本澤二郎の「日本の風景」(1407)

<鹿児島県警の大醜態判明>
 東京地検特捜部は9月20日、鹿児島の徳田毅衆院議員の事務所と自宅を家宅捜索し、証拠書類を多数押収した。巨大病院を巻き込んだ大掛かりな選挙違反事件は、ようやく本丸に王手をかけたことになる。悪徳医療ビジネスと腐敗選挙の悪しき連鎖の解明を、医療福祉の低下にあえいでいる民衆の目が、厳しく求めている。




 鹿児島県警は、目の前の大泥棒を見て見ぬふりをしていた。しかも、それは民主主義の根幹にかかわる重大違反行為である。それでいて、犯罪者の為すがままに放任していたようなものだろう。
その責任は極めて重い。法治主義は列島の最果ての地に及んでいなかったのか。驚くべき醜態である。
警察庁も重大責任>
 この事案は東洋経済記事で警察庁も知っていた。まともな警察庁であれば、鹿児島県警に捜査を指示する責任があった。経緯からすると、警察庁も無視していたことになろうか。
 そうだとすると、徳洲会の腐敗工作は警察庁にも及んでいたことになるが、どうなのか。腐敗は警察全体にまん延していたのか。
<歴代本部長と徳洲会癒着疑惑>
 鹿児島県警の本部長は、警察庁人事に相違ないだろう。警察のキャリアのポストである。歴代本部長は、いまどこにいるのか。関係者は注目している。
 徳洲会との癒着を民衆は勘ぐっている。両者に何があったのか?疑惑は拡大している。日本の公職選挙法にも問題があるが、現在は戸別訪問を禁じている。理由は金品の贈与が想定されるからである。
 動員された病院職員は、戸別訪問の結果を選挙責任者に向かって、直立不動で報告していた。これは異常・異様であろう。軍隊レベルではないか。
<医療行政に腐敗の根幹>
 首都圏の選挙区において、暴力団を動員する例があったが、ここでもやはり強制力を用いた人権無視の選挙が行われていたことを、今回の徳洲会選挙で思い出してしまった。
 筆者が注目している点は、壮大な金権選挙を可能にできる医療ビジネスの存在である。病院の悪徳ビジネスを可能にする医療行政に、問題の根幹が潜んでいることである。
2013年9月20日20時40分記