本澤二郎の「日本の風景」(1279)

東芝の素顔>(その十二)
 原発メーカー・原子炉メーカーは、どうみてもまともな企業とはいえない。日本国憲法の精神である平和・人権の主義に反している。日本は戦後を生きるために、外交も何もかも、人類に奉仕することを約束した、そう認識したはずである。日本企業のビジネス路線は、平和産業に徹することを国際社会に約束したのではなかったか。ワシントンが発した「核の平和利用」に飛びついた中曽根や正力の願望は、そこからねん出されるプルトニウムにあった。日本核武装が彼らの悲願だった。それによる戦前の国家主義体制復活にあった。そこに棹さしたのが、東芝や日立、三菱の軍需産業ではなかったか。



 ズバリ言うと、いま日本政府と財閥がやっていることは、北朝鮮やイランと変わる所などない。既に、いつでも核武装化できるプルトニウムを腐るほど保有している。それでも、まだ原発を手離さない、それを輸出して暴利を、という東芝ビジネスは、これは人類の敵のやることではないだろうか。
 日本は3・11を好機ととらえる、これが正常な人間の判断だろう。太陽・風・地熱・波などのエネルギーを効率よく高める技術立国、本当の意味での科学立国として再生すべきなのだ。
 断じて核に手を出してはならない。まともな日本人の精神であろう。彼らは原子力ムラの政治体制の維持に全てのエネルギーを注いで、自民党・自公の政権を復活させた。その先の野望は日本核武装にある。彼らの標的が平和憲法・9条にあることは、安倍発言で明白であろう。そこに手を染める東芝など原発・原子炉メーカーの罪は重い。
<快挙・東芝提訴の準備>
 原発放射能に詳しい正義の事情通が、新しい市民の活動を伝えるネット情報を送信してくれた。善良な日本人の存在にうれしくなってしまった。まだまだ完璧に原子力ムラに敗北したわけではない。
 東芝を提訴する準備が始まっている、というのである。東芝など原発メーカーを相手に損害賠償を起こすというのだ。善良な弁護士・勇気ある弁護士が現れている証拠でもある。
 市民は無力この上ない。法律の専門家が勇気を出さないと、提訴は不可能である。法律家の勇気の裏には、市民の勇気が存在しているのである。
 アメリカの空母の乗組員でさえも、被曝法廷闘争を開始している。ワシントンの野望に辟易する毎日だが、アメリカ市民には善良な弁護士・兵士・市民が一杯いる。この動きは拡大されてゆくだろう。東電追及は、必然的に目下も雲隠れしている原発メーカーにも及んでいくだろう。
 この勇気ある法廷闘争を、生活・みどり・共産・社民は支援する義務があろう。それが党勢拡大へとつながる。進歩的な労働組合・労働者も立ち上がってほしい。
<裁判で原子炉・原発メーカーをあぶり出す>
 法廷闘争では、東芝など不条理なビジネスである原子炉製造の歴史が暴かれることになる。いつから、なぜ原発・原子炉に手を出したのか。中曽根ら政権与党との関係はどうだったのか。
 必然的に原発推進音頭の先頭に立った読売新聞の存在もあぶり出すことになろう。米原子炉メーカー・ウェスチングハウス子会社化の経緯も、日本国民の前に明らかにされるはずである。
 安全神話の正体も暴露されるだろう。それは戦後の闇を公開することにもなるのである。この闘争に多くの日本人が関係することを期待したい。日本再生の道でもある。
 国家主義と民主主義の戦いなのでもある。
<悪魔の核に平和利用はない>
 核を肯定する人間は、本来一人もいない。核超大国アメリカ大統領でさえも「核廃絶」を叫ぶと、ノーベル平和賞が授与される今日だ。
 イスラエルの核はよくて、イランの核は悪い。こんな理屈は通らない。それが国際社会で認知されている。ことほど核への悪魔性に人類が恐れているからである。
 核武装化をテコにして、ワシントンに独裁政権を認知させようとしている国が、目下の北朝鮮であろう。世界には、日本を含めて核を政治的に悪用している国がある。これが今日の恐ろしい世界を形成・象徴している。そこに棹さしているのが、東芝など日本の原発メーカーということになる。悪魔ビジネスそのものであろう。
 核は悪魔・サタンである。これを廃絶する。それが今と、これからを生きる人類の使命なのである。ならば、これの推進企業は「悪魔そのもの」と断罪せざるをえない。この点で、オバマを支援する日本人は多い。
<悪魔企業に抗議行動>
 新聞テレビは崩壊してしまっている。反原発首相官邸デモを報道しなかった新聞テレビである。大分後になって、少しだけ報道するようになったが、現在も原子力ムラの一翼を担ってしまっている。
 日本社会を暗くしている元凶である。だが沖縄は健全だ。危険な米輸送機「オスプレイ」の飛行に対して、県民は立ち上がった。それを地元の新聞テレビは大々的に報道している。
 イカサマの沖縄の政治屋が、官邸の金に転んでも、沖縄を動かすことは出来ない。沖縄の県民の心は、昨今はまともになってきている。押しつぶそうとするCIAも腐心しているだろうが、これは無理というものだ。ご存知、中南米に反米政権が沢山誕生している。キューバだけではない。ワシントンの不条理を跳ね飛ばして生きている。沖縄はそれを日本で実践している。もはや金では転ばない。このことを日本人は誇りに思う。

 そして遂に東京や北海道で火の手が上がった。快挙だ。原発メーカーへの抗議行動が断行されたのだ。事情通のネット情報が伝えている。この中には日立の正社員で、現在は嘱託エンジニアの朴鐘硯さんや崔勝久さんらだ。
 彼らが東芝や日立、三菱など原発企業を提訴する勇気ある市民のようだ。「1万人の原告を募る」準備を開始している。善良な日本人の支援を求めたい。
<東電攻略に市民が決起>
 ネット情報によると、政府・東電など原子力ムラは、放射能被害者の提訴を恐れているため、市民活動を必死で封じ込めている。これに新聞テレビも協力・従っている。ところが、ネットには流れていた。
 ご存知、悪辣な原子力ムラは危険区域を小さく抑え込むことで、被害者数を少なくしている。補償費用を抑え込む狙いからだ。そのための不満・怒りは爆発的なのだ。
 善良な弁護士も汗をかいている。「原子力損害賠償紛争解決センター」に持ち込むことで、対象区域外の被害者が東電から和解金を勝ち取ったという。福島県の元白川町の住人である。
 これも快挙だ。区域外の放射能被害者は千葉県の柏などにゴマンといる。福島県以外にも沢山いる。被害者は公然と東電、そして東電の金がなくなったら、東芝など製造者にも怒りをぶつければいい。
<悪魔から手を切れ>
 新たな市民運動は燎原之火のように列島に広がるだろう。これはすばらしい国民運動である。不安と不満が列島を覆っている。
 北朝鮮核武装化に反対する市民は、日本核武装化の根っこを掘り起こす必要があろう。それが悪魔企業退治なのである。東芝など原発企業を平和産業に生まれ変わらせる運動でもある。
 核から手を切らせる運動を展開してゆく、これこそが将来を生きる日本人の義務というものであろう。日本人の資質が問われている理由だ。
筆者の友人の中には、東京・神田を離脱して薩摩・鹿児島に移住した。そこから長州・山口に戦いを挑んでいる。気付いたら行動する人間になろう。これが人間革命の正しいあり方だ。そうしてこそ危機の日本を救うことが出来る。
2013年4月21日11時15分記