日本が極東で「イスラエル化」し始めたと危惧するアメリカの首脳部

黄泉の国から   「岩下俊三(旧姓)のブログ」からリユーアル


この記事を書くためにはどうしても通過すべき関門がある。それは「イスラエル」という存在をあらかじめ説明しておかないと、本文の比喩が成り立たず論旨が間違ってしまいそうだからなのだ。

しかし、イスラエルといったいなんのか?問われれば一言で答えるのは誰であろうが不可能にちかい。

非人道的な極悪人そのもの?いや、そうともいいきれない。


たしかにパレスチナにもともといたアラブ人を武力で追い出した侵略者として、旧KGBやCIAに劣らぬ諜報機関モサドやNPT非加盟のまま核を持ち続ける軍を現に有する世界秩序の紊乱者であるといって言えなくはないであろう。

しかしその一方、何千年も故郷を追われ迫害、軽蔑され続けてきた哀れな民がやっと手に入れた土地を死にもの狂いで守って何が悪いのだという人もいるであろう。

ただ事の善悪は別としてもアメリカという超大国の後ろ盾があると信じて傍若無人に振る舞ってはいるが、内心、小心翼々として世界世論を気にしていない「フリ」をして暴走しかねない危険な国家であるということだけは確実にいえると思う。

そしてまた、何世紀にも渡って世界中の人から嫌われ続け、その実アメリカですら迷惑がっているのだけれど、ユダヤマネーがホワイトハウスやハリウッドのスポンサーである事実は動かし難く、この国の存在が人道主義や民主主義におけるアメリカのダブルスタンダードを余儀なくさせているのもまた一つの事実であろう。

しかるに、、、

そういう「イスラエル」みたいな国家になろうとしているのが同じく対米従属の「国是」をもつ日本だ。、、、と危惧するアメリカ人の高官がいるという。

たしかに日本はNPTに加盟してはいるがそれは安保を前提に「日米安全保障条約が廃棄されるなどわが国の安全が危うくなつた場合には、脱退し得ることは当然」であるとしているだけである。原発稼働でたまった廃棄物の一つであるプルトニウム核兵器に変容することだってないとはいえないのだ。しかも最近の安倍内閣の極端な右傾化や好戦的な姿勢を危ぶんでいるのは、まさに同盟国アメリカの中枢部そのものなのである。

ネット言論でジャーナリズムの基礎を知らない手合いがよくジャパンハンドラーが日本を軍国主義に駆り立てているなどと間違ったイメージを持っているようだが、そもそもジョセフ・ナイやアーミテイジなどは日本のマスコミが便利だから「知日派」などと称してコメントを取っているにすぎず決してアメリカ合衆国を代表した意見ではない。

アメリカを代表した意見は全然違うところにあるのだ。けっして日本通を飯のたねにしているだけのそんな連中にある筈もない。

失際に政権を担っているホワイトハウスの実務家は、、、

中東のハリネズミくん=イスラエルと同じように、極東での突っ張りくん=日本はアメリカにとってただ迷惑なだけなんだけれど、選挙のお金やテレビ映画産業に膨大な資金を提供するユダヤロビーと、ペンタゴンの巨大な軍事費用を負担しその上セコハンの武器弾薬を言い値で買ってくれる気前のいいお客さんをむげにするわけにはいかずこまっているのだ。

とはいえ、アラブ世界との接近も共産中国との接近もアメリカ一局支配から多極支配へと志向しているホワイトハウスの大方針は今更「CHANGE」するわけにもいかず、いずれ「ケガレ」を切り捨てなければならない時がくると首脳部がひそかに考えている「フシ」がある。

とくに日本の安倍首相の自称「地球儀外交」は、比較的安全でお金さえあげれば厚遇してくれる「どーでもいい」国にしか訪問していないといえば言いすぎであろうか。アメリカに行けば冷遇されお隣の韓国や「大国」中国にも行けず、かといってエジプトやシリアに乗り込む勇気もないただの「税金を使った漫遊記」外交でしかないのである。

それでいて、やれ「国軍」創設だ憲法改正だ敵基地への先制攻撃ですら専守防衛の範囲だと言い募り、アンパンマンまでが赤い顔して兵役拒否は死刑だなどとのたまわう。

これってなんかオカシクネー。

参院圧勝でうかれているが敵は本能寺にあり、今度は下痢したからって逃げるわけにはいかんのだ。