本澤二郎の「日本の風景」(1292)

<消えた東京五輪
 東京都知事の猪瀬が430万の都民の支持を得たという。本当だろうか。可能であれば、全ての投票用紙を数え直してみたい。多くの都民もそう思っているに違いない。案の定、石原利権である東京五輪開催計画に突っ走った先に、大きな落とし穴が待ち構えていた。訪米宣伝でのさい、米紙「ニューヨーク・タイムズ」(4月26日付)とのインタビューで舞いあがった途端、極右作家の後継者らしい暴言を吐いてしまった。もともと東京五輪はなかった。放射能の地では参加者はいない。おまけつきのトルコ・イスラム批判で自滅してしまった。



<石原の150億円に、プラス猪瀬150億円の300億円損失?>
 今ロンドンも財政の悪化で苦労している。五輪のツケに泣いている。日本の財政悪化は、英国に比べると、極端に悪い。スポーツ利権に回す金はない。それでも、といって石原は150億円を無駄遣いした。それでも猪瀬も、75億円の運動費を計上して、お遊びに熱中していたようなのだが、遂に失速してしまった。
 ブラジルの次はトルコのイスタンブールだ。世界の常識になっている。それを新聞テレビは伝えない。150億の運動資金の一部を懐に入れようとしているからである。
 おぞましい猪瀬と新聞テレビの共演は、見事に失敗して借金国民は救われた。このままありもしない東京五輪に向かって突っ走るための無駄金は、さらに拡大するからである。
 石原は都民銀行で数千億円を失っている。さらに五輪運動で150億円、猪瀬の150億円をプラスすると、これは大変な損失になると、善良な専門家がネット新聞に公表している。
 こんな極右作家・三文文士を支援する日本人・都民がいるという?一部の利権屋が支持するのはわかるが、多くの都民も支持している?全く信じられない。
事実であれば、都民は「愚民の群れ」ということになろうか。
<都は放射能調査に目を向けよ>
 世界の善良な原子力の科学者は、東京・首都圏の放射能汚染に警鐘を鳴らしている。「大金持ちは鹿児島県に逃げてしまっている」と事情通が教えてくれた。そういえば、石原嫌いの友人は最近になって鹿児島県に移っている。
 東芝OBの発電技師が「福島から1000キロ離れれば、放射能から逃げることが出来る」と語っていた。
 どうやら東京は子供の住む場所ではない。「そんなことはない」というのであれば、東京都は総力を挙げて放射能調査をしっかりとやる必要がある。神奈川県でも被害が報じられているほどだ。
 3・11の場面で、炎上した千葉県市原市の工場から放出した劣化ウランの行方も知りたい。放射能物質はセシウムだけではない。全ての核種を測定できる機器での調査が必要不可欠なのだ。それをしない日本政府だ。安倍内閣である。
 ドイツ政府は「調査に協力したい」と伝えてきているが、日本政府がOKしないのだと、事情通は語っている。事実なのだろうから、やはり金持ちの鹿児島への逃避行は本当なのだろう。
 富裕層だけが正確な情報を持っている。こんな日本でいいのだろうか。3・11の直後に家族を海外に逃避させた民主党内閣の官房長官は、いまどこにかくまっているのだろうか。
<後ろめたい松井の国民栄誉賞
 アメリカン大リーグを放り出され、引退した松井が帰国した。成田での出迎え風景が、テレビの映像に大きく映し出された。
 新聞テレビが大騒ぎしている。本人は戸惑っているのであろう。正直者であれば、国民栄誉賞など辞退していたはずだが、彼はそうしなかった。第一、受賞に値しないことを本人が一番よく知っているからだ。
 ナベツネもボケているのか、実に欲深い。安倍内閣誕生の影の貢献者を信じて疑わないからだろう。多分、松井の将来を傷つけることになろうか。本人がかわいそうでならない。
<野茂投手に資格が>
 昨夜、息子らと夕食を共にしたのだが、野球に詳しい長男が松井をこきおろしたのだ。米大リーグの真の実力者は野茂の方だ、と指摘した。
 選手としての実績を踏まえての結論である。そういえば、野球知らずの筆者でも、野茂の印象は悪くない。自己顕示に無縁のような性格がすばらしい。今どうしているだろうか。
 松井の前に野茂がいた。イチローもいるではないか。ナベツネ流だと、スポーツ選手の多くが国民栄誉賞をもらえることになろう。つまり国民栄誉と賞は別物というのだ。
 品格のない国民栄誉賞に浮かれるのは、決まって新聞テレビだ。1億2000万総白痴化減少は止まっていない。為政者の白痴化を物語っている。
2013年5月5日9時20分記