小沢裁判:司法の分野に属米体質あり

「小沢裁判:司法の分野に属米体質があり、米国の好まぬ政治家を司法を通じ政治生命を絶つ動き:孫崎 享氏」  憲法・軍備・安全保障
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小沢裁判:

私は『戦後史の正体』を脱稿。

発売待ち。

7月後半になるらしい(創元社)。

今この本が出ていれば、小沢問題の理解に役立つのにと一寸残念。

何が役立つか。

米国が望ましくないと思った政治家を排除するメカニズムがこの国にある。

小沢氏の米軍撤退志向(第7艦隊だけでよい)や対中関係発展が米国の逆鱗に触れ、米国は排除を決定(CIAとの特別の関係を噂されるカーチスはしばしば「小沢氏は過去の政治家、首相になれない」と発言。

「首相にはなれない」ではなくて、「首相にはさせない」)。

戦後自主を追求した政治家には重光葵(降伏直後の軍事植民地化を阻止。後に米軍の完全撤退を米側に提示)、

石橋湛山(敗戦直後、膨大な米軍駐留費の削減を求める。首相で対米自主)、

芦田均(外相時代、米国に対して米軍の「有事駐留」案を示す)、

鳩山一郎【対米自主】、

岸信介(従米色の強い旧安保協約を改定。さらに米軍の治外法権を認めた行政協定の見直し志向)

佐藤栄作ベトナム戦争で沖縄の米軍基地の重要性が高まる中、沖縄返還を実現)、

田中角栄(米国の反対を押し切って日中国交回復を実現)、

細川護熙(樋口レポートで日米同盟よりも多角的安全保障志向)、

鳩山由紀夫

他方、米国追随を徹底した吉田茂中曽根康弘池田勇人、小泉等は長期政権。

これらの人を潰すのに検察は積極的に介入。

芦田均には昭和電工汚職事件等をあげ(最終的に無罪)、途中検事が「政界引退すれば無罪にする」と言う。

田中角栄にはロッキード事件を起こし、失墜を図る。

そして田中氏がロッキード事件で逮捕される一週間前、前尾衆議院議長を通じて布施健検事総長から「議員バッチを外すことは出来ないか」と伝えられている。

これらの戦後史の例をみれば検察は法の正義を目指して動いているのではない。

特定政治家の政治生命を止めることを狙って動いている。

それも米国の意向による政治生命を止める動きである。

検事は本来国内を担当する。

しかし異常なほど米国との接点を持つ検事が幹部になる。

ロッキード事件で嘱託尋問を行った堀田力は、在米大使館で勤務し後、法務省官房長。

小沢事件で「陸山会事件の捜査報告書の虚偽記載問題を巡り、佐久間東京地検特捜部長が、小沢関与を強く疑わせる部分にアンダーラインを引くなど大幅に加筆」の佐久間特捜部長も在米日本大使館一等書記官として勤務。

この問題は単に小沢という一政治家の運命だけでない。

社会秩序の最後の拠り所、司法の分野に属米体質があり、米国の好まぬ政治家を司法を通じ政治生命を絶つ動きを許すかの問題