「日本語並みに母語で高等教育を完結できる言語は世界でも数えるほどしかなく日本の大きな強み:小野 昌弘氏」

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京大、一般教養の半分英語で。

外国人教員100人増 http://goo.gl/1mEG9

これが実現すれば、私は京大生の教養が現状の半分になると予想する一方、英語での意思疎通能力はさして向上しないと思う。

以下理由。

1)日本人の英語が不得意な第一の理由は、人前で自分の意見を意見を論理的に主張することに馴れていないから。

つまり英語で意見を言える学生を作るためには、個人の人格を尊重しつつ教員も学生も対等に議論できる環境が重要。

しかしこの教養計画自体が現京大執行部の一方的な上意下達でこの原則に反する http://goo.gl/5dkI6

2)特に京大生なら英語の語彙や文法については既に十分。

しかし英語で専門の教科書・文学など一般教養書を読む事と英語の文を書く訓練は当然必要。

本は自分で読むべき。

講義を英語でうけて理解が浅い状態で英語で専門書を読んでも効率は落ちる。

英語を書く能力については、ネイティブでも大きな差ありたとえば、ネイティブでも、大学院レベルで科学教育をうけていなければまともな科学英語を書けない。

さらに、ネイティブの研究者でも、英語の文の上手さは、教員の研究の質にほぼ比例する。

つまり、京大で外国人教員をとることが目的と化した時点で、その外国人教員の質の確保ができるか、実に疑問。

3)最近、医学系の学会で公用語を英語にするところが増加。

利点は近隣諸国から参加者を募れることだが、日本人同士の議論が、ただでさえ低調だったものが、英語にしてさらに劣化。

つまり、大学で学ぶべき科目を日本語のできない教員に任せると、その科目の学習効率が著しく落ちると予想する。

> 効率も問題でしょうが、特に外来概念を把握するには、必死に母語の類似した表現を類推しつつ、「わからないなりに考える」という作業を行ってきたのですよね。英語での講義では単に単語として覚えるだけで、この「類推する」能力が著しく損なわれることになりませんか?

科学研究・教育は思いのほか国毎に違います。

国際的に共通の土台はあっても、文化圏毎に必要なもの・目標が違うからです。

この違いは、日本語での研究・教育の質が高ければ日本の強みになり、逆に質が低いと弱み。

また研究を社会に還元するとき科学日本語が必須になります。

私は、京大が外国人教員を雇うより、同じ資金で学生を一年間程度海外に交換留学させる基金を設立すべきと思う。

日本でときどき英語の講義をうけても効果薄い。

しかし海外で学べば、否応無く国際的な感覚を身につけ、英語で自己主張できるようにならざるを得ない。

ちなみに留学先は欧米に限る必要なし私自身英語で講義を受けた経験も無かったが、研究者として英国で働くうえで困らない。

勿論京大での公式教育の質に改善すべき点は多し。

京大の強みは、この公式教育に出席義務がないこと、一部の熱心な教官のおかげで非公式の教育が充実していたことの二点。

前者を英語で強制することの愚が分かろう。

> 問題は「講義を英語でうけて理解が浅い状態で英語で専門書を読んでも効率は落ちる」に尽きますね。わたしの経験でも、外国語で講義を受けたりゼミに参加するときは、脳の処理能力が6掛けぐらいになった気がしますから、母語に比べて効率は確実に落ちます。

> ほんと、高度な高等教育を母語で受けられることの意味を再認識すべきだと思うぞ。

確かに日本語並みに母語で高等教育を完結できる言語は世界でも数えるほどしかなく、日本の大きな強みなのに、自覚がないんですねえ。

日本の大学卒業生は国際人としての標準的教養が学べておらず、教養教育の改善は必要ですが、質を無視して英語で体裁を整えるというのは、明治時代と比べてすら退化した印象です。

しかも現代は学問が複雑化・細分化していて、いかに学習の効率を上げるかの方が喫緊の課題です。

> ご意見にまったく同意です。京大ともあろう学府がどうしてこういうことがわかんないのだろうかと思います。母語で思考・議論できることがどれだけ効率が良いか。そこに最初から英語を挟んでしまって議論の発展やクリエイティビティを阻むことは愚と思えてなりません。

日本の大学卒業生は国際人としての標準的教養が学べておらず、教養教育の改善は必要ですが、質を無視して英語で体裁を整えるというのは、明治時代と比べてすら退化した印象です。

しかも現代は学問が複雑化・細分化していて、いかに学習の効率を上げるかの方が喫緊の課題です。

> 結局、多くの日本人労働者が英語をあまり使えないのは、「べつに不自由しないから」に尽きるんじゃないのかね。フランスだって似たようなもんだった。北欧やベネルクス、スイス、台湾、香港、シンガポールなどとは事情が違うだろ。

某農業系多国籍企業の米国人が日本旅行の後に「日本は自然が豊かでビジネスのうまみがあるが、労働者が英語をできないので進出できない」と嘆いていた。

実は日本は英語を話さないことで助かっているかも

> 穀物メジャーはTPPで一儲けたくらんでるんじゃないですかね。農業と知財の両方にうまみがあるわけだから。

この会話は三年前。

今は期待が膨らんでいるでしょうね