本澤二郎の「日本の風景」(1585)

<牙をむいた安倍・自公内閣と日本財閥>
 東京が桜花爛漫の季節を迎えた4月1日に永田町は、憲法に違反する重大な閣議決定を行った。47年継続してきた平和国家の証しとして機能させてきた武器輸出3原則を排除、代わって防衛装備移転原則に切り替えた。事実上の武器輸出の自由化である。軍需産業で暴利を得ようとする財閥の指令に、自公政権が従ったものである。財閥は今も車などを輸出・現地生産で暴利を得ているが、その一方で安倍内閣を操って軍国主義の日本に改造しているのである。東アジアの危機を煽る政策も、こうした軍国主義化と関係している。



<核・原発・武器の売人に変身>
 高度成長期に日本財閥は、軍事技術を高めることに成功している。周辺国の懸念に「日本は軍事大国にならない。必要最小限の自衛力・専守防衛に徹する」と歴代内閣は、必死で釈明してきた。
 実際は財閥と右翼政治屋の連携でもって、欧米の先進軍事技術を取り込んで、軍国主義化への道を突き進んできた。そして安倍・自公政権で、遂に衣の下の鎧をひけらかせ始めた。既に新聞テレビの批判を封じ込めてしまっている。やりたい放題の自民・公明の連立政権である。
 武器輸出は戦争の火種となる。争いの拡大の原因でもある。平和の環境をぶち壊すものである。アジアを紛争に巻き込もうと言うものだ。そこへと武器輸出で暴利を得る悪魔の策略である。
 悪魔に魅入られた自公政権を、日本国民はしかとノートと脳裏に刻み込む必要がある。安倍内閣はトルコやベトナム核兵器製造を可能にする原子力発電所の売り込みに成果を上げている。
 既に54基の原発稼働でプルトニウム大国の日本である。いつでも核武装可能大国になれる日本である。平和を破壊するテロリスト国家になれる深刻な事態ともいえる。
<日本衰退を軍国主義でカバー>
 米国と共に衰退する日本である。中曽根バブルの崩壊が、日本を崩壊させて今日がある。不可解な事件や深刻経済の元凶となった、中曽根バブルの分析を未だにしない無責任国家で推移してきている日本である。
 不条理な無責任国家は、悪しき航海に踏み出すことになる。それが安倍・自公政権なのである。国民には負担を強いて、役人と政治屋は肥え、太る体制の存続は、劣等国の対応そのものである。
 周辺国どころか、同盟国のワシントンも、そして欧州諸国も靖国国家に重大な懸念を抱いている。
 軍国主義化で日本衰退をカバーしようというのだ。日本国憲法の第9条違反である。それでいて法曹界も沈黙している。財閥の極右政権にモノも言えなくなっている。これは異様な日本を象徴しているだろう。
<執念の靖国参拝の奥は深い>
 安倍・自公内閣は、武器輸出可能な閣議決定に次いで、荒唐無稽な集団的自衛権の行使も可能にする閣議決定をも、強行する構えだ。既に公明党の太田大臣も賛成している。
 平成の治安維持法といえる特定秘密保護法強行に手を貸した公明党が、遂に戦争する日本改造に突き進んでいる。過去に想定出来なかった深刻極まりない事態である。平和主義を放棄した偽りの宗教政党国粋主義者・安倍の連携は、けだしミモノではないだろうか。
 安倍の執念の靖国参拝の奥は深い。深すぎて内外の研究者は正確な分析が出来ないでいる。ひとり米国連邦議会調査局のみである。中国や韓国、いわんやロシアはわかっていない。
<議会・言論も衰退>
 戦前の政治制度である国家主義を日本国民は知らない。教えていないからである。今の高校・大学では教えていない。近現代史をまともに勉強した日本人はほとんどいない?
 隣国にも多少の責任がある。ドイツに対するフランスやポーランドではなかったことも災いしている。天皇国家主義についての研究と発信が弱すぎているというのが、筆者の印象である。
 本来、こうした異常政治は日本の新聞テレビと議会の追及で阻止する。まともな民主主義の国であればだ。財閥にモノが言えない日本に気付いていない世界にも、まことに困ったものだ。
<真実を伝える日刊ゲンダイ東京新聞を応援しよう>
 そうした中で、少しでも真実を伝えようとしている新聞が、日刊ゲンダイである。続く東京新聞だ。両紙に対して、財閥の指令を受けた広告主の電通が意地悪をしている。
 広告で新聞を発行している日本である。両紙の悪戦苦闘は、平和市民からすると感動的である。善良な市民は読売を止めて、この勇気ある新聞に切り替えたらいい。
 財閥と安倍内閣支援の読売から、手を引く市民でありたい。
2014年4月2日7時45分記