本澤二郎の「日本の風景」(1381)

<ドイツなら麻生太郎はお陀仏>
 千葉県の読者が、再び本ブログの「消された訪問者数」に失望の声を寄せてきた。原因はLIVEDOORの責任だ。念のために紹介すると、19日から23日までは3000から3700件のアクセスだ。始めた時の数十件と比較すると、大変な読者数だ。これが掲示板「文殊菩薩」などに誰かが転送するものだから、読者はさらに拡大している。海外の日本研究者も読んでくれる。ところで、安倍・ナショナリズムのせいで、最近は韓国新聞の活躍が目立つ。有力紙「東亜日報」は、ドイツのベルリンで麻生発言の感想を記事にした。「ドイツなら麻生はおしまい(お陀仏)」と報じた。


 ナチス礼賛は何も麻生一人の認識ではない。中曽根・小泉など自民党右翼・国家主義の面々が参考にしている手口だ。
 かつて同党にはリベラル派が存在したが、今はいない。同党はナショナリストの政治集団になっている。国家主義民族主義が幅を利かせている。筆者が目にしたくない自民党である。そんな極右を必死で支える宗教団体の存在は、ある種の脅威である。必死でSOSを発する理由である。元来た道に戻してはならないのだから。
 ナチス流で集団的自衛権や武器輸出3原則、海兵隊創設、TPPを強行されたら、たまったものではない。福島の放射能は大変な事態になっている。悪魔に魅入られたような日本である。
東亜日報の独自取材>
 現在の日本にはヒラメ記者ばかりである。水底に潜んで、目だけを上に向けてきょろきょろさせている。麻生発言があっても、ベルリンの反応を取材する勇気ある記者や編集幹部はいない。財閥・スポンサーの方ばかり気にしている。権力に屈した者ばかりである。

 国民に情報を提供する新聞テレビの中枢が、財閥と官邸の方に目を向けているからだ。NHKごときは首脳が財閥サイドから派遣されている。恥ずかしくないのか。日本に言論の自由はない。それでいいのか。ナベツネ体制下の日本のマスコミである。

 だが、東亜日報のベルリン特派員は違った。ドイツ連邦議会議事堂とブランデンブルク門のある中心街に、安倍や麻生の大好きなナチスの犠牲者の追悼碑が建っている場所を歩いた。ワイマール共和国の民主憲法を守るために、ヒトラーに抵抗した96人の議員が殺害された。彼らの氏名・所属政党などが碑に記されている。
 これを見ながら東亜日報記者は「日本の麻生副首相が“誰にも気付かれないで憲法を変えたナチスの手口を学べ”が、どれほど残忍で暴力的であるかを、ここでは雄弁に物語っている」と報じた。
<日本は正常な国ではない>
 彼は8月16日午前、ナチス虐殺犠牲者事業会のウーベ・ノイベルガー理事長に感想を求めた。「ドイツであれば、麻生のような軍国主義を美化する政治家は、その日のうちに政治生命が終わる」と断じた。そうだろう。欧米ではナチスは生きられない。
 さらに彼は「正常な国家では想像も出来ないことだ」とも吐き捨てるように断罪した。日本は正常な国ではない。確かだろう。その証拠に、副首相のまま彼は、自衛隊初の空母「いずも」の進水式に臨んでいる。731機に乗ってはしゃいでいた安倍と同じである。
 ナチス礼賛者は、典型的な改憲軍拡派なのである。財閥・軍需産業のヒモなのである。日本では改憲軍拡を叫ぶことで、財閥から金が転がり込む。それを新聞テレビは報道しない。
 責任が新聞テレビにある。政府や議会・司法にもある。無知蒙昧の群衆でしかない“日本国民”にあるのである。戦前の国家主義の道に突き進んでいる日本、とあえて断じたい。
ユダヤ嫌いは中東小国の旅>
 福島では高濃度の放射能汚染水が漏れ出ている。地下水から2年以上、汚染水が海水に垂れ流されている。太平洋は放射能まみれという研究データも出ている。むろん、日本列島も放射能まみれである。一刻の猶予も許されない対応が求められている。その政治責任は重い。ああ、それなのに安倍は東京5輪招致だと浮かれ、その足で特別機に乗り込んだ。多くの国民が聞いたことも無いような、中東の小さな国へと旅立った。
 「ポスト油は原発」と、ここでも原発の売り込みに必死になるのであろう。
 本来、福島で陣頭指揮を取る責任があろう。しかし、実際は逆である。「東電首脳部にまねて海外でストレスを癒そうと言うのか。不届き千万ではないか」と怒る国民は多い。
 中国にこんな無責任な政治指導者がいると、たちどころにネットで非難、押しつぶされるだろう。日本は「正常な国ではない」のである。
2013年8月25日8時50分記