが入り込んでいた、というのである。
<ムサシにもGSが>
選挙の全ての作業を一切民間の「ムサシ」という会社に投げ売りしていた、という事実に驚愕した専門家ばかりである。不正疑惑はグーグルで検索すると、無数に掲載されている。ヤフーは駄目だ。ヤフーでは情報を取ることが出来ない。中国人はその点で、大変なハンデを負っている。12・16選挙は憲法に違反している。東京や札幌の高裁などが次々と判決を出した。12・16総選挙は本来無効なのだ。
今の安倍・自公内閣は正統制を有していない。違うだろうか。それゆえに新聞テレビを動員して必死で支援させている。いまの日本の姿である。悲しい、悲しい日本なのである。
この「ムサシ」の大株主の上毛実業にGSが参入していた。いつから、が判明すれば、GSの狙いが見えてくるだろう。アメリカでも不正選挙疑惑は存在する。選挙プログラムの操作で可能と専門家は断定している。
「操作が出来ないようにも出来るが、日本政府も議会もそうしない。新聞テレビも追及しない」というのである。おぞましい日本である。TPPに先行しているGSである。GSに天下っている官僚を特定すれば、その野望もにわかに浮かび上がる。
朝日新聞社会部の健闘を期待したい。社会部から編集局長や社長が誕生するようになれば、筆者を含め朝日の読者になるだろう。約束したい。
2013年3月25日11時05分記