特別秘密保護法案でなく正確にいえばフクシマ・ホワイトアウト法案である。

黄泉の国から   「岩下俊三(旧姓)のブログ」からリユーアル


特別機密保護法案担当の森消費者相が国会の特別委で、指定範囲について「従来の秘密の範囲を拡大するものではない」と言った舌の根も乾かぬうちに、はやくも実際には秘密の対象に「特定有害活動の防止」が加わっていることがばれてしまった。「特定有害活動」とはぶっちゃけなんでもありということにすぎない。

したがって秘密の範囲はますます広がりしかもさまざまな情報収集活動を含むため、警察当局などの活動の多くが「特定秘密」となり、知らないうちに市民の情報が集められることに歯止めが効かなくなる。これは戦前の治安維持法よりたちが悪く、法的な緻密さもない。こんな法律をなぜ慌てて作らなければならないかはもはやいうまでもあるまい。

この内閣の中には森雅子担当大臣のようにさすがに法的に矛盾したこの法案の嘘を「しどろもどろ」に答弁する女の子もいれば、担当大臣を差し置いて某・礒崎陽輔のように、「原発情報は特定秘密ではない」と平然と嘘を断言する官僚上がりもいるようだ。

原発バリバリの推進派の森雅子にしても一応弁護士だし、大学の同級で同じ弁護士・生枝野幸男くんだって、そして「あの」遊郭弁護士・橋下徹だって少なくとも法律を齧った人間なら当然反対してしかるべきであろう。森雅子君だけは自民ナンミョウという苦界に身売りしているから足抜けできないけれど、空気を読むのに敏な橋下などは珍しく法律家として正論を吐いて真っ向から反論している。

前回の記事にあるように、この拙速な法案作成の指示が宗主国からの指示であることは明確であることは第二自民党右派である「維新の会」の代表がこれだけには反論していることからもわかる。そういえば慎太郎もハシシタも結果隷属ではあるけれど唯々諾々とすぐアメリカに従わずにたまにはNOと言えることを看板にしているのだった。

宗主国がそれほど慌てているのは原発事故の収束には確固たる日米「共通の」特別秘密が担保される必要があるからだ。もちろん自国防衛というアメリカの国益をまもるために。

フクシマへの危機感にはいろいろあるが、他国民の健康被害は自国民である日本政府すらも放置するのだからどうということはないけれど、事故当初から流れ出ている大気や海にながれている放射能がさすがに36兆ベクレルなんて原爆と変わらない量になっていたと聞くとほっとけないだろう。しかもメルトダウンした(もと)炉心は突き抜けてどこへ行ったか分からないのである。

ただでさえその「ほっとけない」体質でサダムやウサマやカダフィを殺すついでに多くの市民を殺害したのだから、
「♪なにがなんでもやらねばならぬ〜」のだろう。

それにしても、

九州の南端で桜島の爆発を楽しんでいる身としては、今日の朝も首都圏に住んでる人はさぞビビったことだろう。
いつ起きるか分からない自然災害を悟っている日本人はそれでも諦めているだろうが今後ますますホワイトアウト
されたフクシマの動向に震えながら生きていかなければなるまい。