不愉快な現実

「『不愉快な現実』日本は対米追随で、本当に繁栄してきたか:孫崎 享氏」  憲法・軍備・安全保障
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『不愉快な現実』(16日発売)冒頭:東アジアで今、大変革。


それも、日本に不利な大変革。


後世、歴史家は2010年を東アジアでの大転換の象徴的年とみなす。


2011年1月朝日新聞


「中国、GDP国内総生産)世界2位へ 日本抜く」


「日本は1968年に西独抜き以来“世界2位の経済大国”。この看板降ろす」。


中国がGDPで日本を抜いた現象は、「世界2位の経済大国」の座をめぐる戦いに終わらない。


中国が米国を追い抜く序章。


日本は第二次大戦以降、米国との関係を重視で生きてきた。


米国との関係重視すれば、日本の繁栄があると思ってきた。


しかし「日本が米国に全面的に依存する。その結果、日本が繁栄する」


図式には、コインの裏側に、第二次大戦以降、米国が東アジア戦略で日本を最も重視の事実。


今中国が台頭。


2010年中国GDPは日本を抜く。


当然、米国は東アジアで最も重視する国を日本から中国に移し変え。


第二次大戦から今日まで続いた日本の環境は一変。


この中、日本はどう生きるべきか。


日本の環境が一変、当然、日本国内には、この歴史的大転換を前に、新戦略の在り方が真剣に論議されるべき。


その議論はない。


何故。


政治家、官僚、マスコミ、「過去の政策の延長線上で全てがうまくいく」という幻想の中。


「日米同盟強化」というスローガンを取り憑かれたように、ただ繰り返し。


中国の大国化という歴史的大変化を前に、日本では変化に対応する戦略の用意が全くない。


「現状維持でよい」「日米強化をすればよい」とみなす人々は次のように言う。


「中国には問題。中国が大国化することはない」


「米国は、中国に対抗するために、日本を必要。だから日本は米国への依存体質を強めれば安心」


独裁国家の中国と日本が連携することはありえない。我々の課題は独裁国をとるか、民主主義国家米国をとるか」


論は勇ましい。


しかし今やこの論は実態から遊離。


「中国は大国化する。米国は日本よりも中国を重視する。」


我々日本人にとって、極めて「不愉快な現実」である。


しかし「不愉快な現実」から目をそむければ「不愉快な現実」が消えるわけでない。


見極め、日本としてどうするかを考える勇気が必要である。


それがこの本の目的。


日本は対米追随で、本当に繁栄してきたか。


日本は1991年、130億ドルの資金提供。


「金を出しても評価されない。人的貢献をしなければならない」という声(注:本当は、これは事実ではない)。


この頃より急速に日米の軍事協力、外交協力が強化。


国民はこうした協力が日本経済の繁栄につながると思ってきた。


本当にそうか。


日本は外交・安全保障の分野で極端な対米従属。


対米従属で、日本経済は本当に潤ってきたか。


実は逆。


全ての人が認めるように、1991年以降日本経済は「失われた20年」。


米国を含め、今、日本から学ぶことがあるとすれば、「日本が如何に繁栄したか」ではない。


海外の国々が日本から学べるもの、それは、繁栄後の日本の失敗の無残な経験。


日本の「失われた20年」の轍を踏まないか。


日本経済は停滞したまま。


日本の相対的経済力はどんどん落ちた。


今も、日本は長期停滞から脱却できない。


90年から08年まで、米国の名目GDPは二倍強。


他方日本のGDPは94年以降ほぼ横ばい。


対米輸出額を見ると90年以降、今日まで、ほぼ横並び。


世界の銀行トップ10では90年には日本の銀行は一位から六位まで独占し、計七行。


09年でトップ10中、やっと九番目に一行。


日本は過去20年、安全保障、外交で米国に従う姿勢を強化。


この20年は「失われた20年」と重複。


この時期、日本経済は決して成長していない。


国際的にみれば、日本の地位はどんどん低下。


多くの日本人が当然のこととして受け入れる定説、


「日米関係を強固にする努力を続ければ、日本の繁栄がある」は過去20年には全く当てはまらない。事実でないことを、日本人は何故20年間、魔法にかけられたように、頑なに、信じてきたか。」


過去20年我々はあまりにも大手マスコミなどの洗脳に左右されすぎてきたのでないか。


今我々は、原発で、大手マスコミの報道が嘘であることに気付いた。


その嘘は原発だけか。


読売、朝日等、原発よりも、もっと日米関係で米国の指示に従ったのでないか。


もっと歪められていたのでないか。


今我々は、原発と同じく、自ら考えてみる時にきたのでないか。


「本当に対米一辺倒で日本は繁栄してきたのか」