本澤二郎の「日本の風景」(1497)

東芝製3号機がSOS>
 人間を大事にしない日本の代表的財閥で知られる東芝は、東電福島原発3号機を製造した悪徳会社でもある。プルトニウムを燃料にした原発だ。そこで核爆発を起こしている。どうしてなのか、東電は明らかに出来ない。分からないのだ。しかし、製造した東芝はある程度はわかるはずだ。それを人類に公表する義務があるが、未だに沈黙している。東電に輪をかけた悪辣な財閥企業である。莫大な広告費で新聞テレビを抑え込んでいるが、筆者には通用しない。日本のマスコミを代表して断罪したい。


 なぜかならば、日本人だけが真実のラチ外に置かれている。3号機から大量の白煙・灰煙が噴き上げている。昨年12月28日のそれに、国際メディアがSOSを発していた。米西海岸の住民は対策を取っているという。一体、3号機の煙は何なのか。
 例によって東電広報は「高温の格納容器に水や雨が触れたもので、問題はない」と海外メディアの報道打ち消しに躍起となっている。これを日刊ゲンダイは、まともに報道、警鐘を鳴らしている。
東芝の沈黙は許されない>
 1,2号機は水素爆発である。3号機は全く違う。東電は今も嘘をついている。
 3号機メーカーの東芝は、事実を公表すべき義務を負っている。なぜなら福島では内外被曝者が無数に出ている。いかに東電・政府がシラを切っても通用しない。福島では若者や中年の死亡が、地元新聞のお悔やみ欄を占めている。ここ2年ほどの日本人の死亡は、第2次世界大戦の300万人を軽く超えている。
 東芝もまた、この重大な人身事故の加害者である。核爆発の真相と、それによる放射能量の詳細を人類に公表する義務を負っている。沈黙は許されない。
<東電に火消しは困難>
 既に明らかなように、東電は原発災害の処理能力など無い。無知な者ばかりである。それゆえの嘘の広報をずっと続けてきた。東電発言の信頼度は皆無といっていい。
福島原発の火消しなど不可能である。ならば原発メーカーのGE/日立(1,2号機)と東芝が担当するしかない。現にそうしているのであろう。とりわけ3号機に関しては、東芝が事情を知る立場にある。核爆発が何ゆえに発生したのか、放射能の放出量と核種を正確に公表すべき責任を負っている。
技術的な問題は、東芝が前面に出ないと対応出来ない。それでいて、それを全くしていない東芝である。
<何をしてきたのか!公開せよ>
 東芝はこれまで何をしてきたのか。それを明らかにする責任がある。道義上も法的にも負っているはずである。本来、検察が前面に出てきて真相を明らかにする事案である。
 日本国民の生命と財産を奪ってきている事件である。日本にまともな民主的政府が存在していれば、東電はいうまでもなく、東芝の関係者も逮捕され、真実を明らかにさせられる場面である。地球と人類を恐怖に陥れている以上、それは法治国家として当然のことなのである。其れが出来ない日本は、まともな国とはいえない。
 せめて東芝は、率先して真実を明らかにする義務がある。
 元東芝原発技術者の後藤政志は、新聞の取材に対して「格納容器からの大量の蒸気だとすると問題だ。大気汚染が心配」とのコメントをしている。責任感のある、ごく一部のまともな東芝社員の不安はただ事ではないのだろう。原発ビジネスに執念を抱いてきた佐々木とかいう東芝幹部は、いまどうしているのであろうか。
東芝の社会的責任はどうした!>
 東芝は、口を開けば社会的責任企業であることを訴えてきている。現在、これを鵜呑みにする者はいないだろう。
 社会的責任は、どんな企業でも果たさなければならない企業倫理だ。製造者責任の原則は、国際的なルールでもある。欠陥品を販売した責任は、当然のことながら負わねばならない。巨大地震を想定できる日本である。地震に耐えられる製品でなければ、原発メーカーとして失格である。これは原発の建造物や配管を作った、中曽根康弘の親類・鹿島にも言える。
 3号機は東電責任のほか、東芝と鹿島も責任を負っている。
<火事場泥棒を続けるのか>
 放射能を除染するという装置を、事件後に東芝は納入、そこで莫大な利益を上げた、と見られている。間違いないらしい。そうだとすると、東芝は火事場泥棒ではないか。
 東芝欠陥商品を納入して暴利を手にした。地震で損壊するや、そこで新たな装置を納入して、再び暴利を得たのだ。東芝は現地に作業員を大量に送り込んでもいる。彼らを大事に放射能被曝から保護しているだろうか。
 そうではないらしい。最近、地元の労働基準監督署東芝作業員の勤務状態に警告を出している。
東芝ブラック企業
 最近、東芝の事情に関心を抱くようになった元自民党ベテラン秘書は「東芝ブラック企業だ」と断じるようになった。筆者はブラック企業の定義を知らない人間だが、その指摘について頷いてしまう。
 人間の命を粗末にする企業を、筆者はブラック企業と呼ぼうと思うが、この基準に東芝は入る。東電や鹿島だけではない。東芝も明らかにブラック企業である。

 東芝は三菱と日立の原発御三家と共に、愚鈍すぎる首相のお尻を叩いて原発輸出に懸命である。将来、核武装を狙う危険な国への売り込みに必死だ。もしも、この路線が正しいかどうか、近く実施される都知事選挙で明らかになるだろう。
2014年1月12日記
http://jp.xinhuanet.com/2013-12/31/c_133009729.htm