他人事じゃない!デトロイト市の財政破綻

黄泉の国から   「岩下俊三(旧姓)のブログ」からリユーアル


実はこの日本人のお上りさんはなぜか背中に「ミシガン」と書いてあるジャンパーを着ていた(昔のことである)。アメリカ中でいやヨーロッパにいっても「ミシガン、ミシガン」とみんな親しげに笑っていた。彼らは東洋人がこのジャンパーを着ているだけで長年の仲間のような顔をして「へ〜ミシガンから?」と語りかけていた。

Once Upon a Time in Americaてか。まあ 聞いてくれ。


19世紀末から馬車など(そういえばブロアムってクルマもあったな〜)の生産でしられたこの町に20世紀の初め、ヘンリーというやつがここで小さな工場をつくった。しかし彼は馬の力に頼らない車両を手掛けたため職人の手作りでは間に合わず、大量生産という方法を編み出したのである。その名を「T型フォード」といった。

全てはここから始まった。


彼の作ったT型フォードの空前の大ヒットとその後の自動車産業隆盛の歴史は、20世紀の「あの」華やかなアメリカ合衆国「そのもの」の歴史であったと言えるだろう。そうGMクライスラーもこのデトロイトの街の発展とまさにシンクロしていたのだ。したがって、その栄枯盛衰すらもアメリカの歴史となんら変わらないのだ。アメリカ大統領がいくら立て直そうと資金を提供しても、ドル札を際限なく印刷しても、一旦滅びはじめると誰にも止めることなど出来ないのである。

「奢れるもの久しからず」の真理は洋の東西を問わない。

おもえばかく言う僕自身も大量生産大量消費の絶頂のころ、長い鼻の真っ赤なフォードマスタングコンバーチブルに彼女?を載せてすっ飛ばしていい気になっていたら、交通違反の切符を切られた苦い思い出がある。しかし今やアメリカの覇権自体が危うくなりデトロイトも寂れた街になってしまっでいるらしい。

街の財政破綻は治安の悪化に如実にあらわれる。湖から吹き付ける荒涼たる風、街のドーナツの輪に当たる絶好の住宅地に住んでいる人は稀だ。ダウンタウンに20分もあれば行ける住宅地がなんとスラム化しているのだ。そこに最低三年間住んでくれれば、一ドルでいいと市当局は言っている。

にもかかわらず命あってのものだね。ちょっとそこまで出かけるだけでなにされるか分からないところに住む人はほとんどいないという。

街が財政が破たんしても日本の場合泥棒と強盗とゴミがただちにあふれ出すってことはないが、デトロイトの場合はその前から市所有の美術品の売却や職員OBの年金切り下げ、労働者の税金大幅値上げだけではすまず
街全体がゴーストタウン化しているとずって言われてきた。

そしてついに2013年市は破産を申請たのである。アメリカでいうゴーストタウンとは強奪と殺人が日常化することを意味し日本人には想像もつかない。マクレーン刑事じゃあるまいし、ダイハートでない僕なんか一日も住めないだろう()


明日東京がそうならないという保証はどこにもない。

土方を殺すのに刃物はいらない。しかしデトロイトを殺したのは長年にわたる「空洞化」であった。

そして、日本は

ミゾウユウ?の天変地異で、原発の一つでもいかれれば、すべておしまいジ・エンドなのだ。