本澤二郎の「日本の風景」(1473)

<都庁は石原・猪瀬の伏魔殿>
 ずっと以前に首都・東京都議会を「悪魔が潜んでいる」といって、新聞は「伏魔殿」と称した。その後に、リベラルな学者で知られた美濃部亮吉が知事になって、土建利権から福祉優先の政策が生まれた。しかし、今の都庁は石原・猪瀬によって逆戻りしてしまっている、と事情通が連絡してきた。知らぬは都民ばかり、なのだ。どこの国でも腐敗が発覚すると、市民や学生が街頭に出るが、この国はそうではない。筆者を含めて、新聞テレビに惑わされる民衆・愚民の巣だからか?




山口組周辺右翼がのさばる>
 それは恐ろしい話だった。猪瀬の周囲をワルが取り囲んでいた。「新右翼のKだけではない。逮捕経験のある元国会議員とその秘書らも暗躍している。Kは山口組のシンパだ」と解説してくれた。
 「要するに都庁は、新右翼山口組フロント企業などに壟断されている。猪瀬と徳田虎雄ルートは、石原だけではない」というのだ。「徳田のマネーロンダリングにモンゴルを利用しているが、これは元国会議員とその秘書が関与している」とも指摘する。
 ワルの嗅覚は鋭い。カネのあるところに集中する。甘い医療行政を悪用して巨額脱税資金を懐に入れた徳田に、彼らはハイエナのようにまとわりつく。石原の都知事初挑戦時の4億円に味を占めたのだ。
 徳田資金で知事の座につくや、都市再開発や築地の卸売市場移転、羽田空港拡張利権、カジノ建設工作、そして東京五輪利権へと、都民の血税に手を突っ込んできている。
 都民は愚民、都議会も、である。昨日の都議会本会議での猪瀬演説に各党が噛みついていた。そこに登場した自民党幹事長の吉原君は、自民党秘書時代に何度も会っている。彼も出世したものだ。「手を緩めるな」と釘を刺しておきたい。
<石原側近も鎮座>
 石原・猪瀬の悪政コンビが俎上に乗ってしまった都政である。これを司法がどう調理するのか。日本の民主主義は新たな試練を迎えている。
 反社会勢力・広域暴力団に乗っ取られた都庁でいいのか。
 「石原側近のHも闇の帝王として都政を壟断している。石原は国会に議席を持ちながら都政も牛耳っている」というのである。なんと悪辣なカネに汚れた人物であろうか。それゆえに2人の息子にもバッジをつけさせている。それを許す愚民の東京都なのである。
 「Kは公安調査庁がマークしている人物。Kは、知事選のたびに数億のカネを徳田から引き抜いている。そんな右翼が、徳田と知事の急所を握って暗躍している。それを放置する公安調査庁だ。鹿児島県警レベルである」
 警察は暴力団を野放しにして、天下りに悪用している。公安調査庁も腐敗右翼を野放しにしている、というのだ。日本の法治国家もこのレベルなのである。
 「Kの愛人は、石原裕次郎を引きあげた日活の映画監督。今は別れているが」という芸能人脈まで浮上する。
<ブレーキかける検事総長?>
 いやな情報も事情通はもたらした。さんざん問題を引き起こして司法の腐敗をまき散らしてきた検察庁のトップ・検事総長が、事件の拡大を必死で抑えている」というのである。
 事件捜査にはやる現場の若手検察陣と、政治に翻弄される検察の最高責任者の軋轢である。安倍内閣の意向を体現する検事総長と若手検察陣の対立関係も、新たな火種というのである。

 こんな事態を国民は見たくない。事実なら、検事総長を罷免する運動をおこしたらいい。
 幸か不幸か、法務大臣は弁護士上がりの谷垣禎一だ。彼は検事総長の暴走に目を光らせている、との情報もある。
 「徳田事件は底なし沼。適当に納めることは政治不信を増大させる。許されるものではない」という事情通の指摘はその通りであろう。それにしても「山口組周辺右翼に振り回される猪瀬」にもあきれる。
<特定秘密で取引した維新の石原>
 石原に流れた徳田資金は4億にとどまらない。「莫大な金が流れている」と事情通は決めつけている。石原の首を斬るのかどうか?石原もまた、風前の灯である。
 Kを含め、極右に甘い司法・検察である。そして安倍自身もまた、その仲間でもある?事情通は「石原の維新は特定秘密保護法案に賛成した。安倍との取引に応じた。維新は石原事件もみ消しの見返りに、天下の悪法に賛成してしまった」と解説した。
 所詮、右翼議員団に正義はない。民意などは、これっぽちもない。おわかりか?それでも国民の多数が安倍支持?こんな日本政治に服従する日本人も、実にご立派である。
2013年11月30日9時10分記