JRの闇は日本の闇である。東電の病が日本の病であるように。

黄泉の国から   「岩下俊三(旧姓)のブログ」からリユーアル


冬の北海道をひた走ると観光客もすくなく、気分は爽快、、、、なんて軽口を叩けないような感じになってきた。

JR北海道の整備点検の欠陥が連日明らかにされ北海道知事も政府の官房長官も怒りを露わにして(したポーズで)一層の管理強化にのりだす「姿勢」を顕している。

歌舞伎じゃあるまいし見栄を切ってどうする?
ま、世界に向かって「完全にコントロールしている」と胸を張って虚言を言える日本だからそれも許されるのだろうけど。


民間が次々と単純な管理不足を原因とした不祥事を起こし、責任を民間にして、監督官庁つまり国は管理を厳格にすると言い募るワンパターンは年中行事化している。

流鏑馬とか大仏殿のすす払いとか雪のかまくらとかと同じである。まず酷い現状を示し当事者が謝罪、政府が遺憾といい、「市民?」が「こまりますね」といえば、毎日手を変え品を変えていても、あらかじめ準備された同じような原稿を読むだけで「報道」のお仕事?が済みそうな気配なのである。

問題の本質を巧みにはづし、いつも起きては消え、消えては起きる日常的な事件事故にすべてが「まぶされて」しまうのだ。最近はそれがマスコミの「お仕事」なんだろうよ。

まぶすのは天ぷら粉だけにしてくれ!かき揚げじゃあるまいし衣で包んでどうする?


JRの抱えている根深い問題が混然一体となって表面化したこの「民間」JR北海道のレール点検不備問題は、じつは原子力発電所を抱えた「民間」電力会社の抱える本源的な問題と同根なのである。

民営化民営化とミンミンなくのはアブラゼミだけにしてくれ。


表面だけの民営化でその実態は国営であり、じつは元の国営よりさらに劣悪な国営なのである。これが元国営の国鉄に始まって所謂むかしの三公社五現業日本専売公社・日本電信 電話公社・郵政・造幣・印刷・国有林野・アルコール専売)などと電力会社・NHKJAL....などが「法人」となって民営になりいかにも「民間」がやっているようであるが、その実態は組合切りと官僚の責任逃れと天下りの巣窟にすぎないのだ。

皆までいうつもりはないから、その一例でいえば、、、、JR北海道がまさにそうである。

JR北海道は基本的に自力経営とはほど遠い状況にある。同社の2013年3月期の鉄道事業の売上げは約780億円だが、経費はなんと1100億円である。赤字額は300億円を超えており、毎期大量の赤字を垂れ流している状況である。これで同社が倒産しないワケは、国鉄民営化の際に提供された「経営安定化基金」と呼ばれる資金を保有しているからである。現在、同社はこの基金の運用益である300億円を赤字補填に回すことで、何とか経営を維持している。つまりJR北海道の収益の半分近くはファンドの運用益なのだ。

 だがこの運用益にも問題がある。2013年3月期の基金の総額は約7300億円。だがこの基金からの運用益は300億円あり、4.1%もの高利回りで運用されている。この超低金利時代に4%の運用などどう逆立ちしても無理である。

 このカラクリは、実質的な国庫補填にある。安定化基金の多くは、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構に貸し付けられており、この貸し付けについては4%近い特別な高金利となっている(他の民間からの借り入れは1%以下)。つまり、この独法に対する貸し付けは事実上のJR北海道救済資金であり、当該独法の性質上、最終的には国の特別会計が負担していることと同じになる」ーーーー「ニュースの教科書」サイトよりーーーーーー

つまり旧国鉄と変わっていないのである。金田が剛速球で長嶋をきりきり舞いさせたあの懐かしい「国鉄スワローズ」時代から半世紀悪くはなっていてもちっともよくはなっていないのだ。

株式会社なんだから利益を優先させて当たり前、人件費コストを極限に抑えても、マニュアルで現場を動かしていれば「建前上は」安全が守られる「筈」である。

ところが現場は人手不足にくわえ「やってらんねー」くそマニュアルの加重で「安全点検」の手を抜くか「緩める」しかなくなっているのだ。

これはフクイチの現場と似た構造であり、そのマニュアルでさえも下請けが創っている。

国鉄の保線係が偉そうに「職人とプライド」がなくなったと嘆いているようだが、もっと構造的な問題がそこにあることを言おうとしていない。

JR北海道は深刻な経営危機なのである、しかし「親方日の丸」は半世紀以上健在なのだ。民間企業という顔をした国営企業の問題は日本の政治の滓とおなじく重く澱んだままである。

馬鹿じゃなかろか?