本澤二郎の「日本の風景」(1509)

渡辺恒雄を打っちゃった細川護煕
 2月9日の首都決戦へ向けて、東京の春が再始動した。脱原発という明るい日本再生も手が届きそうだ。54基の原子炉を閉鎖・廃炉にする一方で、自然を活用した新エネルギー時代を到来させる。そこに無数のビジネス・働く場所を生み出せる、正に夢の日本だ。それを可能にした細川護煕の選挙戦術が、見事に成功した。ナベツネこと渡辺恒雄の罠をはねのけたのだ。相撲で言うと、土俵際で打っちゃったのだ。原子力ムラを手玉に取ったものだ。快挙である。



 無数のネット情報があるが、マスコミの真相をつくものは、残念ながらない。内側をわかっていないからだろう。そこで今回の細川戦術を披歴しようと思う。小沢一郎の失敗を学んでいたのだ。
 ナベツネ戦術というと、日本記者クラブの共同記者会見を利用、NHKに生放送させるのだが、質問者は必ずナベツネの子分だ。ナベツネにとって不都合な人物を徹底してやり込め、その人物を最悪の人間に貶めるのだ。最近では小沢が最大の被害者である。
 今回も都知事候補の共同記者会見を準備、そこで細川を血祭りにしようとナベツネの子分が、手ぐすね引いて待ち構えていた。この罠を見事、細川は見抜いて出馬会見を遅らせることで応じなかった。彼は告示日前日、都庁で記者会見して日本記者クラブの罠を回避した。快挙といっていい。こんな日本記者クラブから辞めて行く同僚を目撃している。
脱原発都知事で日本再生>
 1月23日の首都・東京の空は青い。雪化粧したマウント・フジが、自宅窓越しから裸眼でもくっきりと見える。危うい国家主義の安倍政治に誰しもが懸念を抱いている。その国政を変える好機でもある。財閥・ナベツネ配下の新聞テレビは、必死で原発争点をぼかしているが、そうはいかない。脱原発を最大の争点にした小泉・細川はまともである。
 東京に脱原発知事が誕生すると、極右内閣の原発再稼働にブレーキをかけることが出来る。東電を法的に処理できる。日本の将来に希望を見出すことが出来る。ライバルは安倍の自公連立政党が推す舛添である。髪が薄いため細川よりも年配者に見られる。たとえ共産党が横槍を入れても、無党派は動かない。社民は方針転換したらいい。細川とは1度、立ち話をしただけだが、育ちのせいか、人柄がいい。しかも穏健派だから、国際的に日本を孤立させた安倍とは正反対だ。誰にも好かれるタイプである。大量得票で、何としても日本再生を果たしたいものだ。
 宇都宮健児に辞退する機会は、まだ十分に残っている。共産党支援の彼には国政変革は無理なのだから。
<ドイツが出来る自然エネルギー社会は日本も可能>
 細川は、安倍のような嘘つきではない。無党派が細川支援に立ち上がるはずである。東北出身者の90%以上が支持するだろう。東北の住人が東京在住の子供たちに支持の電話をかけるだろう。原発の恐怖を感じている都民の多くは、現実に政治を動かすことの出来る細川に期待するだろう。

 安倍内閣原発維持派である。原発輸出を経済成長の要に置いている。将来の核武装も念頭にあると見るべきだろう。靖国参拝する安倍には、道義・倫理観がない。財閥の暴利に従っているだけで、国際社会の信頼を得ることなどできない。原子炉製造の東芝(三井)・三菱・日立の傀儡政権と見られている。ここが舛添の自公候補の限界であろう。
 既に3・11をテコにしてドイツは脱原発に舵を切った。困難を乗り切っている。ドイツにできることが日本に出来ないわけがない。日本も出来る。
<舛添の新党改革に疑惑浮上>
 4年前に「自民党の使命は終わった」といって自民党を飛び出した舛添は、一時期人気を博した。同党は党紀委員会で正式に除名処分にした。解除処分もしないまま同党は舛添応援に全力で投球する。これには小泉進次郎が怒った。正論である。
 この原稿を書いている最中に元自民党員が電話してきた。「赤旗が21日スクープ、昨日日刊ゲンダイも報道した。それによると、舛添の新党改革立ち上げにさいして、2億5000万円を銀行から借りた。それを2年で完済した。これは政党助成金や立法調査費、すなわち税金を流用したものであろう。これまた刑事告発の事件になる」というのである。
 なんともあきれた新党改革であろうか。「これを読売は書かない」といって元党員は怒って電話を切った。
 「刑事告発される案件」とも決めつけた。まだ時効にかかってはいない。いかにも颯爽としている舛添も、家庭問題は複雑で苦労も多いようだ。この方面は、初めて聞かされて同情したくなった。
 念のため、細川の1億円事件だが、彼は発覚すると、さっさと責任を取って首相を辞めている。むろん、時効でもあるが。
2014年1月23日9時30分記