着々と一直線で進む「地獄への途」

黄泉の国から   「岩下俊三(旧姓)のブログ」からリユーアル


将棋の世界ではいくら「へぼ」でもすくなくとも一手ぐらいは先を読む。当然予想される展開は当然予想されるからである。ところが政治の世界では何らかのゲーム以外での「利」を求めて一見誰にでもわかる「愚」が繰り返される。その例が靖国問題である。

沸騰しているやかんを触ると熱いし場合によって火傷をすることを一回学習した幼児は同じ愚行を繰り返さない。ところが国民から選ばれた選良=国会議員は大挙して同じことを繰り返している。これは明らかに過失ではなく確信犯である。確信犯であるいじょうデメリットとメリットをはかりにかけてその行為によって反発があることを計算してもなお「何らかの利益」があると踏んでのことだろう。

あるいは「己の心情」でありそこに損益計算書などない!とほんとか嘘か知らないがそう言って粋がってみせる人もいてもいい。もちろん思想信条の自由であり、それがたとえ近年できた新興宗教であり日本古来の神道とは関係ない単なるいち宗教法人であっても、個人が参拝することは勝手である。他人にとやかく言われる筋合いはない。おなじくこれは国内での事であり他国に言われる筋合いもない。だが「そのこと」をあえて強調する必要もない「筈である」。

ところが残念ながらいくら私人だと言い張っても国会議員は公人である。であるならばその動機がなんであれ自分の行為が近隣諸国の反発を招くことは当然予測している。そして外交的な利益にならない摩擦を起こし、北朝鮮の核に対する日韓協調や世界第二の経済大国との関係を損ね尖閣問題をも拡大させるであろうことも分かっているはずである。これは外交問題でなく国内問題であるといっても外国が必死に反日の口実を探している最中に自ら格好の餌を与えているのだから、本人が何と言おうと外交問題に発展することは必然であったはずだ。

にもかかわらずやっていることは、内向きな事件を装いながら実は国内向けに「反中、反韓、反北朝鮮」を煽って外に視線をずらさせいっそうの弱肉強食格差者社会の実現を狙っているとしか考えられないのである。期せづしてユニクロの社長がいうように少なからず日本は「一億円の年収のあるものと100円の年収とに分かれる」のだから、アメリカの例を見てもなにも徴兵令を敷かなくても容易に兵隊を集めるには格差を拡大すればいいだけの話であるというのは自然な考え方であろう。

またそこまで先の手を考えなくても目先の利があるから嬉々として靖国参拝をメディアにアピールしているのだ。
熱いやかんに触ってみたい、、幼児の好奇心は火傷をするけれど一方で学習をももたらし、二度としない考えることに繋がる。ところが我が国の国会議員はあえて火中のクリを拾っている。

そこに僕は政治家の己の利益しか考えない自己中のいやらしさと、軍人を悼むという純粋さを隠れみのした卑劣さをみてしまう。さらには安倍晋三靖国参拝を正当化する際の高揚感と滑舌のたどたどさに「卑怯」さをも感じてしまうのである。晋三が興奮して「言われる筋合いはない!」というのなら本当に腹を決めてもう一度「大日本帝国」を創設して自力で戦争すると(正恩みたいに)いってみろ、、、といいたい。それほどの度胸があるならちまちま「国防軍」などと言わずに「神軍」を復活し、原発であり余ったプルトニウムを利用して核武装するぞと内外に宣言したらどうか。

実際は核の傘に守られているというたった一つの「幻想」をよすがに、小心翼々としてアメリカの背中にに隠れ、たまにちょろちょろと舌を出しているさまは親の背中で近所の子に強気の発言をしている幼児と変わりない。自ら被爆国でありながら核を持たない国の非核化宣言を拒否し、核兵器の有効性を常任理事国なみに謳う政権はどうかしているとみられても当然である。

なざなら常任理事国とは第二次大戦の戦勝国であるからだ。そしてその敗戦国であることを忘れたのであろうか。60年以上前のことを忘れているのだから、20年以上前のバブル崩壊なんぞを忘れて株価急騰に狂喜するのはあたりまえだということか。

ということは物忘れの早い国民の足元を見て、バブルの再現ひいては大日本帝国の再現を夢見ているのであろう。徐々に騙す方も悪いが騙される国民もまた自業自得ということか。こんな日本逃げ出すのは簡単だが、どうせ一度は死ぬ身、ひとつ日本国家の行く末を見届けるのも一興だろう、、、現世における地獄とはどのようなものだろうか、、、閻魔としては後学のため見物してやろうと思っている。

どうせ十年以内だろうから。「それみたことか」と吠えてやりたい。しかし現国会で大した反対論も盛り上がらないってことは我が国の議会制民主主義も金属疲労で崩壊寸前であることを物語っている。


〜意気地なし 座して死を待つ 国の春〜(もと)革命家。