本澤二郎の「日本の風景」(1538)

<議会・言論の責任において「安倍独裁」を止めろ>
 今の喫緊の課題というと、安倍首相の独裁政治を止めることである。この狂った人物を総裁に選んだ自民党の腐敗に、問題の根源がある。彼を総裁にした陰の主役は、財閥である。カネである。同党の体質に根ざしている。しかし、もはや放任することは出来ない。議会と言論の責任において、Ⅰ日も早く退陣させるべきだろう。それにしても、情けない人物を官邸に送り込んでしまった日本と日本人であろうか。



チャップリンの「独裁」を連想>
 名優・チャップリンの映画「独裁者」を連想した市民も多いだろう。安倍は数日前の衆院予算委員会の質疑の中で、従来からの「集団的自衛権憲法に違反する」との政府見解を、首相の独断で、戦争の出来るような「解釈に変更したい」と公言していたが、その理由を「自分が最高責任者だからだ」と答弁した。チャップリン演じるヒトラーそのものである。ワイマール体制を巧妙に破壊して権力を掌握したヒトラーは、確かに独裁者そのものだった。
 安倍も同じなのか。当人はそう信じ込んでいたので、本心を明かしたものだろう。それを口にしたのだ。彼は、日本国憲法の存在を無視していたのである。戦争経験者の彼の祖父や中曽根でも、ここまでは考えていなかった。安倍は「昭和の妖怪・岸信介」「平成の妖怪・中曽根康弘」を見下して、本心を露わにしたとも読める。東条英機並みか。恐れ入る安倍の狂気である。確かに、首相は行政府・日本政府の最高責任者の地位にあるが、議院内閣制は米国の大統領制と異なる。大統領とて議会・司法をコントールは出来ない。議院内閣制下の首相の権限は制約を受けている。独裁を許さない。
憲法を理解していない政治家失格>
 彼の育った安倍家をよく知る古参の元安倍番記者の話によると、彼の教養は相当低い。「大学卒業に苦労していた。政治力も使わねばならなかった」と言うほどの劣等生だったというのだ。
 就職に際して祖父の意向があったとも。アメリカ滞在において、安倍のライバル派閥事務所では「麻薬を覚えてしまった」と証言していたほどである。父親のカバン持ちをしている時の仕事ぶりも評価されていない。元福田派のベテラン秘書は「札幌のススキノでは派手に活躍していた」と語っている。
 要するに、日本国憲法を学んだことが無いらしい。少なくとも、独裁を封じ込めている民主憲法を知らない可能性がある。改めて、彼との憲法論議をすれば、その正体をさらにあぶり出せるだろう。議会の責任・言論の責任である。
<3権分立と憲法擁護義務>
 日本国憲法は民意を代表している議会を「国権の最高機関」と明文で規定している。安倍はこのことさえも、知らないのだろう。率先して憲法擁護の任務を帯びている。
 安倍の周辺には何人も官僚エリートがたむろしている。彼らは憲法を理解しているだろう。急ぎ勉強会を開いて、日本国憲法の由来から、憲法の基本原理、そして各条項を教え諭す必要がある。
 3権分立による権力の抑制均衡を、しっかりと教えなければならない。安倍はこのことを知らないのだ。3権分立は民主憲法近代法の根幹である。独裁政治排除が一大原理なのである。
 これは欧米の国々の憲法に共通する原理なのだ。安倍の「私が最高責任者」、ゆえに「私の判断で何でもできる」という安倍は、政治家失格ということになる。安倍の選挙区の責任も重大である。
 憲法は、このような公人を罷免することが出来るのである。安倍は罷免対象人物なのである。これも議会・言論そして主権者の義務でもある。憲法は安倍独裁を許さない。突如、平成の治安維持法を強行成立させる政権を許さない。
<安倍のような独裁阻止を考えて誕生した日本国憲法
 思うに45年の敗戦を契機に誕生した日本国憲法は、侵略を反省しない一部の国粋主義者を除いた、圧倒的多数の日本人・主権者となった日本国民が歓声を上げたすばらしい憲法なのである。2度と同じ過ちを引き起こさせないという決意と、独裁を許さない規定をはめ込んだ反独裁の民主平和憲法なのである。
 世界に誇れる憲法である。独裁者の誕生を許さない。独裁政治を禁じる憲法なのである。このことに国民も、議会・司法も敏感でなければならない。司法の怠慢も問題であろう。
<テレ朝の反小沢記者の甘い批判>
 昨日、昼前のテレ朝番組を少しだけ見た。反小沢のコメンテーターが、安倍発言について感想を述べる場面があった。見ていてあきれてしまった。半分安倍に配慮、半分やんわりと批判した。これでは事の本質を国民は理解できない。
 「官房機密費をもらっている」という指摘を裏付けるような、実に歯切れの悪いものだった。
<新聞人よ、目を覚ませ>
 先の都知事選もそうだったが、都民は本質的な理解もしないまま投票して、第2の猪瀬を選択した。安倍政治に追随する都政である。日本人はせっかくの機会を失った。反原発に立ち上がった細川の真意を伝えなかった新聞テレビに責任がある。
 財閥・電通にかしずく言論は、言論に値しない。正義を基本にしながら、石原にメスをいれない東京地検特捜部では、ワルのための悪しき捜査機関でしかない。公正・正義のない社会を、憲法は望んではいない。
 新聞人の覚醒が待たれる日本である。
2014年2月17日7時55分記