自ら作ったモンスターに手を焼く各国「コントロール」不能?

黄泉の国から   「岩下俊三(旧姓)のブログ」からリユーアル


自分のなんらかの野望や陰謀が育てたモノがいつの間にかとてつもないモンスターになるというパターンはフランケンシュタイン(注:岡田克也ではない)にはじまりゴジラで完成をみたが、それらはあくまでフクションないし警告であった。

いままでは。

ところがここへきて対ソ連向けにCIAが大事に育てたアルカイーダがとてつもないモンスターに「現実」に成長し、アメリカの脅威となったのだ。そして幻想と恐怖がさらにそれを肥大化させてしまった。だから幻想として肥大化したカリスマ=ウサマビンラディンつまり自分が孕んだ子供を母親は殺害したと世界に吹聴するしかなかったのである。

ところがイスラム原理主義者の中には、いまだにれっきとした「テロリスト」(ウサマの「血」をうけついだ)がおり聖戦のシンボルとして国際的に著名でもっともはったりの効くアルカイーダを各地で名乗り始めたのである。つまりそれらは同時多発的に発生したのだ。

人類はこのモンスターと戦うかなくなってきた。そのためにはアメリカの一極支配だとかいうイデオロギー的な区分けに意味がなくなりついにロシア、アメリカが協調して共通の敵「テロリスト」と闘うしかなくなってきているのである。
そしてついには宿敵中国やイラン場合によってはシリアや北朝鮮なども巻き込みかねない情勢になってきたのである。

したがってアメリカで根強い軍産複合体ネオコンイスラエルロビーが次第に孤立化を深めている「らしい」。(一部外電によれば)

オバマの一見強引で無鉄砲なシリア政府攻撃の姿勢の深慮遠謀はまさにここにあったと思わせるほど「プーチン提案」への反応は素早く、明日にでも空爆をにおわせて一気呵成に既存の「アメリカ的な、南部っぽい、保安官のような、ジョン・ウエインやチャールトン・ヘストン的な、強く大きな」南軍勢力を東部の「インテリ黒人」が大逆転したのだ。

やはりオバマはブッシュではなかった。

世俗的なアサド政権の方が反政府軍の中軸イスラム原理主義のアルカイーダより「ましな」政権であるのだ。それを理解し利用したオバマの一大トリックであったと思われてならない。

つまりイスラエルロビーや軍産複合体やライフル協会のようなところをまともに潰すことはいかに大統領でも出来かねるし、アメリカ国内の「既得権者」=(選挙のスポンサーでもある)には内心「日焼けした」オバマ嫌いのレイシストが多い。だから市民や有権者のパワーで彼らを抑えたのであろう。

こうしたオバマの「高等戦術」はプーチン株を上げることになったけれど、アメリカ一極支配から脱してロシア中国を加えた多極支配で世界の安全保障を考えるオバマ大戦略は成功したとも考えられるのだ。

オバマの真の敵はアサドではなく実はアルカイーダであり国内の「ある」勢力でもあったのだろう。


問題は何時までもアメリカにしがみつき、自分も集団的自衛権を行使しますから、是非喧嘩に加勢してねと言い続けている日本政府である。いまどき抱き着き心中なんか流行らない。世界情勢に無知で事実上つんぼ桟敷の日本はまだ時代遅れの頓珍漢な議論をしている。

それとも?

自ら作ったモンスター(ゴジラではなく原発)に手を焼いているからそれどころではないのかな。