本澤二郎の「日本の風景」(1444)

<村木次官ヒロインに待った!>
 2回に渡って厚生労働省村木厚子事務次官による検察の悪辣な取り調べ告発を、彼女の日本記者クラブでの会見から紹介した。誤認逮捕から一躍役人トップの座を射止めた美談など、そう滅多にあるものではない。彼女は霞が関のヒロインである。ところが、即座にクレームがついた。霞が関に詳しい複数の人物からである。指摘されると、確かに頷けるので紹介したい。筆者も一つだけ疑念を抱いていた。其れは彼女の手柄本の出版社が、ナベツネ系だった点である。




<彼女は黒?>
 「絶対権力は絶対に腐敗する」といって事情通は電話をよこした。起訴不起訴を決める、いわば生殺与奪の権限を握っている検察は、必ず腐敗する。確かであろう。「国会議員は選挙で落とせる。しかし、試験で合格した検事や裁判官を落とすことは厳しい。司法には民主主義が全く機能していない。そこに腐敗が100%生まれる」という。間違いあるまい。
 検事の誤りをチェック出来る検察審査会について彼は「形式的な機関に過ぎない。素人の市民に判断能力はない。検事の言うとおり追認するだけだ。意味がない」という分析もその通りで、筆者も体験させられたばかりである。経験しないと、何もわからない。
 事情通は、その上で「村木(次官)は黒だ」と断言した。理由は、単独犯として有罪になった係長に不正を働く動機がない。いわれると、これも同意できる。「家庭家族を持つ役人が、個人的に全く関係のない偽の障害者団体の郵便優遇処理に、人生を懸けて判をつくだろうか。ありえない。上司の指示があった」のである。
<有罪の係長に動機はない>
 大阪地検特捜部の描いた「民主党議員」?が厚生労働省幹部に依頼、それに応じて係長に指示された、という構図は一見正しい。上司の指示に従う組織は、警察・検察・自衛隊が突出しているが、霞が関の官僚機構もそれらに準じる。
 係長は自分の将来の運命を握る課長らの意向に従う。これが役人の生きざまでもある。村木発言によれば、検事の事情聴取に応じた関係役人の半数が、課長の指示があったと供述していたという。
 ということは、彼女は自らの指示を忘れたか、嘘をついていた、ということになるが、霞が関のキャリアが忘れることなどない。
<当時のS部長が全て承知>
 別の事情通は、日経の政治・経済記者から菅直人秘書になった、現在はフリーのジャーナリストのブログをメールしてきた。そこで浮上した点は、S部長の存在である。
 電話を懸けてきた人物も「S部長が全てを知っている。検察が彼を強制捜査の対象にすれば、真実を解明することが出来た。検察はそれをしなかった。任意の取り調べで、彼の書いた図面で捜査して誤ってしまった」と決めつけたものである。本物のワルにひっかかってしまった、というのだ。
 村木クロ説を疑っていない彼は、彼女の監督責任を指摘する。「郵政不正事件によって国に2億数千万円の損害を与えた責任は重い。その人物が次官というのは解せない。これも官邸とからんだ裏がある」と指摘した。
 大阪地検特捜部は、係長を一人スケープゴートにして蓋をしてしまったことになる。ワルは腹を抱えて笑っている。
<小泉秘書が仕掛け人?>
 フリージャーナリストのブログには、このS部長と元小泉秘書が仕掛け人と断定しているらしい。小泉秘書とSの関係は、小泉厚生大臣時代に出来あがった、という。ありえる分析である。
 「郵政不正事件を闇に葬るために村木を次官に付けてヒロイン、本まで出させて日本記者クラブで、わざわざ宣伝の記者会見をさせて完璧に真実に蓋を懸けた。他方、罪をかぶった係長にはカネで生涯補償をして、これも沈黙させた」と解説する友人も現れた。
 松本清張好みの事件簿であろう。
<女性官僚の表と裏>
 筆者は人によく騙される。中曽根康弘小泉純一郎を信用した時もあったくらいだ。村木次官の優しい会見口調に被害者の姿を見たのだが、霞が関の事情通は「表の顔」と断言した。現場での彼女を見聞している指摘は強い。
 「拉致問題を担当した中山がそうだ。優しい口調は表の顔、裏の顔は全く別人」ともいう。これはその通りだと思う。元大臣夫人にも教えられた。「中山は福田赳夫夫人のマージャン仲間。それで出世した、いわくつきの女性だ」という説明に頷いてしまった。

 霞が関の女性キャリア人生も、それなりに相当の努力と苦労を強いられている。その手段は必ずしも正当なやり方ではない。検察の不当な取り調べの実態を公開した点は評価したい。しかし、事件について真実を語る日がくるのであろうか?彼女の今後は、引き続き関心をもたれることになろう。
 以下に送信されてきた事情通メールは、霞が関の事情通でないと分析は不可能と思われるので、読者の参考に供したい。
2013年10月30日8時45分記
<事情通の鋭い分析を紹介>
第三種郵便ごときの不正を知らない(察知できない、その裏の巨大利権も)なんて
・・・無能そのもの
  そんなこと知らなくて、どうして、局長・審議官・次官に成れるんですかね
  彼らのブレーンは少なくとも判っていて助言はします!!!
  そして高知大卒(東大京大じゃない) で 女性で 次官
になるなんて ???
情報収集・分析能力もない、ブレーン(人脈)もなかったら、どうしたら成り上がれますか。幸運が重なる!?
特捜相手にそんなこと あるんですかね???検察が本気なら
  裁判官だって自分たちに有利な者が選出されるようにします
何しろ特捜ですよ。どうして自分たちに不利な裁判官選出を許しますか???
フロッピー発見??? って そんなド素人のミスおかしますか?
万が一犯したって、ウヤムヤにするのはたやすいこと、 何が何でも自分たちのストーリーに持ち込む輩です。東京の特捜が 大阪地検の失態を利用(悪用)して、あたかも自分たち身内の不正追及で国民の喝采を浴び、更に、悲劇のヒロインとして村木を描き、(あたかも田中追及の立花隆のようにし)冤罪として無罪とし、その後 、アンタチャッブル(野党も国民も批判できない対象)なヒロインとして、安倍(小泉・米帝)が通過させたい法案(国民抑圧のもの)を通させる最適任者として村木を任用する。
そんな 匂い がぷんぷん します。
・・・ 柔らかな口調で国民を騙くらかすのは、中山拉致担当も同様です
ましてや 雑魚の村木 が及びもしない。小澤の秘書の石川氏 や ムネちゃん面々ですら、いまだ 無罪ではなく 有罪・長期拘留 です。
2009年の事件直後から疑問点満載だったので、様々な情報を記録・精査 してきていると、疑惑は益々膨らみ・蓄積されていきます。

ネットでも閲覧できる、松田光世氏、夕刊フジ、ゲンダイの指摘ですら十分面白いのではないでしょうか。これら世間に公表されているものに対して、村木さんが抗議(やら訴訟)しないのも、不思議です。ましてや、身内の検察批判本出版し記者会見なんて・・・これら行動は、 ネットで情報を得ているものには・・・ 笑止千万少なくとも、悲劇ヒロイン 検察追及の英雄 に奉られている人物の裏の顔・疑惑を 提示 するのもK泉ーI島 の企みを暴く・警鐘の一かけらとなるんではないでしょうか。
恐らく、立花隆 同様 村木厚(顔)子 は 今後も愚民へのプレゼンター(千両役者)
として生きのばされるでしょう。
以上