本澤二郎の「日本の風景」(1542)

神道過激派の怒り収まらず>
 日米同盟の深化を叫んでいた安倍内閣の隣国への挑発は、とうとうワシントンに向いている。昨年暮れの靖国参拝だが、これに怒り狂うワシントンに対して、安倍側近の首相補佐官が逆襲するという事態に発展した。あわてて「個人見解」「撤回する」と矛を収めたが、今度は経済ブレーンの本田とかいう内閣官房参与が、米紙のインタビューで米紙と米政府に反撃した。「まるで西のアルカイダ、東の神道過激派だ」という有り様である。




<米政府から米紙にも抗議>
 ワシントンを挑発した安倍についで、側近も靖国首相に負けまいとして挑発を繰り返している。これまでの日本政府は、借りてきた猫のようにおとなしかったのだが、今はワシントンに対して挑発の連続である。国家主義政権の本領発揮ともいえる。
 さしものホワイトハウスも、これを「真珠湾攻撃か」と受け止めて色めき立っているだろう。
 こんなことは従来の日本政府では、考えられなかった事態である。首相補佐官ホワイトハウスに怒りをぶつけると、靖国参拝を批判したニューヨーク・タイムズワシントン・ポスト内閣官房参与ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に応じ、奇怪な屁理屈で靖国参拝を弁護しつつ、米紙を批判した。
靖国参拝は神風特攻隊のため>
 W・S・J紙に対して内閣官房参与は「神風特攻隊の犠牲の上に今日の日本がある。そのための参拝で当然のことだ」と安倍を弁護した。
 ここになぜ神風特攻隊が登場するのか。普通の日本人であれば、そこまで強要して有意の若者を死地に追いやった指導者責任を問題にする。神風が吹くと言う偽りのおまじないをかけて、米戦艦に体当たりさせた野蛮な戦術にこそ問題がある。
 神風のお陰で今日の日本があるとは、気が狂っても思えないのだが、安倍分身の経済ブレーンは、それを平然と言ってのけたのだ。
 問題になると、あわてて「言ってない」と言い出す始末だ。
アベノミクスの狙いを公表>
 アベノミクスを宣伝、広報に徹してきたこの内閣官房参与は、イカサマのアベノミクスの正体を打ち明けたのだ。
 手の内を見せるという場面は、一般的には決着がついた後である。それなのに安倍の分身は、アベノミクスの正体を自ら暴いて見せたのだ。取材する方も驚いたろう。むろん、国民のための経済政策ではなかった。円安によって強い日本になるわけがないのだが、この馬鹿な安倍分身は「強い経済」の理由を明かしたのだった。
<強い軍事力で中国に対峙>
 強い経済は、強い軍事力にするためだ。それは中国に対峙するためだ、ともアベノミクスの狙いを自ら暴いて見せた。
 なんのことはない。これはナチスヒトラーの手口ではないか。軍事的対立をワシントンは選択肢に入れていない。米産軍複合体も考えていない。尖閣問題の対応を見ても、米軍が中国軍と衝突することは万一にも考えられない。
 だが、安倍内閣は違った。中国との対決を前提に経済政策・アベノミクスを推進している、というのである。
 国家主義は必然的に軍国主義化する。そうすると、彼らの言う「最新の兵器」の中に核兵器も入る。日本の核武装計画?に世界は振り回されるだろう。

 安倍は2月20日の衆院予算委員会でも集団的自衛権に言及、国会に諮らないで「閣議決定で決める」と断言した。憲法違反も極まっている。立憲主義を否定している。恐ろしい狂った靖国首相・神道過激派であろう。
 「神風が吹く」と信じているのかもしれない。狂気・カルト人間なのだ。

 安倍分身のNHK会長は「従軍慰安婦はどこにもいた」と信じる不思議な人物だった。初めての記者会見で明らかにした。経営委員の安倍分身は「南京大虐殺はなかった」と航空自衛隊OBの都知事候補の応援演説で公言した。

 狂った内閣を目の前にして新聞テレビは、歴史の教訓に反して引き続き支援するのだろうか。
2014年2月20日21時10分記