本澤二郎の「日本の風景」(1522)

核廃絶原発ゼロ>
 細川も小泉も勇気がある。評価してよい。「敵は本能寺」なのだが、果たしてどれほど理解しているのか。選挙戦を通して、その壁の厚さに改めて驚愕しているだろう。小泉が郵政改革選挙を断行した時と、メディアの対応は真逆であることに衝撃を受けているに違いない。無党派を動かさなければ勝利を掴めない。その無党派を新聞テレビは封じ込めるのに必死だ。いえることは核廃絶原発ゼロは一緒だということだ。原発も核である。平和利用は愚民を愚弄する策略報道である。核廃絶を求める日本国民は、原発ゼロ・脱原発から始めなければならない。都知事選はその千載一遇の機会なのだ。原子力ムラを退治する、そのための小泉・細川決起なのだ。筆者はそのための1票を昨日、行使してきた。核廃絶原発排除を求める人類は、この選挙戦に確たる足跡を残せる好機なのだ。細川に何としても勝たせて、原子力ムラを退治させる必要が、日本人はおろかアジア・人類にあるのである。



<まずは原発を排除>
 昨日、がっかりするような都民の反応に出食わした。皆さんの周囲にもいるかもしれない。「今すぐ、原発を止めたら日本はどうなるのか」という素朴な疑問である。
 これは何も分かっていない証拠なのだが、原子力ムラの宣伝を真に受けた誤解である。現に、日本の今は危険な原発を全て稼働していない。「電気代が上がる」との心配も抱いている。
 電気代上昇は原子力ムラの策略であるが、アベノミクスと称するまやかしの急激な円安のため、輸入する原材料の高騰による。これは財閥輸出企業、とりわけトヨタなどの利益を押し上げている。三菱や三井の巨大財閥銀行の懐を潤す策略経済政策である。従って電気やガス代をこれらの財閥に負担させれば済むことである。
 こんな幼稚な訴えを共産党候補もいわない。
 ドイツのメルケル政権は3・11以後、原発ゼロに路線転換した。ドイツはそれで衰退したのか。逆だ。ドイツは依然としてEUの優等生である。NHKや読売メディアに誤魔化されるな、といいたい。核廃絶の第一歩は原発ゼロなのだ。
原子力ムラ退治>
 原子力ムラを退治するしかない。小泉もそうだが、筆者を含めて日本人の多くが彼らの宣伝に誤魔化されて生きてきた。原発は必要なのだと。だが、大嘘だ。福島が証明している。放射能被害を隠しているが、それは相当なものだろう。チェルノブイリでも100万人が被害を受けているという。
 人間だけではない。大地の汚染、海の汚染もただごとではない。その被害額は想定できない。2020年の五輪開催はどうなるのか。4号機が破壊すると、首都圏民もアウトなのである。核のゴミ処理もできない。その莫大な費用を計算すると、原発がもっとも危険で超高額な電力なのだ。小学生でもわかる理屈なのだが、大の大人が「原発止めたら日本は衰退する」という嘘を信じている。
 ここは何としても原子力ムラを退治しなければ、日本人の安全は確保されない。
東芝・三菱・日立>
 原子炉メーカーは、三井傘下の東芝である。東芝ビジネスの中核が原子炉製造と原発輸出と東芝社長が、3・11直後の記者会見で胸を張った。確か佐々木とか言ったが、東芝には悪魔が乗り移っている。恐ろしい財閥企業である。家電やパソコンが衰退する原因でもある。平和産業を放棄して、三菱並みに核と武器製造に特化している。
 安倍の実兄が働く三菱もまた原子炉メーカーで、安倍のお陰で2基もトルコに輸出することが決まった。原発と言う核の輸出である。日立も東芝と三菱の後塵を拝する。「この3大原発メーカーのカネで、自民党の総裁の地位を得たものだ」と永田町で噂されている安倍である。およそ尊敬の対象では全くない。
<ゼネコンの鹿島・大成も>
 昨日、事情通に教えられたのだが、東電原発が破壊した原因の一つは、無数の配管の破損によって冷却水が原子炉に流れなくなったためだ。この原発の建造物に欠陥があった。すなわち、ゼネコンの鹿島の責任も重大なのだ。
 鹿島は中曽根康弘の政治力によって、原発建設で暴利を得てきたゼネコンである。中曽根の存在なくして、暴利を得ることなど出来なかった会社である。腐敗・ブラック企業なのであろう。
 事情通は大成建設も同じだと説明した。原発内に走る無数の配管に亀裂が生じると、それだけで原発メルトダウンするのである。東電は東芝や日立、鹿島から損害賠償を取って、それを福島県民に手渡す義務があるのである。検察はこの実態を捜査する義務がある。不思議なことがあった。「配管亀裂を共産党社民党も知っていて追及しなかった」と事情通は指摘する。全政党も福島東電隠しの共犯というのだ。日本国民が忘却出来ない問題である。
<中曽根ら政治屋
 原発54基は中曽根ら政治利権屋の悪しき実績である。日本国民はこの事実から目を離してはならない。東芝社長もそうだったが、中曽根もまた3・11直後から原発必要論を平然とぶちまくっていた。彼のお目当てが核兵器生産であることは、米国務長官を歴任したキッシンジャーらによって察知されていた。
 中曽根の政治資金の多くも、原子力ムラの利権と見られてきた。記憶を辿ると、中曽根の初めての入閣ポストが、原発担当の科学技術庁長官だった。原発建設にいち早く飛びついた政治屋は、いまも生きて、それの推進役となって安倍を背後から支援している。安倍・靖国参拝の支援者としても知られている。
ナベツネ読売>
 ナベツネのボスだった正力松太郎は、旧内務官僚として中曽根の先輩に当たる。彼はCIAの代理人で有名であるが、新聞経営の傍ら政界に足を懸けて、原発建設に汗をかいた。彼も核兵器生産を夢見ていた、と思われる。正力の下で、ナベツネは中曽根とも親しくなり、原発推進の読売へと変身させていった。
 54基の原発の基礎は、正力・中曽根・ナベツネということになろうか。
 従って小泉と細川の大敵は、この生存する中曽根とナベツネとの乾坤一擲の闘いなのである。原子力ムラを代表するナベツネと中曽根に対して、細川と小泉が噛みついたものなのだ。筆者が後者の正義と勇気を評価するゆえんなのである。おわかりだろうか。

 都知事選はこうした大局から観察すると、共産・社民は利敵行為をしていることになる。違うだろうか。宇都宮など何も分かっていない。前回は1票を入れたが、今回は細川の大敵になってしまって評価できない。都知事選の闇は深いのである。あえて、この機会に指摘することにした。
2014年2月4日9時10分記