本澤二郎の「日本の風景」(1545)

プルトニウム返還求めるオバマ政権>
 オバマ政権が日本に提供していた純度の高いプルトニウムを、返還するよう強く求めていることが発覚して大分経つ。中国や韓国も、重大な関心を寄せている。お互いを大事な国と言いあっている仲で「貸したモノを早く返せ」というのは、やはり普通のことではない。双方に深い亀裂が生じている証拠であろう。しかも、モノは核兵器材料となるプルトニウムである。日本核武装の蠢きを察知してのことか。日本の首相を「国粋主義者」と断じたアメリカ議会報告書もこれありだ。ことは重大な問題を含んでいる。


<安倍不信から警戒シグナル>
 プルトニウム300キロは、核兵器50発分というから、これは地球の大都市全てを吹き飛ばす威力があろう。大変な量である。日本政府もしくは日本の軍需産業が、こっそりと秘密裏に核兵器開発をしている、いない、と誰も断定できない。野党も言論も内部告発でもない限り、追及できない。

 しかし、隣国への相次ぐ挑発的な安倍外交を見せつけられていると、日本人でも疑問が沸いてくる。専門家が指摘するアメリカの対日不信は、予想よりもはるかに大きいものではないだろうか。プルトニウム返還要求からすると、不信からさらに、警戒へと進展していると見るべきではないだろうか。
 反対に、ワシントンが北京とソウルを大事なパートナーとして優遇している点も、東京への警戒心を印象付けている。天皇国家主義への警戒は、米民主党リベラル派政権にとって、人権問題以上に断じて譲歩できない体制なのだから。
<香港誌が日本核武装論を特集>
 香港の有力誌「亜洲週刊」最新号が「日本が核武装に踏み切る可能性がある」とする特集記事を掲載した。これを防衛省機関紙と見られている「朝雲」(2月20日付)が紹介している。
 日本核武装の技術的可能性について同誌は「日本は完璧な原子力国」と断定、その理由として「原子力産業御三家の三菱重工日立製作所東芝が原子炉の設計、核燃料、バックエンドまで全ての技術を掌握」「東芝、三菱、日立の3社を頂点とする関連200社の一大原子力産業を形成している」「青森県6カ所村の再処理工場に蓄積できる使用済み核燃料3000トン、毎年9トンの兵器級プルトニウムが生産できる。少なくとも9000発以上の核爆弾がつくれる」「アメリカも有事の際の日本による先制攻撃を恐れている」などと「朝雲」は香港誌をわざわざ紹介している。これも不思議である。外国誌を利用して日本の核武装化を宣伝しているのだ。
国家主義と対決するアジアと世界>
 安倍内閣は、いうなればドイツにネオナチの政権が誕生したようなものである。中国も韓国、ワシントンもこれと提携することはない。
 93年のアメリカ取材の結論が、日本帝国主義再現を夢見る日本国家主義との対決にあることを紹介したが、いまやこの危険ラインに入っている可能性が強い。日米同盟を合唱する水面下で、東京とワシントンは激突へと向かっているのかもしれない。
 ワシントンの情報対象は、東京それも首相官邸ではないだろうか。そういえば、最近「おむつする安倍」という週刊誌の記事を見た。安倍スキャンダルが表面化するのだろうか。
<対日調教師も靖国NO>
 従来、日本の軍拡、中国強行論を叫んできた、言うところの「ジャパン・ハンドラーズ」(対日調教師)が、安倍の靖国参拝に大反対である。韓国の立場から従軍慰安婦問題でも、安倍に噛みついている。日米同盟深化を側面支援してきた親日派が、反安倍なのである。
 彼らは、米産軍複合体やCIAとの連携もよく知られている。身内同士である。
<米紙は閣議決着にNO>
 米ニューヨーク・タイムズアメリカを代表する高級紙である。アメリカの世論の代弁新聞だ。その新聞が「閣議決定」で集団的自衛権の行使をするという安倍独裁に明白にNOと言い出している。
 憲法を足蹴にする安倍内閣、それに同調する公明閣僚に対して、自由と民主の先進国が「止めろ」とブレーキをかけてきている。こんな野蛮な国はないのだから、当然と言えば当然である。
 アメリカの良心は、憲法に真っ向から違反する内閣に驚愕、反発を強めている。それもこれも、戦争神社参拝の安倍に対する怒りから来ている。神社信仰で天皇国家主義の復活狙いに釘を打ち込んできている。
<日本列島に核が一杯>
 アメリカが日本に純度の高いプルトニウムを提供していたことを、筆者は全く知らなかった。多くの国民も知らなかったろう。純度の高いプルトニウムの意味するところは、なんなのか。
 専門家筋が筆者に以下のメール情報を送信してきたので、そっくり掲載しようと思う。
<日本は潜在的核兵器大国か>
「米、日本にプルトニウム返還要求 300キロ、核兵器50発分 」
「こんなもんじゃない、この1桁以上のプルトニウムが日本にはあります」
六ヶ所村再処理工場 (豪ABC) 毎年8tの兵器用プルトニウムが作られるhttp://www.youtube.com/watch?v=kif2EpjiHxM&feature=player_embedded#t=0
 「更に、劣化ウラン兵器も米国の依頼で製造?説」 「東海村は 核兵器 でも 劣化ウラン兵器 の 製造。 その可能性(実現性)が高い」 「日本各地に77000本も保管されている大量のウラン!その裏には原発利権とアメリカの影!日本製劣化ウランが戦場で使われている?」 http://saigaijyouhou.com/blog-entry-475.html
「たかが300kgの返還なんて茶番劇! 潜在する 核兵器の材料 なんて 膨大 な量」

 筆者は今核廃絶を世界公約したオバマが、日本に国家主義の政権誕生で、従来の対日核政策を変更しようとしている、と分析している。
2014年2月23日8時30分記