本澤二郎の「日本の風景」(1283)

東芝の素顔>(その十三)
 原子炉メーカーの周辺はきな臭い。核のゴミの処理は不可能だ。そのことで原発保有国は苦悩している。原発ゼロを打ち出しているドイツでも、打つ手も無く困惑している。廃炉と核ゴミの処理に空前の血税と時間を要する。それでも継続し、それを輸出するという東芝・日立・三菱の財閥が、政府の核政策をリモコンし続けている、そんな日本でいいわけがない。



<きな臭い政権との癒着>
 政府の政策に対して、なんらかの影響力を行使できる、行使している巨大企業を財閥と呼ぶ。三井・三菱に限らない。その豊富な資金力を使って霞が関を操る。だから天下りはなくならない。そこから、さらに永田町を遠隔操作・リモコンしている。いうなれば大手町こそが、日本の1%である、富豪資本の本陣である。
 ここにメスが入らない戦後の日本である。闇の世界なのだ。これを解明できれば、日本もやや韓国レベルの国になれるのだが。
 戦前もそうだったが、今の財閥はもっともっと強固な城を構築して、民意を寄せ付けない。新聞テレビも、この傘下にはまり込んでしまっている。3・11報道が、そのことを見事に暴いているのだが、無知な市民はそれでも気付こうとしない。
 東北地方の人たちは、少しは分かってきているのかもしれない。原発が東京のど真ん中にあれば、理解出来る日本人はより多いはずである。
 今の極右政権は、これらきな臭い財閥が擁立した政権なのである。きな臭い政権は、靖国参拝・教科書・歴史認識でもって隣国との緊張を高めてゆく。事態は野田前政権よりも悪質なのだ。
 きな臭い政権から発進される言葉を、善良な市民は単純に信用してはならない。日々の官房長官発言を、NHKは必死で放映しているが、これは真実を伝えていない。そろそろ、こうした政治の秘事に民衆は気付くべきだろう。東芝らのリモコン政権ゆえ、でもある。断じて、うがち過ぎの分析ではない。
<核使用NOに署名しない安倍内閣
 昨夜、びっくりする報道がスイスのジュネーブから飛び込んできた。目下、核不拡散条約・NPTの第2回準備委員会が開催されている。核兵器の使用を断固として認めない共同声明に日本は、世界唯一の被爆国として署名しなかった、というのである。悲しい情けないニュースだ。
 核兵器は最悪の非人道的な悪魔兵器である。日本人は広島・長崎で米国の実験台にされた。その教訓を生かそうとしないで原発に手を染めて、3・11で被曝した。人類は使用禁止を求めている。核廃絶の先頭を切る使命を帯びている日本だ。しかし、日本政府はそうしなかった。人類に失望を与えてしまった。
<広島・長崎を裏切る>
 日本は道義国家とはいえない。アメリカと同列ではないのか。不道徳の政府をいただいてしまっている。根ッ子である財閥が腐っている。だから幹である霞が関も、枝や葉である永田町も新聞テレビも腐ってしまっている。
 世界の信頼を集めることなどできない。
 このNPT準備委員会で広島と長崎の市長は、英語で核廃絶を力強く訴えていた。それは日本人の切なる核廃絶の思いを世界に発信した。被爆者の思いを叫んでいた。これに誰も反対などできなかった。だが、きな臭い政権は、核廃絶の共同声明に署名しなかった。
 またしても人類に失望を与えてしまったのだ。日本政府は長崎と広島の人間の叫びを共有せず、ワシントンに従ったのだ。原子炉・原発メーカーに操られていることも、世界に発進したことになる。
 腐った根ッ子に枝も枯れてしまっていた。広島と長崎の美しい芽を摘んでしまったのだ。
<財閥・強欲資本の代弁者>
 強欲資本―財閥―軍需産業霞が関―永田町という、1本の腐りきった太い連結が日本を牛耳っている。そこにワシントンもからみついて離れようとしない。腐った日本という、それでも悪魔には甘い蜜の巣なのだ。
 日本を絡め取ることで、アジア・太平洋の蜜も吸い取るワシントンなのである。日本に民意の政治が実現しない理由なのだ。日本に真の民主主義が実現しない原因でもある。
 この強欲資本に立ち向かう政治勢力は、戦後に誕生していない。皮肉なことに中国での昨年の9・18デモが、初めて日本の財閥に挑戦状をたたきつけたことになる。
 その後に韓国の中小企業が、日本商品の不買運動に立ち上がった。相次ぐ安倍内閣靖国参拝によって、その反撃は半島と大陸で拡大している。そこではきな臭い政府と背後の黒幕に、ようやく人民は気付いたのであろう。
 財閥・強欲資本の腐敗にメスを入れることが出来れば、日本の民主主義は開花するだろう。桃源境も夢ではない。民衆の代表者による政府をつくる責任が、民衆に課せられている。
<生活・社民・みどりが画期的連携>
 昨夜、いいニュースをネット新聞で確認した。きな臭い黒幕ときな臭い政府与党に対抗する動きが表面化した。これを線香花火にさせてはならない。
 生活・社民・みどりの3党が、夏の参院選に向けて連携を強めていく。3党幹事長で確認したという。画期的な政治変動を予感させる。これに共産党も加われば申し分ないのだが、まだこの党の覚醒には時間がかかるのだろうか。
 共産党が財閥に切り込む時が、日本の夜明けを意味するかもしれないのだが。それを機関誌紙で大きく報道するようになれば、日本も変わるだろう。財閥の金にNOというのであれば、堂々と挑戦してはどうか。民衆の評価が変わるだろうに。
 3党の結束連携も、同様に強欲資本・きな臭い財閥にメスを入れられるかどうかに、将来がかかっている。民意の代弁者を自任するのであれば、きな臭い財閥・原発メーカー・原子炉メーカーに矛先を向けるしかない。
 そうしてこそ、日本政治は韓国レベルになれるのである。
<民意である平和主義で対抗>
 3党は反原発・反TPP・護憲平和で連携する。これは画期的な公約の連携である。これに民主党も参画するしかないだろう。同党は党内の原発推進派を説得して、それに失敗すれば排除することも仕方が無いだろう。

3党公約は民意である。天の声だ。3党でそろって広報宣伝をするのである。3党そろって街頭活動を展開してゆくのである。その声は3倍に拡大してゆく。善良な民主党議員・候補も参加すると、それは4倍以上になる。

改憲軍拡の政党が、この日本で勝利することはない。憲法を改悪して戦争の出来る日本に変革するという公約、同時に10%大増税という自公で圧勝することはない。民主党が覚醒すれば、事態に変化が起きるだろう。

正論を吐いている東洋経済でも、アベノミクスを博打・ギャンブル経済という見出しを掲げて反撃を開始した。筆者との思いを共有したものだ。朝日新聞も目を覚ましつつある。東京新聞毎日新聞も連動すれば、安倍宣伝の効果は薄れてゆくだろう。これにテレビ朝日・TBSなどが連動すれば、世の中のムードに変化が起きる。
既に、安倍―黒田の円乱発政策の副作用が表面化してきている。株暴利は巨大資金を動かしている外国資本である。早くも日本国債の信用が危ぶまれ始めた。日本沈没を速めようとしている。
極右政権が永続した戦後政治は皆無だ。隣国との対立で喜ぶ日本人はいない。3党の決起を歓迎したい。民意を受け止めた大義ある行動である。
2013年4月26日10時25分記