本澤二郎の「日本の風景」(1290)

東芝の素顔>(その十七)
 原子炉・原発メーカーの正体が浮き彫りにされてきた。安倍晋三を手玉にとって日本外交を牛耳る東芝である。安倍は東芝の提灯(ちょうちん)持ちもいいところだ。同行する記者団はせっせと安倍提灯記事を書いて宣伝に必死である。野田内閣はPANASONICの傀儡政権だったが、今は東芝傀儡政権といっていい。ここに民意は反映されることなどない。



東芝の操り人形>
 安倍の中東外交は原発ビジネスだ。サウジアラビアアラブ首長国連邦・トルコへの原発の売り込みである。こんな露骨な商売外交は、戦後の日本では初めてではないだろうか。
 頭隠して尻隠さず、である。頭は首脳外交だが、尻の方は東芝の原子炉の販売である。アラブ首長国連邦とトルコでは、原子力協定を結んだ、あるいは結ぶことになる。
 ロシアでは、石油・天然ガスの輸入拡大のために北方領土を差し出した。中東では原発輸出である。3・11はまだ煙が濛々と立ち込めている。4基の廃炉に40年以上かかる。
 4号機の使用済み燃料棒は危険極まりない状態にある。これが地震などで崩壊すると、ただでさえ放射能被害を受けている首都圏は壊滅する。人が住めなくなる。核のゴミ処理は、世界各国で困っている。処分は出来ない。
 燃料棒を冷やしている汚染水の処理も打つ手は限界に来ている。
 原発は止めるしか、人類に方法はない。それが分かっているのに、海外へと原発・原子炉を輸出する東芝だ。その売り込みに日本国総理大臣を操っている東芝である。
 ライバルの日立や三菱はどうしているだろうか。
<道義・倫理不在の財閥と内閣>
 道義のない日本政府、倫理不在の財閥の連合が、産油国原発を建設するというのである。外交権独占の東芝は、どれほどの金を安倍に支払っているのだろうか。米原子炉メーカー買収に莫大な金を使っている、その元を取ろうと必死なのだろうか。
外交権は、国民の代表者が選んだ正当な政府特権である。民間企業がそれを自分のために使っていいわけがない。腐敗外交そのものとして、新聞テレビは糾弾する責任がある。
 これはこれで大変なことである。憲法記念日を祝福できない安倍と東芝ということになろうか。        2013年5月3日11時30分記