本澤二郎の「日本の風景」(1514)

<面白いNHK都知事選報道>
 「NHKのニユースが面白くなってきた」というと、驚く向きもあろうが、今の都知事選報道は本当にそうなのだ。NHK の偏向ぶりが誰にでもよく見えてきて、実に面白いのである。それを1月26日午後7時のニュースで、再確認できた。この時間帯のNHKニュースを多くの都民は見てしまう。日曜日のこの時間は、家族団欒の時だから、情報操作・宣伝効果は抜群である。世論操作しやすい時間帯なのだ。


<反原発共産党支持候補を一番手に取り上げる>
 恐らく代々木は笑いが止まらないだろう。共産党が応援する候補者を、官邸よりのNHKが一番手に扱っている。こんなことも珍しい。届け出が一番なのか不明だが、反自民の候補を最初に大きく報道するNHKにとって、従来では考えられないことだ。
 同党の都知事候補擁立はひたすら党勢拡大がお目当てだ。党利党略そのものである。東電福島原発事件捜査にも不熱心で、頬かぶりしてきた、と専門家は指摘している。
原発再稼動派を宣伝>
 石原慎太郎が支援する自衛隊出身者は、反原発論に異論を唱えるのだが、NHKはそこの発言を突出して報道するのである。そういえば、NHK経営委員の何とかは、この候補を支持していると語っている。
 NHK経営委員の意向も反映させる現場なのだ。「泡沫にさせない」というNHKの意向なのか。
<反原発票の分断がNHKの狙い>
 反原発は天の声である。どんなに福島事件に蓋をしても、原発を受け入れる国民などいない。今でも子供を持つ都民家庭では、水道水を子供に飲ませていない。神経をすり減らして生きている。NHKが天の声を報道に反映させれば、都民の80%が反原発候補を支持するだろう。
 だが、NHKはその反対の報道に懸命なのである。それは要するに、反原発票の分断を図っていることになる。それが判明した以上、社民党共産党と袂を分かつしかないだろう。どうする社民党よ。自民党に塩を送り続けるのであろうか。
<自公候補の福祉をPR>
 自公候補の宣伝は、NHKに限らない。さすがに安倍・自民党の悪政を知り尽くしている日刊ゲンダイ東京新聞朝日新聞は、NHKとは違うはずだ。だからといって朝日や東京が、原発ゼロ候補を突出させることは無理だろう。
 NHKは自公候補の福祉政策を大々的に紹介している。「自民党と福祉」を信じろ、と言う方がおかしい。五輪利権を取り上げるべきではないのか。それは都民感情に反するので、突出させることはしない。NHKはやはり官邸向け宣伝に徹している。
<極右のNHK会長>
 ネット新聞にNHKの新会長の会見が掲載されている。それによると、彼は安倍に輪をかけた極右人士なのだ。従軍慰安婦を質問されると、なんと「どこの国でもやっていることだ」とうそぶいた。安倍人事を裏付けた形である。
 NHK料金不払い運動が拡大するような都知事選のNHK報道なのである。そこに公平さはない。ナベツネ新聞レベルのNHKなのである。
2014年1月27日記