本澤二郎の「日本の風景」(1408)

<福島は地震による崩壊>
 放射能汚染の福島が、安倍のブエノスアイレス発言で新たな注目を浴びている。これまでも、今も、これからも危険が一杯なのだ。原発メーカーの元社員が、彼らの常識を語ってくれた。「福島は津波の前の地震で配管に亀裂が入り、損壊して冷却機能が喪失、原子炉がメルトダウンした」と明言した。間違いのない事実である。



津波の前にメルトダウン
 政府・東電は責任を回避するために「想定出来なかった大津波による」という不可抗力論で逃げようとしている。そのために事実に蓋をしている。こんな嘘が通用するわけがない。
 原発の建造物は鹿島だ。ゼネコンは知っているだろう。鹿島は中曽根人脈で知られる。中曽根もナベツネも、決して原発ゼロを口にしない。恐ろしい人間である。
 津波の前に原子炉はメルトダウン、燃料棒は溶けて地中深くスルーしている。だからまだ誰も見てはいない。
<まだ秘匿する東電>
 事実を隠している東電が、470億円の血税で汚染水を解決する?信じられようか。嘘と隠ぺいの東電と政府を信じろ、と言う方がおかしい。まず何よりも事実を公開する義務がある。
 いい加減すぎるため、隣国から「水産物輸入禁止」されるのである。世界に情報開示すべきだ。東電は日本人と人類を裏切っている。安倍内閣はその共犯者である。
<9・19の安倍視察で危険を裏付ける>
 ブエノスアイレスの波紋の大きさに驚いた安倍は、自ら現地入りすることに追い込まれてしまった。世界は彼の防護服に注目した。宇宙服のような完全防備の服装に目を見張った。
 彼は外国のテレビも同行させた。彼らは、放射能に汚染された大気・海水・大地の恐怖に、改めて怯えたようだ。「安全な東京」宣伝とは裏腹だった。海外の放射能専門家は「東京は危険。離れろ」と警鐘を鳴らし続けている。
 東京の子供たちの多くは、水道水を飲み水にしていない。安倍視察は、危険な東京を印象付けてしまった。「嘘をついて五輪を開催する価値があるだろうか」と人々は感じ始めている。
 「建造物を作り、利権あさりをしても、物理的に開催は無理だ」との正論が飛び出してきている。東北復興が先ではないか。イスタンブールマドリードに譲ってみてはどうか。本気でそう思う。
<核技術拡散政策に懸念>
 安倍の原発輸出外交に懸念が噴出している。旧東欧・中近東・ASEANへの、なりふりかまわない原発ビジネスは、異様である。東芝・三菱・日立のセールスマンに徹している。
 核技術がかの国々のお目当てである。世界の隅々に核拡散を推進する安倍内閣に国際社会は、重大な懸念を抱き始めている。当然だろう。これほど不条理な外交もないだろう。
 3・11で世の中の空気は変わった。ドイツ政府とドイツ国民の選択が正しい。人類はドイツ国民に敬意を表している。日本はその逆である。
国家主義政権の恐怖>
 3・11を教訓に出来ない天皇国家主義に問題の根ッ子がある。過去を反省しない、できない安倍内閣に問題がある。
 東京に対する厳しい目は、北京やソウルだけではない。過去を断じて許さない欧米諸国もまた、ナチス礼賛のような日本国家主義に重大な懸念を抱いている。
 国際社会で尊敬を得られない日本を、今後とも続けることのマイナス面は、計り知れないほど大きい。
<天災に勝てない原発
 一部に科学信奉者がまだいるらしい。原子力ムラにいる。3・11を目の前にしても、である。ならば放射能汚染水を解決できるのか、廃炉を実現出来るのか。核のゴミの処理が出来るのか。
 これに答えられる科学者は、地球上に一人もいない。所詮、天災に勝てるものはいない。安倍の嘘(コントロールされている・ブロックされている)に騙される人間は、ひとりもいないはずだ。
2013年9月21日5時50分記