悪い冗談?ブラックホークダウンの悪夢は繰り返す

黄泉の国から   「岩下俊三(旧姓)のブログ」からリユーアル


したがって機種がHH-60と聞いたときすぐにブラックホークダウンという「悪い冗談」を思い出してしまった。しかもこのブラックホークは有名なモガディシュの戦闘だけでなく80年代からほとんどのアメリカの「特殊業務」についていることは戦争オタクでなくても一般的にもよく知られていることである。

それゆえ例のウサマ・ビン・ラディン殺害の際も当然のように使用されたのだが、作戦中、一機はダウン(故障)したため、あとで軍が機体を爆破してしまったという。そのように改良に改良を加えた高性能ではあるが機密性も高く、ダウンしても残骸を他国に調査させることはまずありえない。

問題は墜落したブラックホークがひょっとしてストロンチウム90を有していたかどうかであるが、日本政府としては米軍に調査をお願いしたとしても、事故原因を含めまともな回答など出るはずもない。米軍基地内での事故と言えども25年の半減期まで放射性物質が飛散したであろう広範囲の住民は不安を抱えたままいきるしかないだろう。

広島長崎の被ばくは火傷やケロイドのような直撃だけではない。DNAを傷つけられた人は60年以上たって異常が現れるのだから、「ただちに人体に影響がない」ということは、いつかは必ず影響があるということに他ならない。故に第三の被ばく(しかも今現在も被ばくし続けている)の福島の悲劇は「繰り返しません」とはけっして言えないのである。

では「繰り返さない」という原爆碑お題目の「過ち」のとはなんであろうか。

ただ皮相的にはたとえ主語が無くても日本語として日米開戦の決定のことを指すと思われる。だってエノラ・ゲイに出撃命令をだした米大統領が「過ち」を犯したなんて口が裂けても言えないのだから。


それはさておき、

個人的な感情で愚劣だと思われるだろうが、今現在起こっているすべての被害の大元の「過ち」は68年間一貫している「対米従属」であると「僕は」思う。

この方針というのは平たく言えば「ホールド・アップ」なのだ。この状態の「まま」68年過ごしてきた「臣民」はずっと昭和天皇の言いつけを守ってきたのである。「耐えがたきを耐え、忍び難きを忍び」つづけるしかないのである。沖縄で施政権が返還されようと関係なく「その後」だけでも44回の米軍機墜落事故が繰り返されたのだ。そして毎回「遺憾です。米軍に二度とこに様なことが起きないように要請します」と繰り返し繰り返し国内向けにコメントし続けて来たのである。

これはほとんどジョークであろう。

俺なんか44回も禁煙したことがあると自慢している喫煙者のジョークとどこが違うというのだろう。

同胞の無垢な少女が強姦され、学び舎を米軍機に衝突されても「遺憾」なだけなのである。かってはライフルで狙い撃ちされた農婦がいたけれど、結局この殺人犯は執行猶予で刑務所にも行っていないのだ。これについては後に日米間でこの兵士の刑を軽くする密約まであったことが明らかになった。

だから何をしても「ホールドアップ」の手を下げない限り、徒労に過ぎないのである。

だから拳銃を突きつけている張本人=米軍が「もうしません」なんて言う筈がないし、もし言ったとしたらただの「嘘」でしかない。おなじようにいくら日本政府が要請しても、相手は聞き入れるはずもないことが最初から分かっているのに「しないようにいいました」と言えるはずもないし、もし言ったというのなら、やはりこれも単なる「嘘」でしかない。

要するに「断固たる」対米従属の掟は不動なのだ。この対米従属こそが官僚の権力の源泉であり、官僚の存在理由(レゾン・デ’−トル)を形成しているのである。ホールドアップの手を下げたら自分たちに権益がなくなってしまうからである。

途中で何を狂ったか「日本国民」の意思で辺野古移設に異論を掲げた「非常識」な首相もいたように記憶するが
結局ルーピーということで免れたけれど、対米従属という鉄則はずっと守られているのである。日本側の意思を日本の官僚が止めているのだ。

なにが「国益」だ!馬鹿も休み休みに言ってほしい。


ことしも我が国の総理はヒロシマで「過ちは繰り返しません」と言い深く頭を下げながら、フクシマで放射能を垂れ流しながらまだ原発再稼働や原発輸出をもくろむあらたな「過ちを繰り返し」ているのである。これを矛盾というわずしてなんという。