本澤二郎の「日本の風景」(1492)

<崖っぷちの検察庁
 日本国民の正義を担保する組織が、検察庁である。このところ、国策調査が目立っている。その信頼は地に落ちている。国民誰もが知っている。今ようやく起死回生の機会を手にした。徳洲会事件捜査である。証拠は腐るほど転がっている。100億円の使途不明金の行方・医療行政の腐敗とも関係しているため、国民の関心は強い。筆者のブログにも、毎日4000件以上のアクセスがあるほどだ。庶民・大衆は、検察庁の正義に注目している。間違いなく処理してくれるのか、と。徳洲会事件を調べている友人は「もしも、官邸の圧力に屈するようなことがあれば、暴動が起きるだろう」と予告している。



<官邸の圧力>
 いま関係者が最も注目している点は、猪瀬辞任会見の前日、真っ黒なカラスが官邸を訪れて「一緒に改憲を断行しよう」といって長時間、密談を交わしたことである。
 事情通は「カラスが安倍に泣きを入れた」と分析している。「徳洲会事件に蓋をかけろ」とカラスが鳴き、それを安倍が受け入れたというのだ。これが事実だとすると、この巨大なスキャンダルは闇に葬られる。
 日本を自由と民主主義の国だと宣伝する安倍のことである。よもやカラスの言い分を受け入れることはあるまい。事情通は「徳田資金にまとわりついた最大の人物を、国民は知っている。一家で3人も国会議員として血税を懐に入れている。これは民主主義ではない」と激しく追及している。
 これこそが日本国民の愚民さを露呈している証明であることに、筆者も異論など無い。「愚民・ミーハーは、弟の俳優にあこがれ、それが兄貴の支持へとつながってしまう。こんな民主主義があろうか」と言って嘆く。
 政治評論をしてきた筆者も、彼にそう指摘されて頷くほかない。
<問われる検事総長の見識>
 考えて見るがいい。年収200万円で生活する若者は多い。年金生活者も沢山いる。そのわずかな年金も削られる。しかし、医師・病院の診療報酬は上がる。こんな不条理も珍しい。
 他方、国会議員1人に血税はざっと1億円も流れる。特権層である。カラス家には3人もいる。中曽根や福田でも2人だった。3人は多すぎる。国民を馬鹿にしている。そう指摘されて誰しもが頷くだろう。
 首都・東京に愚民が一杯いるという何よりの証拠であろう。そんなカラスが、徳田資金を吸血鬼よろしくむしゃぶりついてきた。友人はそばで見ていて、いま怒り狂って内部告発している。彼の正義に頭が下がる。
 どうやら官邸は検事総長に「打ち止め」を求めている。「特定秘密」を公明党とそろって強行した官邸の正体もまた、黒いと見られている。黒い者同士の連携なのか。
 検事総長は、ここで腹をくくれるのか。辞表を懐に入れて、徳洲会事件捜査に全力を挙げることが出来るのか。彼の力量と国民に奉仕する正義の検察官なのかどうか。その見識が問われている。日本国民は検事総長の采配に監視を強めている。
<目の前にカラス>
 徳田辞任会見をテレビ観戦した知り合いは、珍しく「面白かった」と感想を述べた。その上で「黒幕のワルはOOOOだ」と決めつけた。ごく普通の都民である。カラスの正体に気付いている。
 この人物が初めて知事選に出る時に4億円が渡った。友人は徳田本人から聞いて知っている。しかし、これは時効である。「後継者の猪瀬に5000万円。カラスがどれほどの大金を手にしたか」と怒る友人である。
 検察庁は目の前にカラスがいる。証拠も大方集めている。いかに悪徳金権弁護士が暴れようとしても、この証拠を崩すことは出来ない。
<徳田資金に小泉・谷垣らも?>
 体調を崩した徳田は、目と文字盤を使って、その意思を活字にしてグループに指示してきた。それゆえに証拠は山ほどある。相当数の通訳が間に入っている。否定しても通らない。
 彼の所にカネを無心する政治屋は、全て記録されていた。そのリストも報道されている。その中に小泉も入っている。なんと筆者が期待した谷垣もいるという。友人はこれに衝撃を受けている。「法務・検察の大将までも」といって絶句した。
 そうしてみると、谷垣も検事総長も国民に監視されることになる。
<戦後最大規模の疑獄事件>
 戦後自民党裏面史を知る友人は「徳洲会事件は戦後最大の疑獄事件だ」と断定する。その規模・金額からして、正にその通りである。
 大衆はアベノミクスの急激円安で苦悩を強いられている。おこぼれは全て日本の1%、財閥に流れている。民衆には負担を強要、それでいて戦後最悪の超大規模借金予算を編成、バラマキをしている。
 日本崩壊も目の前だ。大衆のストレスは頂点に来ている。新聞テレビがまともであれば、こんな悲劇も起きなかった。財閥傀儡政権の行きつく先と諦めていいわけがない。
2013年12月21日8時35分記