閻魔大王大いに怒る

黄泉の国から   「岩下俊三(旧姓)のブログ」からリユーアル


閻魔大王の主たる業務はうそつきの舌を特製のやっとこで抜き、地獄へ放り投げこむことである。だから日本の国会議員はそれをどうせできないと思って「嘗めきっている」のであろう。だから、ここは一発、「ざけんなよ!!」とかましてやるしかない。


嘘をつくのはいけない。この子供にも分かる人類普遍のきまりを上手く誤魔化してあたかも嘘をついていないかのように真面目そうな顔をして善処しますと言って言い逃れをしている男がいる。過去にもこんな奴がいたような気がする。嘘にもランクがあってかわいらしい嘘や悲しい嘘には情状酌量もあるが、適当に言い逃れするような奴だけは許せない。八つ裂きにしたいと考えている。

そ奴の名は(閻魔帳にはたくさん記載されているが、)まず安倍晋三野田佳彦である。

なぜなら「一票の格差」問題すなはち選挙制度改革は「耳にタコ」ができるほど言われ続けて来たし、いよいよやりそうなポーズが安倍と野田の党首会談で行われたから今回の衆院選があったのだ。それなのに過去と変わらず
適当に「善処します」と言って済むと思っているのだから、この世ではなんとか逃れても、あの世では必ず八つ裂きにするしかないのである。


そもそも三権分立という建前がほとんど崩れている。特に「違憲状態」であるという曖昧な表現とか、証拠を掴んでから検察は告訴すべきなのに妙な仕組みをねつ造して冤罪を仕組むとか、いずれも「司法」の権限は地に落ちていると言わざるを得ない。今までも何度も違憲判決がでたものの、諸般の事情を考慮して(たとえば有罪者を獄につなぐとかという)具体的な行動を強制していない。とくに国会や行政に気を使った政治的判断をしていることは言を待たない。

それでも違憲だから改善してほしいと遠慮がちにずっと「建前」として言い続けて来た経緯がある。にも拘わらす行政の長である総理大臣は善処しますと受け流し、与党の幹事長は小さな手直しで「選挙制度」改革を乗り切ろうとしている。しかしそれでも違憲状態は変わらないのだ。それを承知で世迷言をいう政治家は内心「どうせできない」と思って「司法」を嘗めているし、広義で国民を嘗めているのだ。

広島高裁の勇気ある裁判官は違憲だから「無効」というシンプルな判決を下した。ということは即無効な選挙で当選した議員は辞めるべきである。いかなる理由があっても無効は無効である。禁固刑なら監獄、死刑なら縛り首というルールをずっと国民に課して来たのだし、国会議員だから法律に従わなくてもいいというのはおかしい。

だから「今後{国会}で審議し違憲でないように善処します」、などといういのは「完全なる言い逃れ」に過ぎない。ひき逃げ犯を放置し、殺人犯を「今度から人を殺さないように善処します」と言って許すのであれば三権分立は絵に描いた餅であり法による支配というのは「嘘」だったということになるのだ。

嘘に嘘を重ねることを最も嫌う閻魔大王だったら即地獄行の判決を下す。当たり前である。

不祥事を起こした張本人が自浄作用しますと嘘をいってなにもしない事例はなにも国会だけではない。最近だけでも柔道連盟、東京電力相撲協会などなど数え上げればきりがないけれど、いずれもじぶんたちの「お手盛り」で事実調査、改善などというのは不可能だというのは火を見るより明らかである。

誤解しないでほしい。今の一票の格差の問題をのみ論っているのではない。嘘をつくなと言っているのである。それも偽りの装いで「ただちに健康に害はない」とか「善処します」とかいうのはつまるところ「数年後に前立腺がんになりますよ」とか「なにもしないで放置します」と言っているのと”同じ事”である。

たとえ国民が許しても(誤魔化されても)閻魔大王は断じて許さず大いに怒るのである。