本澤二郎の「日本の風景」(1575)

<安倍・プーチン密約?>
 埴生の宿の梅の花が散っている。代わって、桜のつぼみが膨らんできた。スイセンが真っ黄色な花を咲かせている。今朝の富士山もくっきり、昨日はもっと美しく白い膚を見せつけていた。しかし、自然の美しさとは反対に政治の世界は、特に国際政治はドス黒く覆われたままだ。一部週刊誌が「安倍とプーチンの黒い密約」を報じた。これに激怒するワシントンとも。真実は不明だが、ウクライナ・クリミヤ問題で安倍は、側近をモスクワに送り込んでいる。安倍のロシア批判が生ぬるいことも、こうした憶測を浮上させている。




靖国だけではなかった?>
 国際社会は、軍事力にモノをいわせるプーチンのクリミア併合に強く反発、制裁に踏み切っている。そんな独裁的強権主義者と一番親しい人物が、日本の安倍である。

 安倍には北方領土返還という国益から、プーチンとの仲は好ましいものと思われていた。口先だけの日米同盟から、日露傾斜に突っ込んでいる。
 ずる賢いプーチンは、日本のカネと技術で悲願のシベリア開発を実現したいとの狙いがある。そのためのニンジンが領土問題の処理だが、4島は戦争で決着したモノである。4島返還は無理である。2島なのか、2島ブラスαなのか、両者の間で密約が交わされた?との憶測が浮上している。
 問題はそのことをワシントンに隠して行われた、ということから、東京―ワシントンの関係は、歴史認識靖国に次いで、これが新たな火種になっている、との憶測を呼んでいる。
<3月12日、側近がモスクワ入り>
 日本の対ロ外交は、はっきりいうと領土返還というよりも利権がらみだ。シベリアの石油・天然ガスに三井などの財閥が関与、これの手先が安倍後見人の森喜朗である。
 森も安倍も台湾からロシア利権に足場を移して久しい。
 モスクワ接近と言うと、鳩山一郎内閣が存在した。この時は60万人のシベリア抑留日本兵の帰還のためだったが、それでもワシントンの右翼CIAは、鳩山から岸信介に政権を交代させた。
 同じく石油ショックで泣いた田中内閣は、ソ連の石油・天然ガスに目を付けた。途端に金銭疑惑を、当時の台湾派の福田派や文春から突き上げられて失脚、その後にロッキード事件にも見舞われて逮捕された。
 さて、安倍の始末をどうつけるのか、政界雀はCIAの動向を注目している。
 外交音痴の安倍を操る国家安全保障会議の右翼外交官・谷内正太郎局長を3月12日、渦中のモスクワに派遣したことで、安倍とプーチンの不可解な関係を余計に浮上させてしまった。
<安倍監視は続いている>
 安倍内閣の発足から、ワシントンの警戒心と監視は続いている。産軍複合体の好戦派は安倍利用に長けているが、戦後体制否定の安倍・国家(国粋)主義に対して、リベラル政権は断じて容認しない。
 いかに落ちぶれても、ワシントンが戦前の国家主義を容認するという寛容さを示すことなど無い。これがアメリカの大義である。
 米連邦議会調査局レポートの安倍分析は、ワシントンで最も権威ある議会お抱えのシンクタンクである。中国の社会科学院に相当する研究機関だ。安倍の全てを分析したレポートに、オバマは驚愕したらしい。
 それはキャロライン大使も同様と言っていいだろう。それを裏付けた靖国参拝事件の発覚であった。これに続くプーチンとの怪しい関係浮上だ。今もワシントンは安倍追及をしているはずだ。
<安倍の黒幕は財閥>
 森を動かすエネルギー財閥は、安倍という使いやすい極右首相をトップに据えることに成功した。森を使い、安倍を使いこなすことで、利権先行の日露外交へと突進させている。
 プーチンとの蜜月を演出したソチ五輪だったが、そのプーチンが今、孤立化してしまった。世界のワル者になっている。同じく靖国で孤立した安倍である。
 孤立同士の結びつきを、ニューヨークもブリュッセル、そしてワシントンも警戒を強めている。
集団的自衛権行使と日本核武装
 日本政府による、核・原子力政策に対する国際社会の懸念も強まってきている。ことは北朝鮮問題レベルでなくなる。
 集団的自衛権行使を閣議決定で処理することは、憲法9条を破綻させる狙いがある。ナチス改憲だ。安倍の「強い日本」とは、その先に日本核武装がちらついている。それを察知したワシントンは、貸与していた研究用プルトニウムの返還を急がせている。

 国家主義が台頭した東京に、世界はその動向に深刻かつ重大な関心を強めている、と見るべきだろう。
2014年3月23日7時50分記