東電・福島第一原発3号機から発生している「湯気」について、現在までにわかったこと

「東電・福島第一原発3号機から発生している「湯気」について、現在までにわかったこと:岩上安身氏」  原子力・核問題
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こちらは「湯気 」調査隊報告。

以下、連投。

これより、東電・福島第一原発3号機から発生している「湯気」について、現在までにわかったことを以下、報告します。

7月18日午前、福島第一原発3号機原子炉建屋5階、中央部近傍(機器貯蔵プール側)より「湯気」らしきものが漂っていると、東電が発表。


瓦礫撤去作業前のカメラ発覚。

その様子は東電HPで動画公開されている。http://goo.gl/04fkVq

東電は18日の会見以降、一貫して、モニタリングポスト、連続ダストモニタや、原子炉格納容器・圧力容器圧力の温度および圧力、キセノン濃度などのプラント関連パラメータに有意な変化はないと発表。

ただし、有意な変化がどれくらいなのか具体的な数値の言及はない。

そもそも、現場付近の線量は高く、線量の小さな変化は分からず、ダストサンプリングによる状況判断をしている。

18日に発表されたダストサンプリングの結果、ヨウ素131、セシウム134、セシウム137が検出限界値を若干超える値を検出。

東電は、湯気の原因を「雨水がウェルカバーのすき間から入り、格納容器ヘッド部で加温されたのでは」と推測。

いずれの値も過去半年間の変動範囲内とした。

http://goo.gl/LsKu5f  http://goo.gl/FQodso

20日、赤外線サーモグラフィ測定を行い、湯気が出ていた部分の温度は約18〜25℃で、この日の気温(14:00で21.4℃、76%)とほぼ同等だと発表。

湯気の原因は確定していないが、核反応ではないと説明している。

7月23日09時05分頃に、修まっていた湯気が再発した。

現場の気温20.3℃、湿度91.2%だった。

その後、東電は13:30から14:30に湯気が再度収まったことを確認。

プラント状況、モニタリングポスト指示値等には異常はないと改めて説明した。

また、東電は23日、当該部付近(シールドプラグ全体)の放射線線量率測定を実施し、最大値2170mSv/h、最小値137mSv/hであることを確認。

湯気発生源付近の放射線線量率は562mSv/hだったと発表した。

最大2Sv/hを見ると、562mSv/hが小さい値と錯覚してしまいそうになるが、非常に高い線量だ。

しかし、線量の分布をみると、湯気による汚染ではなく、震災事故時に飛散したがれきなどの影響と考えられる。 http://goo.gl/s9kCOZ

24日、午前4時頃、再度湯気が立ち上ったと発表。

気温18.3℃湿度91.2%と非常に多湿な状況。

その後もダスト測定やシールドプラグ付近の線量測定を行い、結果を公表している。http://goo.gl/DThxF9

シールドプラグは3つのパーツが組み合わさっている。

線量測定結果を見ると、高線量ポイントがシールドプラグのパーツの継ぎ目に沿っているようにも見える。

震災時に建屋内部から蒸気などが吹き出した可能性もあるが、詳細は不明。

蒸気(湯気)の発生原因として、現在、東電は

①PCV内デブリの状態変化、

②建屋内の水蒸気が過飽和となった気体の放出、

放射性物質による発熱、を検討。

②の可能性が最も高いと考えている。

現場は線量が高いため、ダストサンプリングによる調査を継続するという。

東電は「建屋内の水蒸気が過飽和となった気体の放出」が原因である可能性が高いとしているが、では、なぜ、これまで同様の湯気が確認されてこなかったかというと説明は付かず、何かしらの変化があったと考えるのが普通である。

twitterなどでは、各地の線量が湯気と共に上昇している、との声も上がっている。

例えば福井や新潟で上昇したとされているが、湯気に関連しなくても同程度の変動は確認できる。

福井県敦賀の1ヶ月の変動表添付。 pic.twitter.com/e2RqjRdjAL

また、北茨城で12日、毎時7μSvの線量が確認されたと規制庁は発表したが、25日の再測定では確認されていない。

こちらは、モニタリングポストではなく、車両走行サーベイによって観測された数値であるため、局所的に高い値を観測したものと思われる。

いずれにしても、現場は高線量であり、湯気の原因は、まだわからない部分が多い。

IWJは引き続き東電会見、規制庁会見などで続報を流していきます。